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定年の下限引き上げや健康寿命が延びたことなどにより、60歳を過ぎても働くシニア世代が増えています。単純にお金を稼ぐだけではなく、やりがいを感じたい、社会と繋がりを持ちたい……など理由はさまざまです。しかし、仕事を退職してからどのように新たな職場を探せばよいかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、60歳からの働き方のポイントやおすすめの仕事、仕事の探し方などについて紹介をします。
60歳以上の就業率は年々増加!
内閣府の「令和4年版高齢社会白書(全体版)」によると、60歳以上の就業率が年々増加しています。2021年4月に定年の下限が65歳に改正されたことや健康寿命が延びたことにより、60歳をこえても働く意欲のある高齢者が増えているようです。
(内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版)」を元に編集部で作成)
60歳以上の就業率が増加することで、企業や労働者にとってはそれぞれ以下のようなメリットがあります。
企業側 |
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労働者(働き手)側 |
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このように、60歳以上のシニア世代の働き手が増えることでさまざまなメリットが得られるため、企業は60歳以上の人材を積極的に雇用しているのです。
▼参考記事

60歳からの働き方のポイント
ここでは、60歳からの働き方のポイントについて紹介します。
無理をしない
自分のためにも、仕事で無理をしないことが大切です。2021年10月に開催された中央労働災害防止協会主催の「第80回全国産業安全衛生大会」で発表された厚生労働省の資料によると、業務経験1年未満の人が引き起こす労働災害の割合は、年齢の上昇にともない大きくなる傾向があります。
たとえば、無理をして大きな怪我をした場合、復帰までに多くの時間がかかります。その間、収入が得られなくなることで生活がままならなくなったり、生きがいややりがいを得られなくなることで活力が失われたりしてしまいます。
60歳以上のシニア世代の場合、働く意欲だけが先走り、身体や体力が追いつかないこともあるでしょう。「無理をしない」と自分に言い聞かせて、安全第一で仕事をするのが大切です。

過去の経験やポジション、待遇にこだわりすぎない
過去の職場で結果や実績を残してきた方の場合、その経験を次の職場でも活かそうとする傾向にあります。
スキルや経験を活かすのはよいことですが、過去の経験やポジション、待遇にこだわり、条件を絞りすぎてしまうと、希望する仕事の募集が少なくなることで仕事探しが難航してしまうかもしれません。新しい環境、新しい待遇を受け入れ、心機一転頑張る心構えが必要です。
生活にかかるお金を把握する
年金の受給開始年齢は、原則として65歳(例外あり)からです。そのため、仮に60歳で勤めていた会社を退職し、新たにパートやアルバイトを開始する場合、年金を受け取れるようになるまでに時間を要することがあります。生活費を算出してどれぐらい働けばよいのか、計画を立てることも重要です。
日常にかかるお金はもちろん、突然の病気や怪我などにかかるお金なども考慮して、やりくりできる生活費を把握しておきましょう。
60歳からの働き方
以下では、60歳からの働き方にはどのようなものがあるのか紹介します。
嘱託社員(再雇用・再就職)
現在、定年後も嘱託社員・契約社員として再雇用可能な企業が増えています。また、長年の経験を活かして、他の企業へ再就職をするのも選択肢の一つです。
再雇用
再雇用とは、定年まで正社員として働いてきた企業に、定年後別の雇用形態で勤務することです。
再雇用後も慣れた業務を行うことから、新しいことを覚える必要がほぼありません。一方で、再雇用後の給与は定年前と比べて下がる傾向があるので、覚えておきましょう。

