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アルバイトに応募する際に非常に重要なのが、履歴書に記載する志望動機です。「何を書けばいいかわからない」「経験がなくても魅力的な志望動機が書けるのか」などと悩んでいる方もいるのではないでしょうか?本記事では、飲食店のアルバイトに応募するときに提出する履歴書の志望動機について、書き方の基本をはじめ、業態別の例文、よくある失敗例などを詳しく解説します。希望する飲食店でアルバイトをするためにも、採用担当者の心をつかむ説得力のある志望動機を書けるようになりましょう。
飲食店バイトの履歴書で心をつかむ志望動機とは
飲食バイトには多くの応募が集まるため、採用担当者の目に留まる志望動機を書く必要があります。採用担当者は志望動機から、あなたの仕事への熱意や店舗との相性、コミュニケーション能力などを判断しています。単に「お金が必要」「家から近い」といったものではなく、なぜその飲食店で働きたいのかという具体的な理由と、あなたならではの視点を盛り込むことが重要です。
飲食店バイトの志望動機作成の基本ステップ
志望動機を作成する際は、段階的に進めていくのがポイントです。まず、志望する飲食店の特徴やコンセプトをリサーチします。お店のホームページやSNSを閲覧したり、実際に来店したりして、料理やサービス、お店の雰囲気を把握しましょう。
そうしたリサーチとあわせて、自分の強みや経験、興味を整理するために自己分析を行います。アルバイト経験がなくても、学校行事や地域のイベントでの接客経験、チームワークなど、アルバイトに関連するスキルを見つけ出します。
それらを踏まえて、魅力的な志望動機を記載していきましょう。「なぜそのお店で働きたいのか」について、具体的な理由やエピソードを交えながらまとめるとともに、自分のスキルをアピールし、お店に対してどのように貢献できるのかを簡潔に記載します。
履歴書の志望動機が果たす役割
履歴書の志望動機は、採用プロセスで重要な役割を果たすのは言うまでもありません。まず、採用担当者があなたを知るための手がかりの役割を果たします。とくに飲食業界では「人と接するのが好き」「料理に興味がある」といった理由が、あなたの意欲や適性を示す一つの指標になります。
また、志望動機から、コミュニケーション能力やチームワークを大切にする人かどうか、長期間働く意思があるかなども読み取られます。お店への愛着はもちろん、人と接することやチームプレイが好きなこと、長く働きたい意欲を示すことで、採用の可能性が高まります。
飲食店バイトの志望動機を書く際のポイント
飲食店バイトの志望動機では、採用担当者の心をつかむ書き方があります。その点を押さえることで、多くの応募者のなかから選ばれる可能性を高めることができるでしょう。以下で詳しく解説します。
具体的な表現で熱意を伝える
志望動機で差をつけるには、抽象的な表現を避けることが重要です。たとえば、ホール担当を希望している場合は、「接客が好き」という一般的な表現よりも、「お客様一人ひとりの表情から求めるものを察知し、最適なサービスを提供したい」といった具体的な表現の方が説得力があります。
調理担当を希望している場合、「料理に興味がある」だけでは抽象的です。かわりに「イタリア料理の調理法に関心があり、とくにパスタソースの奥深さに魅力を感じている」といった具体的な志望動機を書くことで熱意がより伝わりやすくなります。
店の特徴やコンセプトの感想を含める
志望動機のなかにお店の特徴やコンセプトに関する感想を含めることで、「このお店で働きたい」という熱意が伝わりやすくなります。事前にお店を訪れて、メニューの特徴や接客スタイル、店内の雰囲気などを観察し、その感想を志望動機に盛り込みましょう。
たとえば、「季節ごとに変わる創作料理に魅力を感じ、そのこだわりを学びたい」「スタッフ間の連携が素晴らしく、温かい雰囲気の接客が心地よかった」といった表現は説得力があります。過剰な褒め言葉をつかう必要はありません。素直な感想を伝えることが大切です。
経験の有無に応じて書き分ける
飲食業界での経験の有無によって、志望動機の書き方は変わります。経験者は具体的なスキルや知識をアピールし、どう活かせるかを明確に伝えましょう。「前職のカフェでの経験を活かし、ピーク時の効率的な立ち回りと、お客様一人ひとりに合わせたクオリティの高い接客を両立できる」といった強みを示すと効果的です。
未経験者は、仕事に関連するスキルをアピールします。「部活動で培ったチームワークを大切にする姿勢」「販売のアルバイトで身につけた接客スキル」など、飲食店と関連性のある経験を記載するとともに、「たくさんシフトに入ってしっかりと学びたい」といったように、学習意欲があることもはっきり明示しましょう。
