スポットワークTips

定年後の再雇用で給与は下がる?制度の詳細や仕事内容の変化もあわせて解説

  • 公開日:
  • 更新日:
定年後の再雇用で給与は下がる?制度の詳細や仕事内容の変化もあわせて解説

目次

定年退職のタイミングで再雇用制度を利用すると、定年後も同じ職場に留まり、勤務を継続することができます。とはいえ、再雇用制度の内容をよく知らない人も多いのではないでしょうか。

本記事では、再雇用制度の雇用形態や給与相場をはじめ、利用できる給付金などについて紹介します。

再雇用制度とは

再雇用制度とは、「高年齢者雇用安定法」の高年齢者就業確保措置の1つとして定められた継続雇用制度で、定年を迎えた従業員が退職後に同じ会社で新たな雇用契約を結び、働くことのできる制度です。定年を迎えた社員がその後も勤務を続行する意思がある場合、退職後に新たに契約を結び直すことができます。

働く意欲のある高齢者が機会を失わないように労働環境を整える目的で制定されました。

(参照:高年齢者等の雇用の安定等に関する法律

定年後の再雇用で働き方はどう変わる?

定年後の再雇用で働き方はどう変わる?

定年後に再雇用された場合、例え同じ職場であったとしてもそれまでの労働環境や待遇は変化することが多いです。定年前と同じ条件で働けるとは限らないため、どのような変化があるのか事前にしっかりと理解しておきましょう。

再雇用後の雇用形態

再雇用後の雇用形態は、企業によって異なりますが、60代前半の継続雇用者の多くは、嘱託社員や契約社員などで雇用されるケースが増えています。アルバイト・パートとして雇用される場合は、勤務時間が変化することもあるでしょう。

再雇用後の仕事内容

再雇用後の仕事内容は、定年前と異なる業務となるケースもあるでしょう。とくに、大規模企業の場合は、再雇用後に責任の重い業務に携われなくなる場合もあります。一方、小規模企業の場合は、社員数が限られているため、定年前と同じ仕事を任されるなど、業務内容が変化しにくい傾向にあります。

再雇用制度と勤務延長制度の違い

再雇用制度に似た制度に「勤務延長制度」がありますが、雇用の継続方法に違いがあります。勤務延長制度は、定年を超えても退職扱いをしないため、役職、給与、業務内容などにほとんど変化がありません。

  • 再雇用制度:退職後に新たな契約を結び直す
  • 勤務延長制度:延長の手続きをとる

再雇用制度と再就職の違い

再就職は、定年退職後に別の会社へ就職することです。そのため、自分で新たな勤務先を見つけなければなりません。ハローワークやシルバー人材センターなどで就職あっせんを受けるケースが大半を占めています。

定年後の再雇用で給与は下がる?

定年後の再雇用では、ほとんどの場合、給与が下がってしまうとされています。「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」によると、同じ仕事内容であるものの、責任の重さが変わることも多いようです。

定年前後での仕事の変化

(参照:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)※JILPT 調査シリーズ No.198」より)

現役世代と退役世代の給与を比較

国税庁が公開している「令和3年(2021年)分民間給与実態統計調査」の「年齢階層別の平均給与額」によると、再雇用における給与の減額率は、男性で約22%、女性で約17%となっています。定年後は、定年前に比べて給与額が下がる傾向にあるといえるでしょう。

性別定年前(55歳〜59歳)定年後(60歳〜64歳)減少額
男性687万円537万円150万円
女性316万円262万円54万円

また、JILPT 調査シリーズ No.198によると、各年齢時の平均的な給与月額(初任給を100としたときのおおよその指数)を比較したところ、60歳直前、60代前半、60代後半と徐々に給与が下がっている傾向にあると言えます。

平均的な給与月額

再就職をした場合の給与相場は?

60歳以降で再就職をした場合、正社員で雇用する企業が少ないため、給与相場は前職の6割~7割ほどになってしまう傾向にあります。定年後に再雇用ではなく再就職を検討している場合は、将来を見据えて先んじて就職活動を始めることをおすすめします。

アルバイト・パートをする場合の給与相場は?

