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タイミーワーカーさんのなかには、自分の目標や趣味のためにタイミーを利用している方がいます。そんな方々を取材するのが「#夢に向かうタイミーワーカー特集(仮)」。
第一弾としてお話をうかがったのは、派遣社員で働きながら殺陣のパフォーマーをしている、篠原晴香さんです。パフォーマンスのために、自費でスイスへいくほど、本格的に取り組んでいます。
篠原さんが、「殺陣」という一見珍しい趣味にハマった背景にはなにがあったのでしょうか。タイミーを使いながら、どのように充実した日々を送っているのか。興味があるものを追求し続ける、篠原さんの生き方を聞きます。
「殺陣」で日本文化の素晴らしさを伝えたい
——篠原さんは派遣社員として働くかたわら、かなり本気で殺陣に取り組まれていますね。殺陣とはどのようなものか教えていただけますか。
殺陣とは、演劇・映画・テレビドラマの格闘シーンにおける武器や素手で戦う演技のことをいいます。時代劇における刀で切り合うシーンが有名ですが、現代劇の格闘シーンなどにも応用されていて、幅広く活躍したい俳優さんにとって必須の技術です。
私の所属している団体にいる方も、ほとんどが役者さん。稽古もかなり本格的で、基本的には月に4回、イベントがある時はほぼ毎日稽古があります。
——毎日ってすごいですね。イベントというのはどのようなものがあるんですか?
少人数での小さいものから大人数で挑む大きなステージなど様々です。直近でいうと、殺陣の団体が集まる殺陣祭や10月末には団体の単独公演がありましたし、区のイベントや小学校、関西方面でのパフォーマンスをする機会もありました。
また、今年は靖国神社や鎌倉での奉納演武もさせていただきました。最近は落ち着きましたが、ついこの間まではイベント続きだったのでほぼ毎日稽古でした。平日は仕事終わりに最低2時間、土日はもっと稽古しています。
殺陣の動作を学ぶために日本舞踊も習っていたり、自分の刀の軌道を正すために「試斬(しざん) (*2)」の稽古もしています。稽古場から家は1時間以上かかるので、平日、家に帰る時間は22時半過ぎです。それでも好きだから辛いと感じることはありません。
*1:神前で披露する演舞 *2:刀を用いて巻藁、畳表等を切り抜くこと
——かなり本格的にやられてるんですね。俳優業をされているわけではない篠原さんが、殺陣にのめり込んだきっかけはなんだったのでしょうか?
3年前くらいに、当時のアルバイト先で出会った方に中学生のころ剣道をやっていたことを話したら「今度殺陣のワークショップがあるから」と、今の団体を紹介していただきました。
私のようなOLはひとりもいない、役者の方ばかりいる環境がすごく刺激的で。最初は軽い気持ちで参加したんですが、気づいたらハマっていたんです。
本気の趣味っていうんでしょうか。この前なんて、スイスでパフォーマンスをしてきました(笑)。
——すごい。スイスまで行ったんですか。
私、海外に日本の良さを伝えたいと思っているんです。本当に日本文化って素晴らしいと思っていて。たとえばアニメだって、あんなに繊細で美しいものはなかなかないと思うんです。着物にしても、すごく美しいし、身につけるだけで凛とした気持ちになれます。
海外の方と話していても日本文化を褒めてもらうことが多いんです。スイスでは大使館でも演舞させていただいたのですが、お客さんのなかには刀や武道が好きな方が多くいました。なかには、合気道が好きだから日本に学びにきて、それがきっかけで日本語を話せるようになった人も。
これってすごく嬉しいじゃないですか。日本人としてちゃんと発信できるようになりたいと思いましたし、より良いものを見せたいという気持ちがあって、海外にいく機会があれば挑戦しようと思っていたんです。
——日本文化のなかでも「殺陣」に感じている魅力はありますか。
刀を通じて言語も文化も違う人たちと繋がれることですかね。言葉は通じていなくても、同じ趣味を持つ同士、一緒にお酒を飲んで盛り上がれたりする空気感がすごく好きです。
あとは、ステージからお客さんの喜ぶ姿を見るのが半端なく好きなんです。あれは、1回見ちゃうと忘れられない。その人たちにもっと喜んでもらいたくて、やめられなくなっちゃいます。最近は、もはや趣味の域を超えていると思いますね。気づけば本気になって取り組んでいました。
「お客様を喜ばせたい」プロ意識が芽生えた瞬間
篠原さんの所属する団体「EDGE WORLD ASAKUSA samurai ninja」
Youtubeはこちら
——趣味から本気になったきっかけはありますか?