飲食店バイトの志望動機でよくある失敗例
飲食バイトの志望動機をまとめる際に、多くの人が陥る失敗パターンがあります。注意すべきは、ネガティブな印象を与える表現の使用です。
「接客なら誰でもできそう」「マニュアルがあるから楽そう」といった表現は、やる気のなさや安易な姿勢を感じさせてしまいます。そうではなく、「飲食店の基本である接客スキルを磨きながら成長したい」「基礎から丁寧に学び、プロの接客を身につけたい」など、前向きな表現に言い換えましょう。
また、志望動機で給与やシフト、勤務地などの条件面だけに触れるのも避けましょう。「家から近いから」「授業の合間に働けるから」といった理由だけでは、その人を採用したいとは思いません。「自宅から近いため、遅いシフトが続いても無理なく働ける」「大学が近いため、授業が終わり次第すぐ駆けつけられる」といったかたちに言い換えると、条件面に触れながらもよい印象を与える志望動機になります。
【業態別】飲食店バイトの志望動機の例文集
飲食バイトといっても、業態によって求められるスキルや働き方は大きく異なるため、それぞれの特徴を踏まえた志望動機を書くことが採用につながります。ここでは、「カフェ・喫茶店」「レストラン・ファミレス」「居酒屋・バー」「ファストフード・テイクアウト専門店」の4つに分けて、各業態向けの志望動機の書き方と具体的な例文を紹介します。
カフェ・喫茶店向けの志望動機例文
カフェ・喫茶店の志望動機では、落ち着いた雰囲気で接客ができることや、コーヒーなどのドリンクやカフェ特有のメニューへの関心を伝えることが重要です。カフェ・喫茶店ならではの細やかなサービスや居心地のよい空間づくりへの共感を示すと好印象です。
【カフェ・喫茶店の例文】
季節ごとに変わるオリジナルドリンクと、落ち着いた雰囲気に魅力を感じています。以前友人と訪れた際、スタッフの方の丁寧で温かい接客に感銘を受けました。また、コーヒーにも興味があり、自宅でもさまざまな豆を楽しんでいます。そうした知識も活かしながら、お客様に寛ぎの時間を提供できるスタッフになりたいと思い、応募しました。 |
レストラン・ファミレスのホール・キッチン職向けの志望動機例文
レストラン・ファミレスでは、ホールスタッフは接客、キッチンスタッフは調理に関する経験や関心をアピールするのがポイントです。それぞれの役割の違いを踏まえた志望動機を作成しましょう。
【ホールスタッフの例文】
家族連れからビジネス客まで幅広い客層に柔軟に対応する接客スタイルに関心があり、応募しました。以前の販売業の経験を活かし、お客様一人ひとりに合わせたきめ細かいサービスを提供したいと考えています。お子様連れのお客様が多いようですので、お子様のことでお困りごとがないか、といった気配りができる接客を心がけたいです。 |
【キッチンスタッフの例文】
料理が好きで、貴店の季節感あふれるメニューに魅力を感じています。自宅ではいつも料理をしていますが、料理の仕事に就いたことがないため、プロの技術や効率的な調理法を学びたいと思い応募しました。チームワークを大切にし、忙しい時間帯でも正確で迅速な調理ができるようがんばります。 |
居酒屋・バー向けの志望動機例文
居酒屋やバーでは、活気ある雰囲気や多様な客層とのコミュニケーション能力、夜間勤務への対応力をアピールすると効果的です。お酒や料理への関心もしっかり伝えましょう。
【居酒屋・バー向けの例文】
活気ある雰囲気と、お客様との距離感の近さに魅力を感じて応募しました。人と話すことが好きで、幅広い年齢層のお客様と楽しくコミュニケーションを取りながら接客したいと思います。体力には自信があるため、夜間の勤務も問題ありません。お酒の知識を積極的に学び、お客様に合った一杯を提案できるスタッフを目指したいです。 |
ファストフード・テイクアウト店向けの志望動機例文
ファストフード・テイクアウト店では、料理の提供スピードが重要なため、効率性や迅速さ、チームワークをアピールするのがポイントです。多忙な時間帯でも正確にオペレーションを回せることを示しましょう。
【ファストフード店の例文】
効率的なオペレーションと、多くのお客様に短時間で質の高いサービスを提供する姿勢に魅力を感じ、今回応募しました。学生時代に文化祭で模擬店経験があり、忙しい状況でも冷静に対応できました。スピードと正確さが求められる環境で自分の能力を発揮し、チームの一員として貢献したいと考えています。 |
【テイクアウト店の例文】
