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【厚生労働省×タイミー対談レポート】ギグワークにおける安全衛生とプラットフォーマーのあり方

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【厚生労働省×タイミー対談レポート】ギグワークにおける安全衛生とプラットフォーマーのあり方

目次

2021年10月27日〜29日と3日間にわたって開催された、中央労働災害防止協会主催「第80回全国産業安全衛生大会」。

全国産業安全衛生大会は、昭和7年(1932年)から始まり長きにわたって連綿と続けられてきた歴史あるイベントで、産業安全、労働衛生の推進の向上、労働災害防止を目的に全国から経営者や安全衛生担当者等1万人を超える方々が集い「知恵の貸し借り」を行う貴重な交流の場です。また、安全衛生文化を次世代に継承し、安全・安心な社会の実現に大きな役割を果たすものです。今年度は第80回記念大会として現地開催(東京国際フォーラム)とオンライン開催を併催した大会史上初のハイブリッド形式で開催しました。

10月28日には、厚生労働省労働基準局 安全衛生部安全課長 安達栄氏、株式会社タイミー 代表取締役 小川嶺、同社執行役員 スポットワーク研究所所長 石橋孝宜、そしてモデレーターとして中央労働災害防止協会 健康快適推進部長 林かおり氏による対談を実施。新しい働き方「ギグワーク」における安全衛生とプラットフォーマーとしてのあり方についてディスカッションされました。その様子をレポートします。

※本講演はコロナ感染症対策を徹底した上で安全安心に実施されました。
※本記事は、中央労働災害防止協会による『第80回全国産業安全衛生大会 in 東京特設ウェブサイト』内のプログラム『多様化する社会 一人ひとりが輝く働き方を考える~ギグワークにおける安全衛生とプラットフォーマーのあり方~』の対談内容を要約、構成しております。

/media/厚生労働省労働基準局 安全衛生部 安全課長  安達 栄

厚生労働省労働基準局 安全衛生部 安全課長  安達 栄

厚生労働省産業保健支援室長として、働く人の健康づくり、メンタルヘルス対策を担当。その後、スポーツ庁健康スポーツ課長として、鈴木大地長官(当時)とともに「スポーツ×健康」をオリンピックのレガシーとして定着するよう全国を行脚。令和2年4月より現職。

/media/中央労働災害防止協会 健康快適推進部長 林 かおり

中央労働災害防止協会 健康快適推進部長 林 かおり

健康快適推進部異動前は、教育ゼロ災推進部で全国産業安全衛生大会の運営を指揮するなど中心的な役割を担っていた。いつも朗らかで上機嫌なので、職場も賑やかでとても明るい。関西出身だけあって、お笑い界や漫才をこよなく愛する。社会保険労務士・心理相談員。

/media/株式会社タイミー 代表取締役 小川 嶺

株式会社タイミー 代表取締役 小川 嶺

1997年4月13日生まれ。2017年8月にアパレル関連事業の株式会社Recolleを立ち上げるも1年で事業転換を決意。2018年8月10日よりスキマバイトアプリ「タイミー」のサービスを開始。「働くを通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」というビジョンのもと、様々な業種・職種で手軽に働くことができるプラットフォームを目指す。

/media/株式会社タイミー 執行役員 スポットワーク研究所所長 石橋 孝宣

株式会社タイミー 執行役員 スポットワーク研究所所長 石橋 孝宜

テーマパーク、ウェディング、大手居酒屋などで、現場、事業開発、人事、事業経営を経て独立。 タイミーに入社した当初より求職者・求人者双方の利便性を高めるべく、プロダクト設計に寄与。 コーポレート本部長、タイミー事業部長を経て、スポットワーク研究所所長に就任。


労働災害における現在の課題(厚生労働省 安達氏)

本日は全国産業安全衛生大会、働く人の安全・健康を考える場ということで、最初に私から日本における現在の状況・課題について説明いたします。まずはどのような業種において労働災害が起こっているのか見ていきましょう。平成初期では製造業や建設業での労働災害発生が大変多かったです。これは設備に挟まれる、高所から墜落するなど設備リスクによるものでした。しかしここ近年では、運輸業や小売業、社会福祉施設などでの労働災害発生数が右肩上がりとなっております。

(登壇資料より)

どのような事故が発生しているかというと、転倒や動作の反動(例:モノを持ち上げて腰を痛めるなど)が増加傾向にあります。特に最近小売業で増えている転倒に至っては、全労働災害の約4割を占めており、1ヵ月以上の休業が約6割と軽視できない数値となっています。

労働災害の発生率が高いのは若年者と高年齢者ではありますが、そこに経験年数を掛け合わせてみましょう。業務経験1年以上と1年未満とで比較してみると、経験の浅い人の方が労働災害発生率が高くなっていることがわかります。つまり、現場に配属された新人への教育・研修・フォローが非常に重要になってくると言えます。

