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2024年9月13日、Xの投稿が話題になりました。その内容は「タイミーでDJが募集されている!」というもの。「保育園でDJを募集?」という斬新さから瞬く間に拡散され、1,041件の表示、8.4万件ものいいねが集まりました(2024年10月18日時点)。
さらに10月4日、実際にタイミーを使って保育園でDJしてきたという報告が。
そこでタイミーラボ編集部では、タイミーを通じて保育園にDJをしにいったと報告をされたんべべ商会さん(@nbebe_syoukai)と、タイミーでDJを募集した西新ぶんか保育園の園長である猪原 勝敬さんにお話を伺いました。
タイミーでDJを募集した理由の背景は? 実際にDJをしてみて子どもたちの反応はどうだっのか?——真相に迫ります。
「保育園でDJしました」んべべ商会さんにインタビュー
はじめに、タイミーワーカーとして保育園でDJをしてきた、んべべ商会さんにインタビューしました。
——まずは、んべべ商会さんご自身について教えてください。
ボカロP(ボーカロイドプロデューサー※)として曲を作ってYouTubeで公開したり、DJイベントを企画・開催したりしています。機械の音声が感情を持って歌うことに驚いて、自分だったらどのように歌わせられるんだろうと思ったのが、ボカロPを目指したきっかけでした。ありがたいことに、ご依頼をいただいて作曲することも増えています。
※ボカロPとは、ボーカロイドソフトを使用して楽曲を制作する人のこと
——保育園でDJをしようと思った理由は?
タイミーはダウンロードしていたものの、なかなか時間が合わなくて一度も利用したことがなかったんです。そんなとき、友人から「タイミーでDJ募集してるよ」と教えてもらいました。正直「いたずらかな?」って思いましたよ(笑)。保育園でDJするってどんな状況?って。
でも、自分が常に大事にしているのは「やれることは全部挑戦しよう」という姿勢。こんなチャンスは滅多にないだろうし、他には味わえない体験ができるんじゃないかってワクワクして。報酬なんて気にせずに勢いで申し込んでいました。
もちろん不安がなかったと言えば嘘になります。普段のDJイベントとは違って、相手が子どもたちですから反応が予想できないですし、喜んでくれるんだろうかって悩みました。保育園からは特にレビュレーション(曲の縛りのこと)の指示もなく、「とにかく自由に」とオーダーされたので逆に難しくって。自分が子どもの時に流行っていた曲だって知らないかもしれない。だから、弟や妹がいる友人に話を聞いたり、リサーチしたりして、セトリ(セットリスト、演奏する曲の一覧)を考えました。
——セットリストにも反響がありましたよね。ご自身の中でこだわった点などありましたら教えてください。
保育園から「まさかセトリまで用意してくれるなんて!」と驚かれたのですが、自分としては、せっかくDJをさせてもらうのでお子さんたちに思う存分楽しんでほしかったんですよ。
セトリを考えた際にこだわった点があって、1つ目は「みんなが知ってる曲」。2つ目は「踊れる曲」、そして3つ目に「必ず1つは知らない曲を入れる」だったんです。
せっかくDJを呼ぶわけですから、新しい曲にも出会ってほしいじゃないですか。純粋にどんな反応してくれるんだろうって好奇心もありました。それで、僕が好きなボカロの曲「劣等上等」を入れたんです。フォロワーからは「まさかそれを選曲する?」って驚かれましたけど(笑)。
ちなみに、保育園から「ジャンボリミッキー」と「Bling-Bang-Bang-Born」は鉄板で人気だって教えてもらったので、楽しく終われるように最後に入れるようにしました。
——準備万端で当日を迎えられたわけですが、実際に保育園でDJをしてみて、いかがでしたか? 子どもたちの反応などもあれば教えてください。
基本は踊れる曲をセレクトしていたんですが、知ってる知らないに関係なく、顔を輝かせて跳ねたり飛んだりして、自由に楽しんでくれました。純粋に音楽を楽しんでいる感じが伝わってきて、僕自身もめちゃくちゃ楽しかったです!
何よりも嬉しかったのは、子どもたちだけではなく保育士さんたちも一緒に踊ってくれたこと。大人相手にDJすると、やっぱり反応を伺っちゃう部分もあるんですが、その場にいるみんなが音楽を楽しんでくれているんだと肌で感じることができました。心配していたボカロ曲もノリノリでしたよ(笑)。
——その場にいる全員が楽しんだ「子どもディスコ」だったんですね! この経験を通じ、んべべ商会さんに何か気づきや発見などはありましたか?