実際にお弁当をいただいた際に、その品質の高さに感動しました。料理が好きで、食材の扱いや盛りつけにも関心があり、お弁当を通じて日常に彩りを添える仕事に携わりたいと思い応募しました。テイクアウト専門店では限られた時間でお客様とコミュニケーションを取る必要があるため、短時間でも心のこもった接客ができるよう努めたいです。 |
【デリバリー専門店の例文】
貴店のデリバリーサービスは、地域の方々の生活を支える重要な役割を担っていると感じ、その一員として働きたいと思い応募しました。以前の販売業での経験から、お客様との丁寧なコミュニケーションには自信があります。配達を通じて、お客様のもとへ温かい料理を届ける喜びを感じながら、地域に根差したサービスの一翼を担いたいと思います。 |
経験者・未経験者別の飲食店バイト志望動機の違い
飲食店バイトの志望動機の内容は、経験の有無によって大きく異なります。経験者は具体的なスキルや過去の実績をアピールすることで即戦力であることを示せる一方、未経験者は熱意や学ぶ姿勢、別の経験から転用できるスキルを強調することが重要です。
たとえば、ファミレスのアルバイトに応募する際、経験者は「前職での接客技術を活かしたい」と実績をアピールし、未経験者は「明るい接客を心がけ、基礎から学びたい」という前向きな姿勢を示しましょう。
採用担当者は経験の有無だけでなく、その人の仕事に対する姿勢や職場との相性も重視しています。経験者、未経験者のそれぞれの立場に合わせた効果的な志望動機の書き方を解説します。
未経験からでも魅力的に映る志望動機のつくり方
飲食業界が未経験でも、アピールできる強みはたくさんあります。まず、志望動機では自分の興味を明確に示しましょう。「笑顔で接客することが好き」「料理に関心がある」といったことを、より具体的な言葉で伝えて熱意をアピールします。
また、飲食店バイトの仕事と、日常生活や学校生活での経験を関連づけます。「家族の食事をつくる習慣」「サークル活動でのチームワーク」「文化祭での模擬店運営」など、飲食業に活かせる経験を見つけ出しましょう。「部活動で培った体力と忍耐力を活かし、長時間の立ち仕事でも笑顔で接客できる」といった具体的な表現が効果的です。
さらに、学ぶ意欲や柔軟性をアピールすることも大切です。「飲食業は未経験でも、基本から丁寧に学び、迅速に業務を習得したい」「新しい環境でも積極的に質問し、早く戦力になれるよう努力する」といった前向きな姿勢を示しましょう。
経験を活かした説得力のある志望動機のつくり方
飲食業界での経験がある場合は、その経験を具体的に活かせる点を志望動機に盛り込みましょう。ただ単に「カフェで働いていた」のように経験を列挙するだけでは印象に残りません。どのようなスキルを身につけ、それが応募先でどう活かせるかを具体的に示すことが重要です。
「前職のカフェで培った迅速かつ丁寧な接客スキルを、より多様なメニューと客層に対応する貴店で発揮したい」といったかたちで、前職での具体的な経験と、応募先でのスキルの活かし方を明確に結びつけましょう。また、「1日平均100名以上のお客様に対応した経験がある」など、具体的な数字とともに実績を示すと説得力が増します。
異なる業態での経験をアピールする場合は、新たな業態に通ずるスキルを強調しましょう。たとえば、ファストフードの経験があり、新たに居酒屋に応募する場合は、「迅速なサービス提供の経験を活かしつつ、コミュニケーションをより重視する接客スキルを身につけたい」といった表現が効果的です。
正社員にキャリアアップする際の志望動機のつくり方
アルバイトから正社員へのキャリアアップを目指す場合の志望動機は、長期的なビジョンと店舗への貢献意欲を強く打ち出すことが重要です。「アルバイトとして勤務するなかで、より責任ある立場で店舗の発展に貢献したいという思いが強くなった」といったかたちで、正社員を目指す明確な動機を伝えましょう。
さらに、アルバイト経験を通じて得た具体的な知識や経験を、正社員での役割にどう活かせるかを明示するのも効果的です。「接客業務だけでなく、新人教育や発注業務などにも携わった経験を活かし、店舗全体のオペレーション向上に貢献したい」といった具体例を挙げることで説得力が増します。
店舗運営や人材育成への関心を示すのもよいでしょう。「後輩アルバイトへの指導を通じて人材育成の重要性を実感し、正社員としてより体系的な教育システムを構築していきたい」「日々の業務で気づいた改善点を活かし、より効率的かつ質の高いサービス提供に取り組みたい」など、責任ある立場を求める積極的な姿勢を伝えましょう。
飲食店バイトの履歴書で志望動機以外に気をつけるポイント
