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履歴書の写真は、申し込み者の第一印象を左右する重要な役割を果たします。アルバイト・パートの求人に申し込む際であっても、申し込み先がその人の人となりを知るために最初に目にするものです。
しかし、履歴書写真は、どのように撮影すればよいのか、基本的なルールや撮り方がよくわからない人も多いのではないでしょうか。本記事では、履歴書写真を撮る際の基本ルールや撮り方、失敗しないためのポイントなどについて、わかりやすく解説します。
履歴書の写真では何が見られている?
履歴書の写真は、採用担当者が最初に目にする情報であり、申し込み者の第一印象が決まる大切な要素です。適切なマナーを踏まえて撮影した規定サイズの写真を提出すれば、規則やマナーを守る人物であることが伝わり、表情や髪型を通じて個性や人柄を表現することができます。
とくに接客や営業などといった対面のコミュニケーションが必要な職種においては、写真の印象がより注目されるでしょう。
履歴書写真の基本ルール
ここでは、履歴書写真の基本ルールについて詳しく紹介します。
写真サイズは縦40mm×横30mm
履歴書の写真サイズは、一般的に「縦36mm~40mm、横24mm~30mm」と指定されており、基本的にこのサイズに準じて所定の枠内に貼り付け、提出します。サイズ指定が明示されていない履歴書の場合であっても、このサイズの写真を用意しましょう。
写真館で撮影する際は、事前に履歴書用の写真であることに加えて指定サイズを伝えておくと、バランスのよい写真を提供してくれます。スピード写真機で撮影する場合は、「履歴書用」を指定すれば「縦40mm×横30mm」のサイズの写真が出来上がる仕組みです。
3か月以内に撮影したものをつかう
履歴書写真は、提出日から過去3か月以内のものをつかう必要があります。理由は、3か月以上経過すると、髪型や体重の変化などによって、写真と現在の顔の印象が変わってしまう可能性があるからです。履歴書と面接の印象が変わってしまうと「あれ?」と思われてしまうことを防ぐためにも、写真の有効期限には気をつけましょう。
背景は白・グレー・青にする
写真の背景色は、顔の特徴を鮮明に浮かび上がらせる効果のある白、グレー、青がよいとされています。なかでも薄い色調のグレーと青は、顔の色や表情をはっきりと引き立てる効果があっておすすめです。白を選ぶ際は、明るすぎる背景にならないように調整する必要があります。
服装はシンプルで清潔感のあるものにする
アルバイト・パートの場合は、必ずしもスーツを着用して撮影する必要はありませんが、シンプルで清潔感のある服装を用意しましょう。白っぽいシャツやブラウスは、清潔で明るい印象になるため、おすすめです。
服装に迷ったときは、襟つきの服やスーツを着用するとよいです。ただし、スーツで働く職場の場合は、スーツで撮影するようにしましょう。
写真の裏面に名前を書く
最近では、履歴書をデータで記入して送付するケースも多いですが、紙の履歴書もまだまだ活用されています。写真を紙の履歴書に貼り付ける場合は、剥がれてしまわないよう、しっかりとのり付けすることが大切です。
また、写真の裏面には、万が一写真が剥がれて紛失してしまったときのことを考慮して、自分の名前を書いておきましょう。名前を書く際には、黒の油性ボールペンを使用してください。
履歴書写真の撮り方
ここからは、履歴書写真の正しい撮り方について解説します。
胸から上を撮影する
履歴書写真として撮影するのは、胸から上の部分です。男性の場合は、ネクタイの結び目から少し下まで写るように撮影しましょう。肩先まで入れると、顔が小さく写り、バランスが崩れてしまいます。また、顔のアップだけでは全体の姿勢や雰囲気が伝わりにくくなるため、過度にアップで撮ることは避けましょう。
正面のアングルで撮影する
履歴書写真のアングルは正面にし、下からあおるようなアングルや、左右どちらかからのアングルなどは避けましょう。角度のついたアングルは、写真が不自然に見える原因となり、悪い印象を与えてしまいます。
背筋を伸ばして撮影する
撮影する際の姿勢は、正面を向いて背筋をしっかり伸ばします。姿勢が左右に傾かないように、事前に鏡で確認したうえで調整しておきましょう。姿勢は、写真の印象に大きな影響を与えます。猫背や顔を前に出し過ぎる姿勢は、だらしない印象になりかねないため、注意してください。
前髪は目にかからないようにする
