
目次
パートやアルバイトの応募を考えている主婦・主夫の中には、履歴書の志望動機で何を書けばよいか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。とくに、子育てなどで仕事にブランクがある場合、「自分の強みがわからない」と不安を感じる方も少なくないでしょう。この記事では、採用担当者に好印象を与え、採用につながりやすくなる志望動機の書き方を、具体的な例文を交えながら詳しく解説します。
主婦・主夫がパート応募で採用される志望動機の基本
主婦・主夫がパートやアルバイトの応募で採用されるためには、採用担当者の心に響く志望動機を書くことが重要です。ポイントは「働く目的の明確化」「勤務可能時間の具体的な提示」「主婦・主夫ならではの強みのアピール」「長期勤務への意欲」の4つです。これらを押さえることで、企業が求める人材像にマッチしていることを効果的に伝えられます。
志望動機の基本的な書き方については、以下の記事でも詳しく解説されていますので、併せて参考にしてください。

働く目的を明確に伝える
まずは、働く理由を具体的に示しましょう。採用担当者に「この人なら長く働いてくれそう」という安心感を与えられます。「長期間働きたい」という場合は、安定した収入を得て家族の生活を支えたいという意欲を伝えます。「ブランクから復帰したい」という方は、社会とのつながりを持ちたい、自分のスキルを再び活かしたいという前向きな姿勢を示すことが大切です。
「子どもの学費のため」という理由も立派な動機になります。教育資金の準備という明確な目標があることで、責任感を持って仕事に取り組む姿勢が伝わるでしょう。ただし、金銭的な理由だけでなく、その職場で働きたい理由も併せて述べることで、より説得力のある志望動機になります。
勤務可能な時間帯を具体的に示す
採用担当者は、応募者がどの時間帯に働けるのかを知りたがっています。「子どもが学校に行っている9時から15時まで」「週3日、扶養の範囲内で」といった具体的な条件を明記することで、ミスマッチを防げます。
学校行事やPTA活動で休みが必要な場合は、事前に伝えておくことが大切です。「基本的には平日勤務可能ですが、月に1〜2回程度、学校行事で休みをいただく可能性があります」といった形で、正直に伝えましょう。
シフトの柔軟性もアピールポイントになります。「土日祝日は家に家族がいるので対応可能」「夏休みなどの長期休暇期間は、午前中のみ勤務可能」など、条件つきでも対応できることを示すと、企業側も助かるはずです。
主婦・主夫ならではの強みを活かす
日々の家事や育児で培った能力は、仕事でも大いに活かせます。限られた時間で効率的に家事をこなす「タイムマネジメント能力」、家族の体調や気持ちに配慮する「細やかな気配り」、予算内で家計をやりくりする「コスト意識」など、アピールできる点は数多くあります。
子ども向けサービスを提供する企業なら、保護者目線での意見や提案ができることを強調しましょう。清掃関連の仕事なら、日々の掃除で身につけた効率的な作業方法や、汚れに応じた適切な対処法を知っていることをアピールできます。
料理が得意な方は、食材の扱い方や衛生管理の知識、複数の作業を同時進行する能力など、飲食店で活かせるスキルをたくさん持っています。これらの経験を具体的なエピソードとともに伝えることで、即戦力として期待できる人材だと印象づけられるでしょう。
長期勤務への意欲を表現する
企業は採用や教育にコストをかけているため、できるだけ長く働いてくれる人材を求めています。「この職場で長く働きたい」という意欲を示すことで、採用の可能性が高まります。
長期勤務できる理由として、「自宅から近く通勤の負担が少ない」「勤務時間が生活リズムにあっている」「職場の雰囲気がよい」などを挙げると説得力があります。また、「子どもが成長しても働き続けたい」「将来的には勤務時間を増やしたい」といった長期的なビジョンを示すのも効果的です。
企業側の視点に立てば、頻繁に人が入れ替わると業務に支障が出ますし、新人教育の手間もかかります。そのため、安定して長く働ける人材は貴重な存在なのです。この点を理解した上で、自分が長期勤務に適した人材であることをアピールしましょう。
状況別・目的別の志望動機例文とアレンジのコツ
主婦・主夫がパートやアルバイトの志望動機を書く際は、自分の状況や働く目的に応じて内容を調整することが重要です。画一的な志望動機ではなく、応募者の個人的な事情や思いを反映させることで、より説得力のある内容になります。以下では、さまざまな状況に応じた志望動機の例文と、それをアレンジする際のコツを紹介していきます。
家計や教育費のために働きたい場合の例文
金銭的な理由は正直に伝えても問題ありませんが、それだけでは不十分です。以下の例文のように、前向きな姿勢と併せて伝えることが大切です。