音楽の原点に立ち戻れたと思います。知らない曲でもすぐに吸収して楽しんでいる子どもたちを見て、先入観にとらわれず「純粋に音楽ってこんな風に楽しむものだよな」って改めて気づくことができました。
タイミーがなかったらこんな経験はできませんでしたよ。タイミーって日雇いバイトのイメージが強かったのですが、稀有な体験ができる面白いサービスなんだと実感しました。
今後は保育園だけではなく、例えばお寺とかいろんな場面、いろんな人に向けてDJをやってみたいですね。また、ボカロPとしても、同世代だけではなく子どもたちが盛り上がれるような曲を作ってみようと思います。Creepy Nutsのような誰もがぶち上がる曲を、“自分で”手掛けたいって、創作魂に火がついていますよ。
「タイミーでDJを募集しました」西新ぶんか保育園 猪原園長にインタビュー
次に「保育園でDJ」を仕掛けた張本人。西新ぶんか保育園と香椎ぶんか保育園の園長である、猪原 勝敬さんにお話を伺います。
——猪原さんは2つの園長さんでいらっしゃいますが、「ぶんか保育園」の理念について教えてください。
僕らの園では、「全ては子ども中心」という思いを大切にしています。子どもたちってママパパはもちろん、保育士、職員など身近な大人のことをよく見てるんですよね。子どもたちが「こんな大人になりたい」って思えるように、我々大人たちが自分たちの人生を楽しんでいることが大事だと考えています。
それで、子どもたちを第一に考えたときに、親御さんたちには「保育士が一番えらい存在です」と伝えていますし、積極的にイベント参加いただくようお願いしています。保育園という場を通じて、子どもを一緒に育てていきましょうというスタンスです。
周りの大人たちが楽しく日々を送っていることが重要と考えたときに、身近に触れる保育士の働き方にも注目しました。これまで当たり前だった髪の色や髪型、ネイルに至ってもうちの園では自由にしています。服装も動きやすい格好であれば個性を出してOK。変な慣習に縛られることなく、純粋に仕事を楽しんでいる姿こそ、子どもにとって大切だと思っています。
——保育士さんがイキイキと子どもたちに向き合えるように意識されているのですね。
やっぱり保育士さんたちも一人の人間ですからね。うちでは保育士さんたちをドレスアップして撮影を行う、モデル体験を行っています。僕自身モデル業をしていたということもありますが、「新しい自分に出会って、さらに自信を持ってほしい」という想いからです。
このほかにも、「保育士の複業」を推奨していたり、保育士さんたちのキャリアを考える「自己実現シート」を運用していたりしています。このような取り組みによって、保育士自身も迷うことなく、自分が今やりたいこと、やらなければいけないことを見つけることができるんです。これも「子ども中心」という考えがあるから、取り組んでいます。
——革新的な取り組みをしている猪原さんですが、なぜDJを招いているのでしょうか?タイミーで募集していると知って、とても驚きました。
うちの保育園では、小さい頃からたくさんの働く大人の背中を見せたいと考えています。憧れの対象を増やすことも保育園の大事な仕事ですからね。
そして、今のうちから五感をフルに使ってほしいという思いもあって。今はたくさんの情報をYouTubeなどで得ることができますが、画面越しでは感じられない空間、熱気、雰囲気といったものを体感してほしい。早いうちから五感を磨くことで自身の才能に気づき育むきっかけになるはずです。
そのため、園外保育として演劇を見に行ったり、美術館に行ったり。過去には音楽フェスに連れて行ったこともありました。たくさんの芸術やアートに触れてもらえる機会を作るようにしています。
その一環として、以前他の園で実施していたDJを招こうと思ったんです。DJが紡ぐ音楽を通じて心地よい感情に出会ってもらいたいと思ったし、何よりも僕自身も楽しみたくって(笑)。でも、DJの方を独自で探そうとしてもなかなか見つからない。何時間もお願いするわけではないし……と頭を悩ませていたときに、「タイミーで募集してみよう!」と思いつきました。
まさか、こんなに反響をいただくとは思っていませんでしたけど(笑)。
——実際タイミーを通じて、何人ものDJの方がプレイされていますよね。子どもたちの反響はいかがでしたか?
ただスピーカーから音楽を流すのとは違ってDJが選曲して音楽を流すと、子供たちの目の色が違うんですよ。人が何かを手がけている様子を見ることで心に響いてくるんでしょうね。何気ない時の体操もしっかりやるんだけど、音楽がかかっているとやる気や意欲が違ってますよ。
最初は「DJって何?」と不思議がってた子どもたちも、今では「次はいつやるの?」って聞いてくるようになりました。
——タイミーでは、DJだけではなくダンサーさんも募集していますね。
はい。先日はバレエダンサーさんに来てもらって1曲フルに踊っていただきました。あまりにも迫力があってみんなポカーンとしていていましたが、次第に「素敵!」と憧れの対象になっていたようで。今後もさまざまなジャンルのダンサーさんを招きたいです。
園としても、いろんなプロフェッショナルの方にお越しいただくことは、良い体験となっています。実はDJをお願いする時間自体は15分程度なんです。それ以外の時間では、子どもたちの普段の様子を見学してもらっています。かけっこしたり運動したりなど日常の生活の様子を見てもらうことで、「子どもたちがこんなにイキイキ過ごしているんだ」と知ってもらうことができますし、ぶんか保育園を好きになってもらうきっかけになると感じています。他人の目があると、子どもたちもいいところを見せようと頑張りますしね。
今回のDJ募集によって手応えを感じたので、いずれはスペースを貸し切って、子どもたちや親御さん、地域の皆さんが参加できる音楽イベントを開催したいです。保育園にとって地域貢献も大切ですから。
——タイミーでの募集は、皆さんにとって良い体験につながっているのですね。今後、タイミーをどのように活用していきたいと思いますか?
タイミーを利用してみて、いろんな可能性を感じています。スキマ時間という使い方だけではなく、趣味や特技がある人の募集に活用していきたいですね。
例えば、先日、子どもたちが「将棋やってみたい!」と言っていたので、将棋ができる人を招くのも面白いかもしれない。何か得意な楽器があるなら保育園で演奏してもらってもいい。子どもたちはもちろん、我々大人にとっても良い体験になりますからね。今度はどんな方に来ていただこうか、って保育園全員で胸が踊っていますよ。
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(取材・文/齋藤裕美子)
- タイミーラボ編集部
タイミーラボは、株式会社タイミーによるオウンドメディアです。
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