前髪は、目にかかっていると暗い印象に写るため、注意が必要です。寝ぐせのついた髪や下ろしたままの髪も、だらしない印象を与えてしまいかねません。髪型一つとっても、申し込み先からの印象を決める大切な要素です。履歴書でよい印象を与えるためには、しっかりと髪を整えてから撮影に挑みましょう。
口を閉じ、軽く口角を上げる
写真撮影時には、口を閉じ、軽く口角を上げて、自然な笑顔を心掛けましょう。一直線的な口元や下がった口角は、不愛想に見える可能性があります。また、歯を見せる笑顔は、避けてください。さらには、顎を引き過ぎたり、上目づかいになったりしないように注意し、カメラのレンズをまっすぐ見つめる姿勢を保ちましょう。無表情や不自然なポーズも避け、自信と誠実さが伝わる写真を意識してください。
履歴書写真のOK例とNG例
ここでは、履歴書写真のOK例とNG例を写真つきで紹介します。正しい方法で撮影し、明るく好意的な印象を与えるように心掛けましょう。
適切な証明写真
証明写真を撮影する際は、以下の点を押さえて撮影しましょう。
顔や表情がわかるよう、長い髪は束ね、前髪は目にかからないよう横に流す
メイクは自然で健康的にする
シャツやきれいめのカットソーに、ジャケット、ネクタイなどで清潔感のある服装で撮る
口角を少し上げ、自然な笑みで撮影する
背筋を伸ばして正面を向く
下記は、NG例です。
(性別に限らず)前髪が目にかかっている
服装や髪型に清潔感がない(髭や頭がボサボサ、シワが目立つシャツなど)
過度な装飾品(ネックレスやピアスなど)
派手・流行りを意識したメイクや髪型
柄物のシャツ、派手な色の服装
マスクの着用
証明写真を撮りなおすことになると、余計な費用がかかってしまいます。これらのポイントを押さえてから撮影に臨みましょう。
メガネをかけている場合
メガネをかけて撮影する場合は、以下の点に注意しましょう。
レンズが反射している
派手な柄や色、形のもの
サングラス
上記のようなメガネは、証明写真ではNGです。もし、普段着用しているメガネが派手な色柄ものである場合は、証明写真用にコンタクトにするか、おとなしいデザインのメガネを用意するようにしましょう。
写真の角度や撮影場所にも注意
撮影の際は、身だしなみに注意することも大切ですが、撮影する角度や場所にも注意が必要です。以下のような写真はNGとなりますので、覚えておきましょう。
顔が大きすぎる(近すぎる)/小さすぎる(遠すぎる)
顔が横向き
顔が傾いている
椅子や棚などの背景が写っている
背景に柄(派手な色)がある
歯が見えている、目を閉じている
写真館やスピード写真で撮影する場合は、最適な距離感・背景・角度を指示してくれることが多いです。カメラマンや機械の指示通りに撮影しましょう。
ただし、証明写真を自撮りする場合は、これらのポイントを押さえておくことが大切です。
履歴書の写真撮影で失敗しないためのポイント
ここからは、履歴書の写真撮影で失敗しないためのポイントについて、見ていきましょう。
姿勢
履歴書写真で好印象を与えるには、正しい姿勢で撮影することが大切です。姿勢で失敗しないためには、以下の点を確認しましょう。
- 耳と肩の位置が直線にそろうように、背筋をピンと伸ばす
- 脇に少しスキマを空け、腕を自然な位置に置く
- 一度最大の笑顔をつくり、自然な笑顔に戻す
- 事前に鏡で姿勢のゆがみを把握し、調整する
髪型
髪型で注意すべきポイントは、だらしない印象を与えないようにすることです。髪は、できるだけすっきりとまとめましょう。
- 前髪が目にかからないようにする
- 長い髪はまとめる(サイドの髪が落ちる女性は、耳を出したり、ハーフアップにしたりするとよい)
- 男性はワックスなどで艶を出し、耳周りをすっきりと整える
- 明るい髪色は、事前に染め直すか、目立たないようにまとめる
メイク
メイクは、自然体で健康的なイメージになるように心掛けてください。過度なメイクは、誠実さや清潔感に欠けるため、避けるようにしましょう。
- 清潔感のあるナチュラルメイクにする
- 崩れやすい目元や口元周りのファンデーションは薄く塗る
- フレッシュな印象を与えるオレンジ系やコーラル系のカラーでまとめる
- 撮影直前にメイクが崩れていないかどうか確認する
服装
服装は、清潔感を意識したうえで、仕事で着る服に近いものを選ぶことをおすすめします。
- 清潔感のあるジャストサイズの服を選ぶ
- 女性は胸元が開きすぎていないものを選ぶ
- ジャケット・ネクタイ・シャツなどの中心をそろえる
- シャツの場合はボタンをきちんと留める
履歴書写真はどこで撮る?