【例文】 子どもが中学校に上がり、今後の進学に向けて教育費の準備をしたいと思い応募しました。貴社の募集条件は平日の日中勤務が可能とのことで、子どもの学校時間と合わせて無理なく働けると考えています。貯金の目標額を設定し、計画的に教育資金を貯めていきたいと思っております。長期的に安定して働ける環境を探していたため、研修制度が充実している貴社でぜひ働かせていただければと思います。 |
お金を稼ぐ明確な理由がある人は、「責任感を持って働いてくれる」「簡単には辞めない」という印象を与えやすくなります。ただし、「お金に困っている」という切迫感を出しすぎないよう注意が必要です。
金銭面を強調しすぎず、「教育資金の準備」「将来への備え」といった建設的な表現を使いましょう。また、その職場を選んだ理由や、どのように貢献できるかも併せて述べることで、バランスの取れた志望動機になります。
社会復帰・ブランク明けの場合の例文
長期間のブランクがある方は、復帰への意欲と謙虚な姿勢を示すことが重要です。
【例文】 子育てが一段落し、社会に復帰したい気持ちから応募しました。結婚前は営業事務として5年間勤務しており、電話応対や書類作成の経験があります。約7年のブランクがありますが、PTA活動で資料作成や会計業務を担当し、パソコンスキルは維持しています。貴社で一から学び直す姿勢で、真面目に取り組んでいきたいと考えております。 |
ブランクから復帰したい気持ちを素直に伝えることで、「努力してくれそう」「真面目に頑張ってくれそう」という好印象を与えられます。同時に、ブランク期間中に身につけたスキルや経験もアピールしましょう。
家事や育児、地域活動などで培った能力は、十分に仕事で活かせるものです。「ブランクはあるが即戦力になれる」ということを、具体的なエピソードを交えて伝えることで、採用担当者の不安を払拭できるでしょう。
時間に余裕ができた場合の例文
子育てが一段落して時間に余裕ができた場合は、その時間を有効活用したいという前向きな姿勢を示します。
【例文】 子どもが高校生になり、育児に必要な時間が減ったため、日中の時間を有効活用したいと考えました。貴社を選んだ理由は、地域に根ざした企業として長年親しまれており、私自身も10年以上利用させていただいているからです。平日は開店から15時まで毎日勤務可能で、土日祝日も月に2回程度は出勤できます。時間に余裕がある分、しっかりと貢献したいと思っております。 |
時間に余裕があることだけでなく、なぜその企業で働きたいのかを明確に伝えることが重要です。企業や商品への興味、仕事内容への関心など、具体的な理由を挙げましょう。
さらに、時間に余裕があることをシフトの柔軟性につなげてアピールすると効果的です。「急な欠員が出た際は対応可能」「繁忙期は勤務時間を延長できる」など、企業にとってプラスになる情報を盛り込みましょう。
経験やスキルを活かしたい場合の例文
前職の経験や保有資格を活かしたい場合は、具体的にどう貢献できるかを示すことが大切です。
【例文】 結婚前まで経理係として8年間勤務しており、簿記2級の資格を持っています。Word・Excelは日常的に使用していたほか、会計ソフトの操作経験もあります。10年のブランクがありますが、家計管理やPTA会計を通じて数字を扱うことは継続していました。貴社の経理事務の募集を拝見し、これまでの経験を活かせると考え応募しました。ブランクはありますが、謙虚な姿勢で一から学び直したいと思います。 |
ブランクがある場合は、謙虚な姿勢を示すことも忘れずに。「経験はあるが、一から学ぶつもりで頑張る」という姿勢は、採用担当者に好印象を与えます。
主婦業で培ったスキルも立派な経験です。「家計簿をつけることで身につけた計数感覚」「子どもの予定管理で鍛えたスケジュール調整能力」など、仕事に結びつく能力を見つけて積極的にアピールしましょう。
勤務条件が合っている場合の例文
シフトや立地などの条件面が応募の決め手になった場合も、それを前向きに表現することが可能です。
【例文】 貴社の勤務条件が、私の希望と完全に一致していたため応募しました。週3日、9時から14時までという勤務時間は、子どもの送り迎えに支障がなく理想的です。時給面でも扶養の範囲内で最大限働ける条件で、大変魅力を感じています。ただ条件がよいだけでなく、貴社の『お客様第一主義』という理念にも共感しており、接客を通じて地域に貢献したいと考えています。 |
「家から近い」「時給がよい」といった条件面の魅力も、伝え方次第で立派な志望動機になります。重要なのは、その条件があなたの長期勤務や安定した勤務につながることを示すことです。
