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扶養家族とは?履歴書への書き方をケース別にわかりやすく解説

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扶養家族とは?履歴書への書き方をケース別にわかりやすく解説

目次

履歴書にある「扶養家族」とは、自分の収入でともに生計を立てている親族のことを指します。しかし、扶養家族に当たるのはどのようなケースなのか、履歴書に記入する際に迷う人も多いでしょう。本記事では、扶養家族の定義や履歴書の書き方について詳しく解説するとともに、履歴書の扶養家族欄に関するよくある質問についてまとめています。

ちなみに、厚生労働省が推奨している履歴書のテンプレートでは、応募者のプライバシー要素が非常に高い情報であることを踏まえ「扶養家族」「配偶者」を記載する項目が削除されていいます。しかし、適用される保険や控除を把握するために企業が必要なケースもあるため、記入欄がある履歴書もあります。

履歴書に記載のある扶養家族とは?

履歴書に記載のある扶養家族とは?

履歴書に記載する本人(自分)の収入で暮らしている親族を「被扶養者」と呼び、扶養家族を養っている人を「扶養者」と呼びます。「扶養家族」は、税法上と社会保険上では定義が異なるため、注意が必要です。履歴書においては、社会保険上の扶養家族の人数を記入します。

扶養家族の定義

先述したように、扶養家族の定義は、税法上と社会保険上では異なります。以下、それぞれの定義について詳しく見ていきましょう。

●税法上の扶養家族

税法上の扶養家族がいる場合、扶養者は住民税や所得税の控除が受けられるほか、扶養家族は納めるべき税金の金額をおさえることができます。

税法上の扶養家族の対象者と条件は、以下のとおりです。

【税法上の扶養家族の対象】

  • 配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族※)
  • 都道府県知事から委託された児童(里子)
  • 市町村長から養護を委託された老人

※姻族とは配偶者の血族を指します。例えば夫にとっての「妻の両親」「妻の兄弟」は姻族にあたります。

【税法上の扶養家族の条件】

  • 税法上の扶養家族の対象となる人のうち、その年の12月31日現在の年齢が16歳以上であること
  • 納税者と同じ家計で生活してること
  • 年間の合計所得金額が48万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  • 青色申告の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと、または白色申告の事業専従者でないこと

(参照:国税庁『扶養家族』)

●社会保険上の扶養家族

社会保険上の扶養家族は、健康保険料の支払いが免除されます。また、扶養者の社会保険に加入できるため、扶養家族も医療費の3割負担で医療機関を利用することが可能です。なお、扶養家族がいても、扶養者の保険料は変わりません。

社会保険上の扶養家族の対象者と条件は、以下のとおりです。

【社会保険上の扶養家族の対象】

1.同居・別居を問わず、扶養者の直系尊属、配偶者(事実婚の場合を含む)、子、孫、兄弟姉妹で被扶養者に生計を維持されている人

2.同居して家計をともにしている人で、扶養者に生計を維持されている以下の人 

a. 扶養者の三親等以内の親族で、1に該当しない人
         b. 扶養者の配偶者(事実婚の場合を含む)の父母および子
         c. bの配偶者が亡くなったあとにおける父母および子

(参照:全国健康保険協会『被扶養者とは?』)

【社会保険上の扶養家族の条件】

  • 社会保険上の扶養家族の対象となる人のうち、75歳未満の人
  • 年間収入が130万円未満であること(60歳以上および障がい者は180万円未満)
  • 同居の場合、収入が扶養者の収入の半分より少ないこと
  • 別居の場合、収入が扶養者の援助による収入より少ないこと

(参照:全国健康保険協会『被扶養者とは?』)

扶養家族にあたる人はどんな人?

扶養家族は、税法上と社会保険上で定義が異なります。社会保険上は扶養家族であっても、税法上では扶養家族に該当しない場合も少なくありません。そのため、履歴書の扶養家族欄を記入する際に悩む人も、多いのではないでしょうか。以下、社会保険の扶養家族に該当する人について詳しく解説します。

●ほかの健康保険組合に加入していない人

75歳未満の社会保険上の扶養家族対象者で、国民健康保険や後期高齢者医療制度といったほかの健康保険に加入していない人は、扶養家族の対象です。仕事をしている場合は、雇用形態にかかわらず、条件を満たせば、健康保険に加入する義務があります。健康保険に加入すると、「健康保険被保険者資格証明書」が交付され、扶養家族には該当しません。

●収入の条件を満たしている人

社会保険上の扶養家族となるには、先述した収入条件に加えて、扶養申請後の年間収入および1か月当たりの収入に制限があります。また、失業保険を給付中の人は、基本手当の額によって対象外となる可能性があるでしょう。扶養家族の詳しい収入条件は、以下のとおりです。


扶養申請後
1年間の収入
扶養申請後
1か月当たりの収入
失業給付
基本手当日額
60歳未満
130万円未満
10万8,334円未満
3,562円未満
60歳以上
180万円未満15万円未満4,932円未満
障害年金受給者
180万円未満15万円未満4,932円未満

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●家族の条件を満たしている人

家族の条件を満たしている人

社会保険上の扶養家族となる対象は、同居か別居かによって異なります。自分の両親、祖父母、曾祖父母、兄弟姉妹、配偶者、子ども、孫の場合は、同居・別居問わず扶養家族として認められますが、それ以外の親族の場合は、扶養者と同居していることが条件です。

履歴書に扶養家族の記入が必要な理由

従業員を雇用する企業では、各種税金の算出、社会保険の加入手続き、住宅手当、扶養手当の算出などを行う必要があります。扶養家族の有無によっては、入社後の事務的処理が変わるため、履歴書に記載を求める企業も珍しくありません。

