私のタイミー生活

「ダンサーを志した初心を思い出せた」発達支援施設でのダンス講師の求人が、ワーカーと施設の新たな一歩のきっかけに

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「ダンサーを志した初心を思い出せた」発達支援施設でのダンス講師の求人が、ワーカーと施設の新たな一歩のきっかけに

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将来プロのダンサーを目指し、日々レッスンに励む大学生・座間さん。そんな彼女が今回挑戦したのは、児童発達支援を行う放課後等デイサービス「ハバタキMAX」での“ダンス講師”という仕事でした。タイミーで偶然見つけた求人をきっかけに応募した座間さんは、子どもたちとの時間を通じて、ダンサーを志した原点を思い出すことになります。

一方、施設代表の岡村さんは「さまざまな経験や人との出会いが、子どもの自律を後押しする」と語ります。普段、福祉で働いているわけではない人が関わることの価値、そして“支援者にも休息が必要”という視点から、今回の取り組みの意義を語ってくれました。

夢はプロのダンサー。目標に向かって邁進する座間さん

——今回ダンス講師を務められましたが、普段はどのような活動をされているんですか?

現在、大学4年生で、学生生活と並行してダンスに取り組んでいます。ダンスは4歳のころから続けていて、高校1年生のときに観たピューロランドのショーに心を打たれたことをきっかけに、プロを目指すようになりました。今は、オーディション対策ができるスタジオに通いながら、日々練習を重ねています。

目標は、憧れのきっかけでもあるピューロランドのダンサーになることです。ただ、そこだけにこだわるのではなく、ダンスを仕事にできるのであれば、場所を問わず挑戦していきたいと思っています。オーディションは大学卒業後に受ける予定ですが、もちろん一度で合格できるとは限りません。もしすぐにチャンスをつかめなくても、フリーターとして働くなどしながら、いつか夢を実現できたらと考えています。

——タイミーを使い始めたきっかけや、使い方について教えてください。

普段は飲食店で長期のアルバイトをしていますが、もともと単発バイトのような働き方が好きなんです。その日限りの出会いや、いろいろな人と話せるのが楽しくて。

ダンスの本番やリハーサルは、スケジュールが直前まで分からないことも多いので、柔軟に働ける単発バイトは自分にとってすごく合っていると感じています。タイミーもそうした理由で使い始めて、これまでに飲食店のほか、催事スタッフなどのお仕事にも入らせてもらいました。

これまでに飲食店のほか、催事スタッフなどのお仕事にも入らせてもらいました。プロのダンサーを目指す座間さん

偶然のきっかけで応募。事前のメッセージのやりとりで準備は万端

——ダンス講師の求人に申し込んだのは初めてということですね。なぜ、挑戦しようと思ったんですか? 

これまでプロとしてダンスで報酬をいただいたことはなく、人に教えるなんて自分にはできないと思っていました。でもその日、ちょうど仕事に入りたいと考えていたタイミングで、偶然この求人を見つけたんです。

ダンスレッスンを終えて帰宅し、手を洗っていたときに、スマートフォンにタイミーの通知が届いて。何気なく開いてみると、“子どもにダンスを教える”という内容が目に入りました。

普段から、同じダンススクールに通っている子どもたちと接する機会があったので、「もしかしたら自分にもできるかもしれない」と思い、迷わず申し込みました。その日のうちに、現場で働かせていただきました。

——発達支援の施設でのダンスは初めてだったと思いますが、不安に思うことはありませんでしたか?

実は、そこまで大きな不安はありませんでした。大学で発達支援や教育について少し学んでいたこともありますし、求人に「当日は職員の方との打ち合わせがある」と書かれていたので、それなら安心して行けそうだなと思えました。

また、事前にハバタキMAXの代表・岡村さんとメッセージでやりとりをさせていただけたのも安心材料でした。その中で私のほうから「『ジャンボリミッキー!』を取り入れてみてはどうでしょうか?」と提案したところ、「それなら良さそうですね」とお返事をいただいて。当日踊るイメージも掴みやすくなりました。

嬉しかったのは、岡村さんが当日までにYouTubeの映像を準備してくださっていたことです。とてもやりやすい環境を整えていただきました。


言葉遣いや声かけの仕方も意識したダンスタイム

——事前にやりとりができると安心感がさらに増しますね。当日はどんな1日になりましたか?