昨年初めて舞踊の会に出たのですが、、西南戦争をテーマにした「田原坂」という曲をひとりで踊りました。実は2年前にも団体でこの曲を披露する機会があったんですが、私はそのメンバーから外されてしまいました。悔しくて何度も稽古して、ひとりで踊る機会をもらったんです。
仲間と一緒にステージに立つ事は何度もありましたが、一人は初めてでした。今まではあまり感じませんでしたが、一人だとお客さんの視線はすべて自分に向きます。すごく緊張し震えもしましたが、改めて人にみられるということを意識するようになりました。
それから自分なりに立ち振る舞いを研究するようになり、こだわりたい部分もたくさん出てきて、殺陣が余計に楽しくなったんです。
——パフォーマーとしての意識が芽生えたんですね。
「心から楽しかったと言ってもらえるように全力でやる」。それが、私のテーマです。
殺陣をやるようになってから、他の舞台も見るようになりました。舞台によってはお金を払った以上の満足感が得られるものもあったし、その逆もあります。
私たちも同じことを思われているかもしれません。払ったお金以上の価値を感じてもらえなければ、私たちの負けです。そうならないよう、悔しい思いをしながらも「絶対に次は、これだけは改善しよう」って思いながら、稽古に打ち込んでいます。
警察官、料理人、ソムリエ、興味の赴くまま挑戦してきた
——「負けたくない」という気持ちが、殺陣に打ち込む原動力になっているんですね。篠原さんは、昔からそうした性格だったんですか?
そうですね。過去に飲食店の社員をしていたときにも、「自分がお店をまわす日は、絶対に予算を達成する」という目標を立てていました。そのために、日ごと、時間帯ごとの売り上げを計算して、この日のこの時間までにいくら売らなきゃいけないならこれが必要、みたいなことを研究していたんです。
あとは、高校卒業後にフリーターをしていたときは、1ヶ月でどれくらい稼げるかを試したこともあります。単発アルバイトも含むさまざまな仕事を掛け持ちして、19歳のころは月に約50万円稼いだこともありました。ほとんど寝ずに働いていましたね(笑)。
——すごいですね。どんなことにも一生懸命やる方なんですね。
やっている時は一生懸命なんですが、興味の幅が広いので、いろんなことに手を出してきた人生だったとも思います。高校生のときは警察官になりたくて勉強したり、料理人になるべく調理の専門学校に通うためにお金を貯めようと飲食店でバイトをしまくったりしていました。「これだ」と思ったものには猪突猛進なタイプなんです。
過去にはカメラを練習していたことも
(篠原さんのinstagramより)
結局、いろいろあって調理学校へは行かなかったのですが、ワイン好きが高じてソムリエになるための勉強をしたりなど、今もなにかしら他の人と違うことをやろうとしていますね。たぶん、他とは違う人生を送りたい気持ちがあるんだと思います。
——なるほど。それで色々な仕事をしてきた。
興味の向くままに生きてきた人生でした。フリーターとして働き始め、その後23歳くらいのときかな、そろそろ定職に就こうと、携帯会社の営業の仕事を始めたんです。その後、オイスターバーで働きましたが、30代になってからは体力的な厳しさも感じるようになって、5年ほど前から今の仕事に。平日は派遣社員として事務の仕事をしつつ、単発アルバイトでホテルなどで行われる宴会事のサービススタッフもやるようになりました。
殺陣に取り組む時間と費用のため、タイミーを活用
——本業をしながら単発アルバイトもして、その上でタイミーでも働くようになったんですね。使い始めたきっかけを教えてください。
オイスターバーで働いていたときは夜遅くまで働いていたんですが、事務の仕事になってから定時に帰れる生活に変わり、ちょっと暇ができたんです。空いている時間に働けることはないかと探していたら、ちょうどSNSの広告でタイミーを見つけました。スキマ時間にすぐ働けて、給与もすぐにもらえるのがいいなと思って使い始めたんです。
使ってみて、殺陣の予定を優先したい私の生活には、タイミーがぴったりだと思いました。殺陣は、急にイベントが入ったり稽古が入ったりするので、1週間前にシフトをださなきゃならない宴会スタッフの仕事では、予定が組みづらいんです。
また、殺陣のステージに立つには、着物や刀などお金がかかります。それらの費用を得るためにも、スキマ時間で稼ぐことができてすごく助かっています。
——自由に時間とお金を使えると趣味もはかどりますよね。
やりたいことができない理由がお金だともったいないと思うんです。諦めないでどうにかすることは絶対にできるはず。それを実現するためのツールのひとつが、私にとってはタイミーでした。
興味のあることに真っ直ぐ、今を楽しく生きる
——ありがとうございます。篠原さんのように趣味や目標に打ち込みたい方の力になれるよう、私たちも頑張ります。では最後に、今後の目標について教えていただけますか?
もっと海外でパフォーマンスをやりたいですね。やっぱり日本文化の素晴らしさを広めていきたいと思っています。
また、なんとなくですが、ゆくゆくは殺陣の指導者になりたいと考えているんです。日本人にも、殺陣の面白さや魅力を伝えていきたいと思います。
——殺陣は続けられるんですね。
これが正しいと思ったらやっちゃおうという性格なので、なかなかやめられないですよね。パフォーマーとしては体力の問題もあるし、ずっとは続けられないかもしれませんが、教える側なら好きな殺陣に関わり続けられるかなと思っています。
こんな生活をしていると、周囲の人には「将来のこととか大丈夫?」って言われることもあります。でも、私は、今をとても楽しく信念をもって生きているんです。迷うこともありますが、これからも自分が興味があることに真っ直ぐ取り組んでいこうと思います。
- タイミーラボ編集部
タイミーラボは、株式会社タイミーによるオウンドメディアです。
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