条件のよさだけでなく、その結果として企業にどんなメリットをもたらせるかを考えて表現しましょう。「通勤時間が短い分、残業にも対応しやすい」「希望シフトと合っているので欠勤が少ない」など、企業側の利点も併せて伝えると説得力が増します。
職種別の志望動機例文と書き方のポイント
パートやアルバイトの志望動機は、応募する職種の特性に合わせて内容を調整することも重要です。それぞれの職種で求められるスキルや適性が異なるため、画一的な志望動機では採用担当者の心に響きません。ここでは、主要な職種ごとに効果的な志望動機の書き方と具体的な例文を紹介していきます。
事務職向けの志望動機例文
事務職では、PCスキルと正確性、そして細やかな気配りが求められます。経験者と未経験者では、アピールポイントが異なります。
【経験者の例文】 前職では営業事務として、見積書作成や売上データの管理を担当していました。Word、Excelは日常的に使用しており、PowerPointでの資料作成も可能です。5年のブランクがありますが、PTA役員として議事録作成や会計報告書の作成をおこない、スキルの維持に努めてきました。貴社の事務職として、これまでの経験を活かしつつ、新しい業務も積極的に学んでいきたいと思います。 |
【未経験者の例文】 事務職は未経験ですが、子どもの学校でPTA広報委員を務め、お便りの作成や印刷物の管理を担当しました。この経験を通じて、Wordでの文書作成やExcelでの名簿管理を習得しています。また、家計簿を細かくつけているため、数字の管理には自信があります。一から丁寧に教えていただければ、確実に業務を覚えて貴社に貢献したいと考えています。 |
PCスキルは具体的に記載することが大切です。「パソコンができます」では不十分で、使えるソフト名や実際の使用経験を明記しましょう。PTA活動や家計管理などの経験も、事務スキルとして十分アピールできます。
販売・接客業向けの志望動機例文
販売・接客業では、コミュニケーション能力と商品への愛着、お客様目線での対応が重視されます。
【例文(スーパー)】 普段から貴店を利用しており、店員さんの明るい雰囲気に魅力を感じておりました。人と接することが好きなので、レジや品出しの仕事が身近に感じられ応募いたしました。土日の勤務は難しいですが、子どもが学校に行っている平日の時間帯は、開店準備から勤務することが可能です。体を動かすことが好きで体力にも自信がありますので、什器や重たい商品の移動、長時間の立ち仕事も苦になりません。 |
【例文(ドラッグストア)】 私が子どもの頃から利用している貴店が、この地域で長く親しまれていることに安心感があって応募しました。自宅から徒歩で通うことができる点も魅力に感じています。ドラッグストアでの販売経験はありませんが、育児や介護で培った経験から、小さなお子様連れのお客様やご高齢のお客様に対して、「親しみやすい」と思ってもらえる販売員を目指したいです。 |
【例文(アパレル)】 ファッションが昔から好きなこともあり、育児が落ち着いたあとは、アパレル販売員に挑戦したいとずっと考えていました。先日貴店を利用させていただいた際、平日のアルバイトを募集していることを知り、今回思い切って応募しました。貴店のお洋服は出産後から愛用していて、ほかにないデザインや着心地のよさにとても魅力を感じています。アパレル業界は未経験ですが、接客業の経験はあり人と接することが大好きです。貴店のブランドイメージにふさわしい販売員になれるよう努めます。 |
主婦・主夫目線での商品知識や顧客理解は大きな強みです。「自分も使っている」「家族が喜んでいる」といった実体験を交えると、説得力のある志望動機になります。業態によって求められる要素が異なるため、その店舗の特徴を理解した上で志望動機を作成しましょう。

飲食店向けの志望動機例文
飲食店では、ホールスタッフと調理スタッフで求められる資質が異なります。それぞれの特性に合わせた志望動機を作成しましょう。
【例文(カフェ・ホールスタッフ)】 家族で休日などに貴店を利用させていただくことが多く、いつもスタッフの皆さんが楽しそうに働く姿が印象的でした。コーヒーや紅茶が好きで、自宅でも豆や茶葉にはこだわっております。接客業の経験はありませんが、人と接することが好きなため、丁寧な接客を心がけ、お客様に心地よいひとときを提供できるよう努めたいです。 |
【例文(レストラン・キッチンスタッフ)】 子どもが小学校へ行くのをきっかけに、家事の経験を活かした仕事ができないかと探していたところ、今回の募集に出会うことができました。料理をするのが好きで、毎日の献立を考えることもとても楽しいです。仕事を通して、好きな料理についてもっと学ぶことができればと思っています。食に関する資格にも興味があり、お仕事に活かせる知識・資格があれば積極的に勉強したいと考えております。 |