再就職
再就職とは、定年で勤めていた企業を退職し、他の企業へ就職することをいいます。これまでの経験を活かせる同職種の企業に限らず、異なる分野の企業への就職など選択肢はさまざまです。
定年後に新しいことに挑戦したい方には、再就職は魅力的な選択肢といえます。一方で、新しいことを覚えることが苦手な人や慣れた環境で働き続けたいという方には、向いていないかもしれません。
アルバイト・パート
アルバイトやパートは、働きたい時間帯を決められるため、プライベートを優先したい方におすすめの働き方です。さまざまな職種の募集があり、スキルや経験を活かして働くことはもちろん、未経験でも働ける仕事も多くあります。
正社員よりは収入が低い傾向にありますが、自分に合った働き方で収入を得たい方にはおすすめです。
派遣社員
派遣社員は、人材派遣会社と雇用契約を結び、人材派遣会社が紹介する企業に派遣されて働く働き方です。最近では、経験豊富なシニア世代は即戦力として働けたり、教育コストを抑えられたりといった点から、シニア世代を歓迎している求人を多く揃える人材派遣会社もあります。
また、シニア世代にとっても、派遣の仕事は勤務時間や場所を選びやすいため、パートナーや親の介護が必要な場合などでも時間の融通が効きやすく、働きやすいといえるでしょう。
フリーランス・個人事業主(独立)
フリーランス・個人事業主は、自分で事業を起こして働く働き方です。ライターや動画クリエイター、プログラマー、税理士、会計士、カウンセラーなど、自分が得意な分野で働くことができます。年や解雇などの心配がないため、自分のペースで働き続けられることもメリットです。
また、これまでの経歴を活かして企業へのアドバイスを行う経営顧問や技術顧問として、企業と契約を結ぶような働き方もあります。
定年後のシニア世代におすすめの仕事
ここからは、定年後のシニア世代におすすめの仕事について紹介します。
経験を活かした仕事
事務や経理などの経験がある方であれば、デスクワークがおすすめです。体力的な負担が少なく、無理なく仕事ができます。
家事や育児の経験がある方であれば、家事代行やベビーシッターなどが始めやすいでしょう。これまでの経験を振り返り、自分に向いている仕事を見つけてみてください。
資格を活かした仕事
看護師や保育士、調理師などの資格を持っている方は、年齢関係なく即戦力として採用されやすい傾向にあります。
その他、そろばん講師や書道講師の資格を持っている方であれば、そろばん教室や書道教室などで講師として働けます。
体を動かす仕事
清掃、軽作業、警備員などは、未経験者や60歳以上の方でも採用する企業が多くあります。
デスクワークより体力を使う仕事ではありますが、その分短い勤務時間で働けるなど、無理なく働ける現場も多くなっています。
60歳からの仕事の探し方
以下では、60歳からの仕事の探し方について紹介します。
シルバー人材センター
シルバー人材センターは、全国の市区町村に設置されている公益社団法人です。シルバー人材センターが地域や企業、公共団体などから業務を請け負い、受注した仕事を会員登録している高齢者へ割り振ります。収入は給与制ではなく、各仕事で支払われる報酬制です。
スキルに基づいて仕事が割り振られるため、やりがいを感じられる働き方といえるでしょう。
ハローワーク
ハローワークは公共職業安定所とも呼ばれ、年齢や職歴を問わずすべての人が無料で利用できるサービスです。60歳以上を対象とした求人も多く扱っており、「生涯現役支援窓口」で就職に関するサポートもしてくれます。
ほかにも、民間で運営している人材紹介会社、派遣会社などもあります。各社のホームページや求人情報誌などから仕事を探すことも可能です。
求人情報サイト
求人情報サイトは、スマホやパソコンを使って利用できるサービスです。近年では、個人の就職を支援してくれる求人情報サイトが増えています。
インターネット上で希望する勤務エリアや職種、業務内容など、さまざまな条件を入力することで、希望する条件の仕事が検索可能です。60歳以上を対象にしたキーワードを入力すれば、効率的に求人を検索できるでしょう。
60歳以降も働く場合、年金の受給額はどうなる?
年金は最短で65歳から受けとることが可能ですが、受給開始時期を最長で75歳まで繰り下げられます。なお、受給の繰り下げを行うことで、年金受給額を増やすことが可能です。
たとえば、65歳から受給を開始したときと比較した場合、71歳で受給を開始すれば約1.5倍、75歳だと約1.85倍に受給額が増加します。
また、年金は働きながら受給することも可能です。働いて稼げる額と生活に必要な額を計算したうえで、受給のタイミングを決めましょう。


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60歳以上の就業率は年々増加しており、求人の数も増えてきています。実際に60歳以降も働く場合は、年金受給のタイミングなどに注意しながら、自分に合った働き方で無理なく就業しましょう。
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