志望動機は履歴書の重要な要素の一つですが、飲食店バイトの採用担当者は履歴書全体から応募者の適性を判断します。履歴書全体に一貫性を持たせ、志望動機の内容とほかの項目が矛盾しないよう注意しましょう。たとえば、志望動機で「チームワークを大切にしたい」と書く場合は、自己PRでもその姿勢が伝わる内容にします。
また、飲食店ではとくに清潔感や丁寧さも重視されます。言うまでもないことですが、履歴書を手書きで用意する場合はきれいな文字で誤字脱字なく記入し、パソコンで作成する場合も読みやすいレイアウトを心がけましょう。
写真は清潔感のある服装で撮影したものを使用し、職歴欄には飲食経験がある場合は具体的な業務内容や身につけたスキルを詳細に記載すると効果的です。
志望動機と自己PRを連携させる
履歴書における志望動機は「なぜこのお店で働きたいのか」という理由を伝えるものであるのに対して、自己PRは「あなたの強みやスキル」を伝えるもので、その役割は異なります。しかし、両者を効果的に連携させることで、履歴書の説得力が高まります。
たとえば、志望動機で「季節のメニューに魅力を感じ、お客様に喜んでもらえるサービスを提供したい」と書いた場合、自己PRでは「前職の販売業で培った接客経験があり、お客様の表情から求めているものを察知するのが得意」といったかたちで関連するスキルをアピールします。
また、志望動機に「チームワークを大切にする雰囲気に惹かれた」と書いたのであれば、自己PRでは「サークル活動でチームをまとめた経験があり、そこで培った協調性を発揮できる」と補完します。
このように、志望動機で示した内容を実現できる能力があることを自己PRで証明することで、採用担当者に「この人は適任だ」と思わせる履歴書をつくることができます。
面接で志望動機について質問された際の回答方法
面接で志望動機について質問された場合、履歴書に書いた内容をただ繰り返すだけでは熱意が伝わりません。履歴書の内容を基本としながらも、より具体的なエピソードや感情を交えて説明しましょう。
たとえば、履歴書に「店舗の雰囲気に魅力を感じた」と書いた場合、面接では「実際に来店した際、スタッフ同士の連携がとれていて、お客様への気配りが素晴らしいと感じた」と具体的な印象を伝えると説得力が増します。
また、面接官から「なぜほかの飲食店ではなく当店なのか」などと掘り下げ質問をされた場合は、事前にその店舗の特徴や強みをリサーチしておき、「〇〇というコンセプトに共感した」「他店にはない△△というサービスに興味を持った」など具体的に答えられるよう準備しておきましょう。
面接における質問に対しては自信を持って答え、志望動機を語る際は、その熱意が伝わるように明るい表情で話すことを心がけましょう。自分の強みとお店のニーズをうまく結びつける回答ができれば理想的です。
タイミーのバッジ機能で履歴書に書くスキルや実績を可視化しよう
飲食店バイトの履歴書で悩むのが、自分の経験やスキルをどう伝えるかという点です。未経験者は「アピールできるスキルがない」と思いがちですが、実はあなたの能力を客観的に示す方法があります。それが、スキマバイトサービス「タイミー」の「バッジ機能」です。2023年12月に導入されたこの機能は、すでに累計100万個以上のバッジが付与されており、多くの働き手のキャリアをサポートしています。
この機能は、アルバイト先から「よい働きをしてもらえた」と認められた業務をバッジとして表示する機能です。業務終了後、アルバイト先が管理画面上で働き手をレビューする際に、よい動きをしてくれた業務を認定することで、タイミー上に「バッジ」という形で付与されます。たとえば、ホールでの対応が素晴らしかった場合は「ホールバッジ」が、しっかりとレジ業務に対応した場合は「レジバッジ」が付与されます。
バッジを獲得すると、高時給の「バッジ限定お仕事リクエスト」も届くようになるため、スキル向上と収入アップの両方につながります。履歴書作成時には、「タイミーで接客スキルのバッジを獲得した」などと記載することで、客観的な裏づけのある自己アピールが可能になるでしょう。

まとめ
飲食店バイトの志望動機は、採用の明暗を分ける重要な要素です。業態に合わせた書き方、具体的な表現での熱意の伝え方、店舗の特徴への言及、そして経験の有無に応じた書き分けなどを意識することが大切です。さらに、志望動機と自己PRの連携や、履歴書全体の印象を高める書式とマナーにも気を配りましょう。
タイミーのバッジ機能などを活用してスキルを可視化すれば、より説得力のある履歴書が完成します。これらのポイントを押さえ、あなたらしさが伝わる志望動機をまとめ、希望する飲食店でのアルバイトを実現してください。