ファーストフード店への応募であれば、日々の家事・育児で培った時間効率を意識した作業スピードに自信があることを伝えるのもよいでしょう。料理好きや家事経験を具体的な業務内容に結びつけて表現することで、即戦力として期待してもらえる可能性が高まります。

軽作業・工場向けの志望動機例文
軽作業では、コツコツと正確に作業を進められる能力と集中力が求められます。
【例文(仕分け作業)】 手先が器用で、細かい作業を正確におこなうことが得意です。趣味でハンドメイドアクセサリーをつくっており、同じ作業を繰り返すことも苦になりません。また、子どもの学用品の名前つけなど、大量の単純作業も効率よくこなしてきました。貴社の仕分け作業でも、ミスなく確実に業務を遂行できると考えています。 |
【例文(梱包作業)】 フリマアプリで不用品を販売する際、商品の梱包にはとくに気を使っています。お客様に喜んでもらえるよう、丁寧で見た目も美しい梱包を心がけてきました。この経験を貴社の梱包業務で活かし、品質の高い仕事をしたいと思います。立ち仕事も問題なく、体力には自信があります。 |
集中力、正確性、真面目さを具体的なエピソードとともにアピールしましょう。単調な作業でも責任を持って取り組める人材であることを示すことが大切です。作業の種類に応じて、関連する日常経験を見つけて志望動機に盛り込むと効果的です。

コールセンター向けの志望動機例文
コールセンターでは、聞き取りやすい話し方と、相手の立場に立った対応が求められます。
【例文】 前職では販売員として5年間勤務し、電話でのお問い合わせ対応も日常的におこなっていました。『声だけでも笑顔が伝わる』と評価をいただいたこともあります。人とコミュニケーションを取ることが好きで、経験を活かして貴社で働けると考えています。研修制度が充実しており、一から学べる環境があることも魅力です。在宅勤務も可能で、子育てと両立しやすい点も応募の決め手となりました。お客様に寄り添った対応を心がけたいと思います。 |
在宅勤務が可能なコールセンターであれば、「自宅での作業環境が整っており、集中して業務に取り組める」といったアピールも効果的です。また、未経験の場合でも、研修制度への期待や学習意欲を伝えることで、前向きな姿勢を示すことができます。

未経験職種への応募時の注意点
「未経験歓迎」の求人に応募する際も、ただ「やる気があります」では不十分です。未経験でも活かせる経験やスキルを見つけ出し、その仕事との接点をつくることが大切です。
たとえば、コンビニエンスストアの仕事が未経験でも、「家計管理で培った計算能力」「PTAでの物品販売経験」「子どもの友達への対応で身につけた接客スキル」など、関連する経験は必ずあるはずです。これらを具体的に示すことで、未経験でも即戦力になれる可能性を感じさせられます。
学習意欲と謙虚な姿勢のバランスも重要です。「教えていただければ、どんな仕事でも丁寧に進めます」「マニュアルをしっかり覚えて、早く戦力になれるよう努力します」といった表現を使いましょう。自信過剰にならず、かといって自信なさげにもならない、適度な謙虚さが好印象を与えます。
未経験だからこそ、新鮮な視点で仕事に取り組めるというメリットもあります。「お客様目線での気づきを大切にしたい」「初心を忘れずに丁寧な仕事を心がけたい」など、未経験であることをプラスに転換する発想も大切です。
主婦・主夫にもおすすめ!スキマバイトサービス「タイミー」とは
今回は、主婦・主夫がパートの志望動機を書く際のポイントと具体例を詳しく解説してきました。働く目的を明確にし、勤務可能な時間を具体的に示し、主婦・主夫ならではの強みを活かすことで、採用担当者に好印象を与える志望動機が作成できるはずです。
しかし、「やっぱり履歴書を書くのは不安」「志望動機を考えるのが苦手」という方もいらっしゃるでしょう。そんな方におすすめなのが、履歴書不要で働けるスキマバイト探しアプリの「タイミー」です。
タイミーは、空いている時間に気軽に働ける仕事が探せるアプリで、面接や履歴書の提出が不要です。主婦・主夫の方にとっては、1日単位、数時間単位で働ける仕事もあるため、子どもの急な体調不良や学校行事にも柔軟に対応できます。長期的なコミットメントが不要なので、「続けられるか不安」という方でも安心して始められるでしょう。
また、さまざまな職種を経験できるため、自分に合った仕事を見つけるための「お試し」としても活用できます。いきなり長期のパートに応募するのが不安な方は、タイミーで経験を積んでから本格的な仕事探しをするのも一つの方法です。
履歴書作成に自信がない方、まずは気軽に働き始めたい方は、タイミーのようなサービスから始めてみるのもよいでしょう。働く自信がついてから、改めて長期のパート探しに挑戦することで、より説得力のある志望動機が書けるようになるはずです。