ここでは、履歴書写真はどこで撮るのがベストかについて解説します。主な撮影方法である写真館、スピード写真、自撮りのメリット・デメリットを比べてみましょう。
写真館 | スピード写真 | 自撮り | |
---|---|---|---|
クオリティ | ◎ | ○ | △ |
価格 | 約6,500円~ | 800円程度 | 無料 |
撮影にかかる時間 | 1〜2時間程度 | 5〜10分程度 | 2〜5分程度 |
どんな人におすすめか | クオリティ重視 | コストをおさえたい | 時間がない |
証明写真のクオリティ、価格、撮影にかかる時間については、それぞれの撮影方法においてメリット・デメリットがあります。撮影方法に決まりはないものの、自撮りの場合は、クオリティの低い写真になってしまう可能性が高くなるため、できるだけ避けたほうが無難です。そのため、履歴書用の写真としては、プロのサポートを受けられる写真館で撮影するのがベストといえるでしょう。ただし、手軽に規定サイズの写真を撮影できるスピード写真で撮影しても、とくに問題ありません。
履歴書写真をWeb履歴書へ添付する方法
最近は、Web上で履歴書を送付するケースも増えていることから、写真館やスピード写真機で撮影する場合は、データプランを選択するのがおすすめです。ただし、画像の拡張子によっては、アップロードに対応していないこともあるため、事前に確認しておきましょう。
履歴書写真をWeb履歴書に添付する手順は、以下のとおりです。
- 写真データをパソコンに取り込む
- Wordで作成したWeb履歴書を開く
- 挿入タブで「画像」を選択する
- 保存した写真データを選び、「挿入」を選択する
- 書式タブの「文字列の折り返し」を選び、「前面」を選択する
- 写真データをWeb履歴書の写真欄に配置する
- 必要があれば写真データのサイズを調整する
履歴書写真に関するよくある質問
最後に、履歴書写真に関するよくある質問についてお答えします。
Q.履歴書の写真は笑ってもいい?
A.履歴書の写真は、歯を見せない自然な笑顔で撮影しましょう。歯を見せて笑うのは、真面目さや誠実さに欠けてしまうため、口角を上げて穏やかな表情になるように意識するとよいでしょう。不愛想な表情になっていたり、口角が下がっていたりすると、暗い印象を与えてしまいます。
Q.履歴書の写真の服装はスーツ以外でもいい?
A.アルバイト・パートに申し込む場合は、スーツ以外の服装でも問題ありません。ただし、清潔感を意識したうえで、カジュアル過ぎない襟つきの服で、顔が明るく映える白や淡い色のものを選んでください。服装に迷う場合は、スーツを着用するとよいでしょう。
Q.履歴書の写真はスマホアプリでもいい?加工してもOK?
A.履歴書の写真は、これまで解説してきた失敗しないためのポイントを踏まえたうえで、規定サイズで撮影できるのであれば、スマホアプリで撮った写真でも問題ありません。加工については、肌補正や明るさ調整で自然な仕上がりになる程度にとどめ、実物の顔とかけ離れないように注意しましょう。
まとめ
履歴書の写真を撮る際は、服装、表情、姿勢、背景など、細部まで配慮することが大切です。本記事で紹介した正しい撮影方法と基本ルールを参考にし、申し込み先によりよい印象を与えられる写真を撮影してください。