(登壇資料より)

労働災害は事故の内容によって、復帰まで非常に時間を要することもあります。年齢を重ねるほど、1ヵ月以上の休業となるケースも多く、労働災害によって人手が足らなくなる。これは重大な経営課題と言っても過言ではありません。そこで厚生労働省では今年の9月、3業種の20団体に対して労働災害防止の協力要請を行いました。これからも重点的に取り組んでいきたいと考えています。

新しい働き方台頭の背景と安心安全への取り組み

スポットワークという新しい働き方を浸透させるために(株式会社タイミー 石橋)

タイミーは「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービスです。働き手は、応募・面接無しですぐに働くことができ、勤務終了後すぐにお金を受け取ることができます。一方、事業者は、依頼したい時間や求めるスキルを設定するだけで、条件にあった働き手が自動的にマッチングされる仕組みです。

タイミーでは、このような新しい働き方であるスポットワーク(雇用型ギグワーク)の正しい認知と啓蒙するためにスポットワーク研究所を立ち上げました。ギグワークと聞くと自由に働けるがゆえ、不安定さを指摘されることも多々あります。私たちは、タイミーを使う誰もが安心安全に働くことができるように活動を続けております。

スポットワークがここまで広がりを見せるようになったのは、働き手や企業の意識改革だけではありません。例えば、2019年4月、今まで紙発行が必須だった労働条件通知書の電子化が認められました。これを受け、2019年6月に「雇用型ギグワーク募集」のサービスをスタートさせることができたのです。そして2020年3月には賃金の立替払いが条件付きで厚生労働省に認められ、サービス実装することができました。私たちは、日本の法律とともに「どのようにすれば働き手や企業にとってより良い世の中になるのだろうか」を第一にサービス改善を探求し続けています。

プラットフォーマーとして向き合う、労働災害防止への取り組み(株式会社タイミー 小川)

ありがたいことに、タイミーは時代に合わせて改善を行い続け、今では利用ユーザー数200万人を突破し、2万社もの企業様にご利用いただいております。10代20代のみならず、ミドル層や副業で利用いただくなど活用の幅も広がっています。

利用が広がっていくと同時に、職場での事故が増加しはじめ、タイミーでも労働災害について課題を持っておりました。そこで、働き手が安心してタイミーを使っていただけるための取り組みを行っています。例えば、トラブル発生時にすぐ対応できるようにカスタマーサポートを設置したり、募集内容におかしい部分はないかをチェックする体制を整えたり。また、リスク予防のためのDX(デジタルトランスフォーメーション)として、中央労働災害防止協会様と連携し、動画による教育コンテンツを作成しました。これをアプリに実装し、働く前に視聴できるようにしておけば、働き手も労働災害に対する意識が高まりますし、企業側もスムーズに仕事を依頼ができます。今後は動画の視聴率や事故率を計測したり、教育を受けた働き手への優遇措置を検討したりなど、事故防止へのPDCAを回していきたいと考えています。

(登壇資料より)

まさに安達さんが先ほど説明されていたように、タイミーでは物流倉庫やスーパーコンビニなどの小売店、デリバリーなどの案件も増えていますし、いつ事故が起こってもおかしくありません。事故が発生してからどうするか考えるのではなく、事前にコンテンツを用意し啓蒙していく。働き手、クライアント、そして我々タイミーの3者が一体となって事故をできる限り防ぐ体制づくりを行っていくことが、プラットフォーマーとして求められていることではないでしょうか。

タイミーが目指す「安心安全の働き方」とは(安達氏×小川対談)

安達氏:ギグワークといえば業務委託型と雇用型があるとのことですが、タイミーさんは雇用型をビジネスモデルにしたきっかけはなんだったんでしょうか?

小川:実は私たちも、一般的にギグワークと呼ばれている業務委託型からスタートしたんですね。しかし、さまざまな大企業にタイミー導入の提案をしても、「業務委託だったら導入できないよ」「何か起きた時に労災はどうなるの?」とご指摘をいただきました。ですので企業様からのご要望やアドバイスがあり、法律を踏まえながら、雇用型へとシフトしたというのが正しい経緯です。今でも「最低賃金は守ってほしい」「保険は?労災は?」などと企業からご質問をいただくことは多いですが、胸を張って「雇用型サービスですので安心してください」と言うことは必要不可欠だと考えています。

安達氏:なるほど。それはタイミーを利用する企業側にとっても安心感がありますね。では、ビジネスを展開する中で、ご説明のあった「タイミーが実現したい社会」というコンセプトはどう生まれたのですか?