まず施設に到着して驚いたのが、その広さと明るさです。小規模な個人塾のような空間を想像していたのですが、実際には床一面にマットが敷かれていて、子どもたちが走り回れるほどの広さがありました。ダンスにもぴったりの空間です。

到着後は岡村さんたちにご挨拶し、まずは事前打ち合わせ。子どもたちとの接し方や施設の様子、また「どんな言葉を避けたほうがよいか」といった配慮についても詳しく教えていただきました。

そうこうしているうちに、徐々に学校や園を終えた子どもたちが集まってきて。いきなりダンスを始めるとびっくりすると思うので、まずは「ふれあいタイム」といって、子どもたちと仲良くなる時間を過ごしました。

子どもたちと仲良くなる時間を過ごしました。

——ふれあいタイムでは、どんなことをしたんですか? 

バランスボールで遊ぶ、お絵描きをする、宿題をするなど、それぞれやりたいことをやっている子たちに混ぜてもらいながら、子どもたちのことを知ったり、私のことを知ってもらったりしていました。

1時間くらいしてみんな集まってきたタイミングで、本番のダンスの時間がスタート。1時間くらいみんなで踊って、終わりにもう一度ふれあいタイムをとって、全部で3時間ほどのお仕事になりました。

——いきなり踊るわけじゃなかったのが、児童の皆さんからしても安心だったんじゃないかと思います。ダンスの時間について、工夫したことがあれば教えてください

今回参加してくれた子どもたちは、必ずしもダンスを目的に施設に来ているわけではないです。なので、どうやって興味を引き、楽しんでもらえるかを意識しました。

特に効果的だったのは、動きやポーズに親しみやすい名前をつけること。たとえば「ここは“ちっちゃくなるポーズ”」と声をかけると、真似しやすくなるようで、自然と一緒に動いてくれました。ダンス自体にはあまり興味がない子でも、みんなで同じポーズをするのは楽しいみたいで、その部分だけは一緒にやってくれたりしたんです。

また、「いつ終わるのか」「次に何をするのか」が気になる子も多いように思ったので、「これが終わったら休憩だよ」といった声かけもこまめにしました。途中で集中が途切れたときには、みんなが普段観ているYouTubeの動画を一緒に観るなど、無理なく気持ちを切り替えられるように工夫しました。

純粋にダンスに憧れていた気持ちを思い出せた

——実際に経験してみて、手応えや印象に残ったことがあれば教えてください。

人によって興味の度合いは違ったんですが、ほとんどの子が楽しんでくれてうれしかったです。印象的だったのは、最初は少しおとなしくて、あまり話してくれなかった子が、最後に「おうちでも練習してみる」と言ってくれたこと。ダンスがもともと好きだったようで、終わる頃にはたくさん話しかけてくれるようになりました。

それと、私自身の変化として、ダンスを始めたころの純粋な気持ちを思い出すこともできました。最近はどうしても「仕事にしよう」「オーディションに受かりたい」と考えることが多くて、楽しむ気持ちを持てなくなっていた部分もあるんです。でも、子どもたちの楽しそうな様子を見て、「私は、こうして“楽しさ”を届けられるダンサーになりたかったんだ」と、初心に立ち返ることができました。

初心に立ち返ることができました。

——素敵な気づきですね。最後に、今後挑戦していきたいことがあれば教えてください。

今回、初めてダンスでお金をいただくという経験をしました。そこで感じたのは、プロとして活動するというのは「自分のために踊る」だけでなく、「誰かのために届ける」という視点がとても大切だということです。あらためて、その意味を実感する機会になりました。

ハバタキMAXさんには3つの施設があり、それぞれで一度ずつレクリエーションを担当させていただきました。もしまた機会をいただけるなら、2回目・3回目と継続的に関わらせていただきたいと思っています。

それから、実はダンスだけでなく、舞台に立つ人間として演劇にも挑戦しています。イベントのMCやアナウンサーといった“話す仕事”にも関心があり、演じたり、表現したりすることを通じて、人の心を動かせるような活動にもチャレンジしていきたいと思います。

早くから子どもの自律を促すために。ハバタキMAX代表の想い

人の心を動かせるような活動にもチャレンジしていきたいと思います。株式会社ハバタキMAX 代表取締役 岡村健史さん

——続いて、ハバタキMAX代表の岡村さんにお話を伺います。まずは、施設の活動内容について教えてください。 

ハバタキMAXは、療育・支援を必要とする0歳〜18歳の子どもたちを、放課後の時間帯や休日にお預かりしている施設です。園や学校が終わる時間にお迎えに行って、自由時間を過ごしたり、発達を支援する療育プログラムに取り組んでもらったりしています。

療育プログラムというのは、子どもたちが日常生活や学校生活をスムーズに送れるようにするための支援プログラムです。具体的には運動や工作、アート系の活動のほかに、「ソーシャルスキルトレーニング」という、いわゆる“人と関わる力”を育てる内容もあります。

たとえば、物語の映像を一緒に観ながら「この登場人物はいまどんな気持ちだと思う?」といった問いかけをして、想像力や共感力を養っていくんです。

——なぜ、岡村さんはこのような活動を始められたんでしょうか? 

