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【教えて井上先生 Vol.02】無茶振りや面倒ごとを押し付けてくる上司は、どうしたらいいの?

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【教えて井上先生 Vol.02】無茶振りや面倒ごとを押し付けてくる上司は、どうしたらいいの?

目次

働いていくなかで人間関係について悩む場面も出てくることでしょう。できることなら、関係性に悩まずストレスも少なく働きたいですよね。

タイミーラボでははたらくことがちょっとだけラクになるように、精神科医・産業医の井上智介さんにお悩み相談をする連載をスタートしました。

第二回は、職場で無茶振りをしてきたり面倒ごとを押し付けてくる上司や同僚について、どのように接したらいいのかを聞きます。「仕事だから」と無理強いをされたり、断れる状況にないときには、どのように対応するのがよいのでしょうか。

人間関係を円滑にするための「断り方」や関係性のあり方について考えてみましょう。

/media/井上智介
精神科医
井上智介
SNS

大学卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動。さらに、ブログやX(旧Twitter)、書籍、講演会、コメンテーターなどでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。『おおざっぱに笑って健康に生きる』がモットー。

ブログ:https://ameblo.jp/tatakau-sangyoi/

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関係性は、”お互い”が信頼し合ってこそ

——働くなかで上司から無茶振りをされたり、面倒ごとを押し付けられたりする場合、どのようにしたらいいでしょうか?

井上:まず、あなたの「断れない」という気持ちは非常によく理解できます。面倒な仕事をおしつけられたとき、「それは出来ません」と言うのは勇気が必要なことだと思います。「断ったら、『仕事が出来ない』『能力がない』と思われるのでは?」「立場的にもっと下に見られてしまうのでは?」「評価が下げられて、望まない配置換えをされるのでは?」と不安になることもあるでしょう。断ることで相手からの信頼を失うのではないかと、心配になってしまう……、自分にとってマイナスになる要素がある言動を避けたいと思うのは自然なことです。

ただ、一つ声を大にして言いたいのは、無茶振りや面倒を押し付ける相手を「そもそも信頼できますか?」という点です。

信頼関係は、お互いに相手を信頼できるからこそ成り立つもの。あなたが無理強いをしてくると感じる相手を信頼できないのであれば、その相手の顔色まで伺って相手から信頼されるのを期待することに執着をしないでください。

そしてあなた自身が大事にしたいものを考えてみましょう。無理をして仕事をし、成果を上げなければいけないことはありません。自身の健康を損ねないことが一番大切です。難しい場合には断るという選択肢もあることを忘れないでください。

——信頼関係はあくまで「お互い」を信頼し合うことで成り立つのですね。

断るときはクッションを置いて、他者の存在を強調

——無理に仕事を受けなくてもいい……とのことですが、断るときのテクニックについても教えてください。

井上:まず、断るのが苦手な人の特徴として、なにか物事を頼まれたとき、即座に「はい」と返事をしてしまい、なし崩し的にやることが決まってしまうことがあります。大前提として重要なことは「即答をしないこと」です。

すぐに「わかりました」や「大丈夫です、やります」と反応するのではなく、「まずスケジュールを確認しますね」や「あとでメールで返信しますね」と一旦落ち着く時間を作り、ワンクッション置くことが大切です。

即答をしなければ、しっかり考える時間もできるでしょうし、落ち着いて断るための時間も確保できます。たしかに、仕事は何でもかんでも選べるわけありませんが、キャパシティも人それぞれ。優先順位をつけるためにも損得勘定(損得”感情”)で仕事を受けるかを判断するのも大事です。

——仕事における損得勘定ですか? 

井上:今のご自身の仕事の目的が何なのか。昨今、働く理由は人によってさまざまであって然るべき。「生活のためのお金を得るため」や「スキルを獲得したい」「今は周りから評価されたい」といったことから損得で考えるのです。

熟考してみて、やっぱり違和感を感じたら「断る」という選択肢になりますよね。

断るときのポイントは「具体的に理由を述べること」です。「今は新規のプロジェクトを手がけていて、スケジュール的に忙しいので」や「今取り掛かっている別の案件があるので」と具体的に言えると説得力が増し、相手も納得するでしょう。

さらに、このとき「他者の存在を強調」するとより効果的です。相手に「第三者も関わっている」と思われた方が、相手としても強引に無茶ぶりするハードルが高くなります。「これはAさんから頼まれたプロジェクトでして…」や「Bさんと一緒にやっている案件で」などをサラッと断る理由に加えてみましょう。

この”他者”には無茶ぶりをしてくる目の前の上司を入れるのもひとつの手です。「この案件を引き受けると、夜間に問い合わせしたり、あなたに迷惑がかかってしまう」と、自分が引き受けたら、相手や組織にどのようなデメリットがあるかをイメージさせると、相手に角が立つことも少なくなります。

——他人の存在を強調することで、無理難題を言っているという事実も浮かび上がってきますね。

井上:あなた自身もチームや会社組織として何が求められているかを理解しつつ、自分のキャパシティを超えないような業務量の調整ができると理想ですよね。

そのためにはチームとして何を優先するのか、議論できているのが望ましいんです。チームとしての目標を理解していれば、自分の中での優先順位も明確になります。

無茶ぶりだとしても直接的に断るのではなく、「今週中は無理ですが、今月中の対応でもいいですか?」といった、あなたの出来る範囲の代替案を出し、最終的な決断を相手に任せてしまう方法もあります。

冒頭に戻りますが、信頼関係はお互いに信頼してこそ成り立つもの。ちょっとした普段のことを知るために、、会議の冒頭でちょっとした近況報告を話し合えたり、出社したときにはランチに誘って雑談をしてみたり。そんな機会を持って、普段の自分をお互いに伝えられれば、人間関係の悩みも少し軽減していくのではないかと思います。

——お互いがキャパシティを超えてヘトヘトになってしまう前に。チームで成果を出すために、「お互いに何を大事にしているか」「どんな風に働きたいか」を自己開示していけるといいですよね。

多様性が重視される時代になりました。みな一律に猛烈に働く時代ではもはやありません。「どんなライフプランを望むのか」といった細かな差異によって、仕事への投球配分も変わるものです。その点は双方にアンテナを張って、何を求めているかを知ることが大切ですね。

今回のまとめ三か条

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/media/タイミーラボ編集部
タイミーラボ編集部

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