【ケース別】履歴書の扶養家族欄の書き方

【ケース別】履歴書の扶養家族欄の書き方

ここでは、履歴書の扶養家族欄の書き方について、ケース別に紹介します。

独身の場合

独身に該当する人とは、「配偶者のいない人」のことを指します。配偶者とは、結婚相手のことを指しているため、独身の場合は、配偶者欄の「無」に丸印を書きます。また、配偶者の扶養義務欄も同様です。自分の収入で生計をともにしている家族がいなければ、扶養家族欄には「0人」と書きます。

独身の場合




独身だが同居もしくは別居している父母を養っている場合

独身の場合は、配偶者欄・配偶者の扶養義務欄ともに「無」に丸印を書きます。しかし、たとえば独身であっても母親と二人暮らしをしているケースの場合、母親の年収が130万円未満で自分の収入から生活費を援助しているのであれば、扶養家族欄に「1人」と書きます。

独身だが同居もしくは別居している父母を養っている場合




自分と配偶者が専業主婦・主夫の場合

夫婦だけの場合は、配偶者欄の「有」に丸印を書きます。さらに、配偶者が専業主婦・主夫の場合は、配偶者に収入がないため、配偶者の扶養義務欄にも「有」と書きます。扶養家族欄には、配偶者を除く人数を記入するため、「0人」と書きます。

自分と配偶者が専業主婦・主夫の場合




自分と配偶者が専業主婦・主夫、子どもがいる場合

配偶者が専業主婦・主夫で子どもがいる場合は、配偶者欄・配偶者の扶養義務欄のどちらも「有」に丸印を書きます。子どもに収入がない場合や、働いていても年収が130万円未満の場合は、扶養家族に該当するため、扶養家族欄には子どもの人数を書きます。たとえば、夫が扶養者、妻が専業主婦、小学生の子どもが一人いる場合は、以下のように「1人」と書きましょう。

自分と配偶者が専業主婦・主夫、子どもがいる場合




共働きで子どもがいない場合

夫婦が共働きで、それぞれの年収が130万円以上ある場合は、扶養家族に該当しません。そのため、配偶者欄は「有」に丸印を、配偶者の扶養義務欄は「無」に丸印を書きます。また、子どもがなく夫婦だけの場合は、扶養家族欄は「0人」です。

共働きで子どもがいない場合




共働きで子どもがいる場合

夫婦が共働きでそれぞれの年収が130万円以上ある場合は、配偶者欄は「有」に、配偶者の扶養義務欄は「無」に丸印を書きます。収入のない子どもや年収が130万円未満の子どもがいる場合は、扶養家族欄に該当する子どもの人数を記入してください。たとえば、夫が扶養者で、妻の年収が130万円以上あり、小学生の子どもが一人いる場合は、以下のように書きましょう。

共働きで子どもがいる場合




自分が学生の場合

自分が学生の場合であっても、履歴書の扶養家族欄には記入が必要です。その場合、配偶者欄・配偶者の扶養義務欄は、ともに「無」に丸印を書きます。自分のほかに生計を同一にする親族がいなければ、扶養家族欄は「0人」です。

自分が学生の場合




自分がフリーターの場合

自分がフリーターの場合であっても、自分のほかに生計を同一にする親族がいなければ、独身の場合と同じです。

自分がフリーターの場合




別居している家族(親族)がいる場合

別居していても、仕送りをするなど自分の収入から生活費の援助をしている配偶者、子ども、孫、両親、兄弟姉妹、祖父母などの親族がいる場合は、扶養家族に該当します。たとえば、夫が扶養者、妻が専業主婦、一人暮らしをしている大学生の子どもに仕送りをしている場合は、以下のように書きましょう。

別居している家族(親族)がいる場合




履歴書の扶養家族欄に関するよくある質問

履歴書の扶養家族欄に関するよくある質問

最後に、履歴書の扶養家族欄に関するよくある質問について紹介します。

Q.扶養家族になるには年収の上限はいくらまで?

A.扶養家族になるには、年間収入が130万円未満であることが条件です。ただし、60歳以上および障がい者の場合は、年間収入が180万円未満まで認められています。


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Q.親は扶養家族になる?

A.扶養者の親が75歳未満で年間収入が130万円未満の条件を満たしていれば、同居・別居にかかわらず、扶養家族に該当します。

Q.妻は扶養家族になる?

A.扶養者の妻が専業主婦の場合や働いている場合であっても、年間収入が130万円未満であれば、扶養家族に該当します。

Q.高校生や大学生は扶養家族になる?

A.扶養者の子ども、孫、兄弟姉妹が高校生や大学生の場合は、同居・別居にかかわらず、扶養家族に該当します。

Q.高校生や大学生がアルバイトをすると扶養家族から外れる?

A.高校生や大学生がアルバイトをする場合、年間収入が130万円、または1か月の収入が10万8,333円を超えると、扶養家族から外れます。ただし、上限を超過したのがひと月のみの場合は、基本的に扶養家族から外れることはありません。

まとめ

自分の収入で生計をともにしている親族のことを、「扶養家族」といいます。扶養家族は、税法上と社会保険上で定義が異なりますが、履歴書には、社会保険上の扶養家族の人数を記載するのが一般的です。扶養家族の有無によっては、入社後に企業が行う事務手続きが変わるため、履歴書に扶養家族欄がある場合は、きちんと記入しましょう。

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/media/タイミーラボ編集部
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