もともとは、塾や学校運営に関わる仕事をしていました。その当時から、他の子と遊べない、うまく話せない、学校へ行けないなど、日々の生活を送る中で問題を抱えている子どもたちが増えている、ということが実感としてありました。

実際に開校してみると、そこには自閉症や発達に特性のある子どもたちもたくさん通ってくれて。そういう子たちにとって、やっぱり最終的には生活面で“自律”できることが大きな目標になるんですよ。

たとえば、親御さんが仕事でいなくても一人で留守番できるようになるとか、もう少し年齢が上がれば、大学に通ったり就職したりできるとか。そうした力をつけてあげたいと思ったときに、「もっと早い段階から専門的な支援があったほうがいい」と感じて、今の事業を始めました。

「もっと早い段階から専門的な支援があったほうがいい」

外部から大人を呼ぶことで「刺激」と「休息」が生まれた

——なぜ今回、ダンスのレクリエーションを実施することにしたのでしょうか?

子どもたちが自律していくためには、いろんな経験を積むこと、そして、さまざまな人と出会うことが大事だと考えています。発達に特性のある子どもたちは、どうしてもこだわりが強くて、自分の世界に閉じこもってしまう子もいるんです。

だからこそ、その興味や関心を少しずつ別の方向へ“そらしていく”ことがすごく大事だと思っています。外から来る人との交流もそのひとつです。

それにダンスって、身体を動かすことで脳に刺激を与えるというのが、医学的にもよく言われています。脳神経が活性化されることで、発達そのものを促す効果も期待できる、そういった側面もあって、今回ダンスを取り入れました。

——職員の方が教えるのではなく、タイミーで外部講師を募集したのはなぜですか? 

子どもたちにとって、“先生じゃない人”と関わる機会をつくりたかったんです。それと、ダンスや音楽の分野で活躍している人と出会うことで、「こういう仕事もあるんだ」って気づくきっかけにもなる。将来を考える上で、そういう刺激は大切ですからね。

職員側の視点でも、プロの方が来てくださるのはいい刺激になりますし、レッスン中は少しだけ休憩をとることもできる。こういった“休息”を支援者側に持たせることを「レスパイトケア」というんですが、それに近い状況をつくれると思ったんです。

それに近い状況をつくれると思ったんです。

タイミーが、様々な経験を持つ大人と子どもが出会うきっかけに

——外からの刺激と、職員の余裕、どちらも実現できたんですね。実際に座間さんと会った第一印象はいかがでしたか?

事前の連絡のやりとりから丁寧で、人当たりも柔らかい。「子どもに好かれそうな人だな」と感じました。打ち合わせのときにも「どんな言葉は避けた方がいいですか?」と自分から質問してくれて。発達に特性のある子と接したことがないとは思えないほど、しっかりと準備してくれていて、心強かったです。

——当日の様子や、今後の活用についても教えてください。

本当にやって良かったなと思っています。子どもたちも楽しそうでしたし、職員たちにとっても刺激のある時間になりました。実は、高円寺の施設で初回を実施したあと、新中野・南中野の2か所でもレクリエーションを行って、それぞれ好評だったんです。

今後はダンス講師に限らず、もっといろんなジャンルで募集してみたいと思います。たとえば、ピアノ講師の方に来てもらったり、年明けには「書き初め」を教えてもらうのも良さそうだなと。

お祭りのようなイベントを開催して、屋台の手伝いをしてくれる方を募集してみても面白いかもしれませんね。金魚すくいを教えてくれる人とか、焼きそばをつくってくれる人とか。保護者の方も一緒に参加できるようにすれば、子どもたちにとってもいい思い出になると思います。

タイミーは、そういった技術や経験のある人がスポットで参加できる仕組みなので、すごく助かっています。これからも、子どもたちがたくさんの人・仕事・刺激と出会う機会をつくるために、積極的に活用していきたいと思います。

積極的に活用していきたいと思います。

ハバタキMAX

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/media/タイミーラボ編集部
タイミーラボ編集部

タイミーラボは、株式会社タイミーによるオウンドメディアです。

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