業種や時間などによっても異なりますが、60歳以降のアルバイト・パートの時給は、地域別最低賃金が相場となっています。その反面で自由度が高いため、老後も社会に参加しながら有意義に過ごしたい人には、おすすめの働き方です。

定年後に減額した給与を補う給付金

定年後に減額した給与を補う給付金

定年後に給与が減額してしまった場合は、国からの給付金を受けとることが可能です。給付金には、以下の3つがあります。それぞれ受給条件が異なるため、適用できるものがあるかどうか、確認してみましょう。

高年齢雇用継続基本給付金(再雇用時)

高年齢雇用継続基本給付金は、定年後、同じ会社に再雇用された際に受けとれる給付金です。ただし、こちらの給付金は、2025年に65歳になる人から順次、給付率を半減させ、段階的に廃止することが決まっているので注意しましょう。

主な受給条件

  • 5年以上雇用保険に加入しており、現在も加入中
  • 給与額が以前の75%未満になった
  • 60歳~65歳未満で一般被保険者である

受給額

  • 給与の減額率によって変動
  • 給与額が以前の61%以下になった場合は、各月の給与の15%相当額が支給


(参照:厚生労働省「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」)

高年齢再就職給付金(再就職・転職時)

高年齢再就職給付金は、定年後、別の会社に再就職した際に受けとれる給付金です。 

受給条件

  • 給与額が前職の75%未満となった
  • 同一の職に就いて、再就職手当を受給していない
  • 60歳~65歳未満で一般被保険者である
  • 1年以上継続勤務できる安定性がある
  • 基本手当の算定基礎期間が5年以上
  • 再就職前日の時点で基本手当の支給残日数が100日以上ある

受給額

  • 60歳以後の各月の賃金の15%
  • 減額率が75%以上は支給なし


再就職手当(再就職・転職時)

再就職手当は、雇用保険の受給を受けている人が受給満了日までに再就職することで給付金の何割かを受けとれる制度です。

主な受給条件

  • 就職日の前日までの失業の認定を受けた後の基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。
  • 1年を超えて勤務することが確実であると認められること
  • 待期満了後の就職であること

受給額

  • 所定給付日数の3分の2以上残して早期に再就職した場合は、基本手当の支給残日数の60%  
  • 所定給付日数の3分の1以上残して早期に再就職した場合は、基本手当の支給残日数の50%


(参照:厚生労働省「再就職手当のご案内」)

再雇用以外の選択肢も!定年後の働き方

再雇用以外の選択肢も!定年後の働き方

定年後の働き方は、再雇用だけではなく、ほかにもさまざまな働き方があります。これまでと異なる職種に挑戦してみたい人は、以下を参考にしてみるとよいでしょう。

再就職(正社員)

これまでと同じような働き方をしたい人は、再就職で正社員としてスタートを切るのも一つの方法です。定年後に正社員として再就職するのは、多少難易度が高くなりますが、再就職できれば給与水準を保てる可能性があります。

アルバイト・パート

アルバイト・パートは、比較的雇ってもらいやすいため、希望の職種に就きやすいでしょう。給与面では下がってしまうものの、長期だけなく、短期、単発、期間限定などといった自由度の高い働き方を選択することも可能です。

フリーランス・個人事業主(独立)

フリーランス・個人事業主は、自分で事業を起こして働く働き方です。クリエイターだけではなく、税理士、会計士、カウンセラーなど、自分が得意な分野で働くことができます。年や解雇などの心配がないため、自分のペースで働き続けられることもメリットです。

また、これまでの経歴を活かして企業へのアドバイスを行う経営顧問や技術顧問として、企業と契約を結ぶような働き方もあります。

定年後に新たな分野で楽しく働くならタイミー!

定年後に再雇用を検討する場合は、給与面や待遇などに変化があることを理解したうえで、給付金をうまく活用するとよいでしょう。タイミーでは、1日だけの単発仕事が豊富にそろっており、面接なしですぐに働くことができます。新たな分野に挑戦してみたい人は、1日体験から気軽に始めてみてはいかがでしょうか。

いますぐTimeeをダウンロード

  • App store からダウンロード
  • Google Play で手に入れよう

/media/田園調布坂上事務所 代表  税理士  中川崇(なかがわたかし)
監修者
田園調布坂上事務所 代表  税理士 中川崇(なかがわたかし)

田園調布坂上事務所代表。広島県出身。大学院博士前期課程修了後、ソフトウェア開発会社入社。退職後、公認会計士試験を受験して2006年合格。2010年公認会計士登録、2016年税理士登録。監査法人2社、金融機関などを経て2018年4月大田区に会計事務所である田園調布坂上事務所を設立。現在、クラウド会計に強みを持つ会計事務所として、ITを駆使した会計を武器に、東京都内を中心に活動を行っている。

https://densaka.tokyo/

Share

すぐ働けるバイトを探してみる
タイミー は「この時間なら働ける」人と
「この時間だけ人手がほしい」事業者をつなぐ
スキマバイトサービスです。