小川:月1回ワーカー(タイミーを利用する働き手)の皆さんとお話する機会を設けているのですが、素晴らしい方が多いと実感するんです。しかし、「夢を叶えたい」といった高い志をもつ反面で、なかなか挑戦する機会が多くないのが実態のようです。事実、タイミーって怖いじゃないですか。初めていく場所はどんな現場がわからない。いきなり職場に入っていかなきゃいけない。働くにも勇気が必要になるんです。でも、その勇気を振り絞ってやってみて、褒められて、経験を積むことで、「挑戦は悪くないんだ」と自信につながるはずです。自分自身も起業を失敗して、がむしゃらにアルバイトをしていた経験があります。だからこそ、みんなが勇気を持ってさまざまに挑戦できるような環境を作っていきたいですね。

安達氏:一方で、安心安全となる土台もきちんと考えられている印象です。先程私からもお伝えしましたが、小売業・運輸業・福祉施設などの労働災害が増加傾向にあり、現場もなかなか手が回らないのが現状です。その中で、スマートフォンで事前に労働災害に関する教育が受けられるというのも利便性が高いですよね。働き手や企業からの反応はどうだったのでしょう?

小川:もともと一社でずっと働くのが当たり前だったのが、今は副業やスキマバイトなどが自由に選択できる時代になりました。しかし、企業が毎回新しい教育をするのは相当なコストです。できれば「プラットフォーマーに教育をお願いしたい」というご意見が多かった。そのため、作成した動画をお見せしたときに、「これは助かる」「危機管理ができているワーカーが働きに来るのは嬉しい」といったお声をいただきました。働き手としても何が起こるかわからないのは非常に怖いですよね。こういったプログラムがあることで安心感が得られますし、自信を持って仕事に取り組むことができているように感じています。

最後に 〜多様化する社会における期待と決意〜

石橋:本日はありがとうございました。DX観点でいうとタイミーはただのマッチングサービスではなく、現場で何ができるのか起こっているかキャッチアップできるサービスだと言えます。データを集約しながら、分析し、改善策を考えPDCAを回していく。プラットフォーマーである私たちがそれを実践することで、事故の軽減につながるのではないかと考えております。スポットワークはこれからの働き方です。安心安全を土台として誰もが働くことができる世の中を実現していきます。


小川:本日は貴重な機会をありがとうございました。まだまだ駆け出しではありますが、すでに200万人に活用いただいているサービスです。影響力とともに、事故発生数も増加したら元も子もありません。スポットワークという働き方が増えていますが、働き手と企業双方にとってのWIN-WINとなるモデルをまだ完全に作れてないのが現状です。日本でしっかりと安心安全を取り組みことによって素晴らしいモデルを作れるし、作っていきたい。今後ともご期待ください。


安達氏:この大会は職場の安全と健康づくりのために、企業の取り組みを紹介することが多いのですが、プラットフォーマーという立場のタイミーさんからお話を伺えたのはとても良い機会でした。特に良いと感じたのは、タイミーが労働災害防止の仕組みを作ることで、企業側に改めて安全の気づきを促すことができますし、社会人になる前の学生さんが安全リテラシーを高めることができる。それぞれにとって価値があるのではないでしょうか。

今後も時代に合わせてさまざまな働き方が出てくることでしょう。プラットフォーマーの皆さんが率先して、柔軟で実行性のある、安全活動の新サービスを提供していただけたら嬉しいです。


林氏(総括):対談を聞いていて、タイミーのようなプラットフォーマーは法令上、ワーカーの安全衛生について義務を負っているわけではありませんが、働く人の安全安心という最もベーシックであり、最も重要である課題について、真正面から向き合っておられることに驚きましたし、心強くも感じました。ここ数年、ギグワークやスポットワークなどの新しい形態の働き方が一気に拡大し、今後も予想もしなかったような働き方が出てくると思われますが、まさにその先頭を走っているタイミーの取り組み、小川社長の理念や熱意をこのような形で皆様に共有できたことを安全衛生に携わる者として、本当に嬉しく思っております。 小川様、石橋様、安達様、この対談にお集まりの皆様、本日はありがとうございました。

編集後記

労働災害は誰にでも起こりうるものです。労働災害を未然に防ぐために、企業・働き手ともに意識していかなければなりませんが、その役割は企業・働き手をマッチングするプラットフォーマーがその体制を作っていくことも求められていくでしょう。企業・働き手・プラットフォーマーがそれぞれ意見を出し合いながら、安全安心に働くことができる環境を作っていく時代が、もうそこまできているのではないでしょうか。

(取材・執筆・編集:齋藤裕美子、撮影:小園井和生)

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/media/タイミーラボ編集部
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