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アルバイトやパートの就業手当とは?受給条件や申請方法など気になるポイントを解説

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アルバイトやパートの就業手当とは?受給条件や申請方法など気になるポイントを解説

目次

失業手当や再就職手当とともに紹介されることの多い「就業手当」は、どのようなものなのでしょうか?

誰がもらえるのか、いくらもらえるものなのかなど、本記事では、社労士監修のもと、就業手当に関する疑問をわかりやすく解説していきます。

就業手当とは?

就業手当とは、「就職促進給付」の一種で、短期のアルバイトやパートなど「非正規雇用」で再就職した人を、資金面で支援するための制度です。

就職促進給付とは、早期再就職を促進することを目的とし、「再就職手当」「就業促進定着手当」「就業手当」等が支給されるものです。

(引用元:厚生労働省『就職促進給付について』)

簡単にいえば、 働きながら(就業しながら)もらえる手当のこと。資金面において生活の手助けになります。

失業手当(基本手当)との違いとは?

就業手当に似た手当に、「失業手当(基本手当)」があります。ハローワークでは、失業手当(基本手当)について、以下のように説明しています。

雇用保険の被保険者の方が、定年、倒産、契約期間の満了等により離職し、失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職していただくために支給されるものです。

(引用元:ハローワークインターネット『基本手当について』)

失業手当は、再就職するまでもらえるお金であるのに対し、就業手当は、再就職した場合にもらえるお金という違いがあります。失業手当の場合は、「失業している一定期間」に対して手当が給付されますが、就業手当の場合は、アルバイトやパートなどの「1年未満の非正規雇用契約で働いている一定期間」に対して給付される手当です。

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再就職手当との違いとは?

就業手当に似た手当の中には、「再就職手当」というものもあります。就業手当と再就職手当の違いは、「再就職先での雇用期間」にあります。


就業手当再就職手当
再就職先の雇用期間1年未満1年を超えて

●再就職手当との併用は不可

ただし、再就職手当と就業手当の併用はできません。なぜなら、支給対象となる雇用期間が異なるため。上記の表のようにこの2つの手当ては両立不可能だからです。どちらか一方しか受給できない点を覚えておきましょう。


就業手当の5つの受給条件

就業手当を受給するためには、以下の5つの条件をすべて満たす必要があります。

  1. 就職日の前日で、基本手当の支給残日数が45日以上あり、また所定給付日数の3分の1以上ある場合
  2. 離職前に働いていた事業主(関連事業主を含む)に、再び雇用されたものでない場合
  3. 求職の申し込みをした日以前に、雇入れの約束を交わした事業主に雇用されたものでない場合
  4. 待期待機期間(7日間)が経過した後に職業に就いた場合、または事業を開始した場合
  5. 離職理由による給付制限期間中の人が、待期待機期間満了後1ヵ月の期間内に公共職業安定所の紹介により職業に就いた場合

(参照:厚生労働省職業安定局雇用保険課「業務取扱要領」

基本的には再就職先の雇用期間が満たしていれば受給対象ですが、上記条件を解説していきます。

支給条件1:就職日の前日で、また基本手当の支給残日数が45日以上あり、所定給付日数の3分の1以上ある場合

1つめの条件においては、まず、聞き慣れない言葉の説明をしておきましょう。

  • 基本手当の支給残日数→失業手当がもらえる残りの日数
  • 所定給付日数→失業手当がもらえる期間(90日〜360日の間で決められる)

つまり、再就職した日の前日までに失業手当をもらえる日数が45日以上残っており、かつ失業手当がもらえる合計日数の3分の1以上が残っている場合、この条件を満たせるということです。

条件を満たす例基本手当の支給残日数が50日以上残っており、所定給付日数が100日だった場合
条件を満たさない例基本手当の支給残日数は45日以上残っているが、所定給付日数が300日だった場合

支給条件2:離職前に働いていた事業主(関連事業主を含む)に、再び雇用されたものでない場合

2つめの条件は、再就職先に関する条件です。離職前と同じ職場に就職した場合は、「就業手当の対象外」となります。また、離職前の職場と資本、資金、人事、取引の観点から密接な関わりがあるとされる「関連事業主」に雇用された場合においても支給の対象外となるため、注意しましょう。

条件を満たす例前職と関係のない就職先に再就職した場合
条件を満たさない例前職と同じ職場または関連事業主に再就職した場合

支給条件3:求職の申し込みをした日以前に、雇入れの約束を交わした事業主に雇用されたものでない場合

3つめの条件は、「求人に応募する前から、第三者からの紹介・斡旋などで採用が決まっていた場合、給付は受けられない」ということになります。あくまで自分の主体的な就職活動を経て、新しい職場に就職した場合、「就業手当」が受け取れるのです。

支給条件4:待期期間(7日間)経過後に職業に就いた場合、または事業を開始した場合

4つめの条件は、待期期間についての条件です。これは失業手当、就業手当両方に当てはまりますが、申請から実際に手当が支給されるまで「7日間」の待期期間が設けられます。そして、待期期間間中に再就職を決めてしまうと、給付の対象外となります。就業手当を受給するためには、待期期間を過ぎたあとに再就職する必要があります。

支給条件5:離職理由による給付制限期間中の人が、待期待機期間満了後1ヵ月の期間内に公共職業安定所の紹介により職業に就いた場合

5つめの条件では、聞き慣れない言葉があるため、まずは言葉の説明をします。

  • 給付制限期間→自己都合で離職した場合は、給付制限期間が2ヵ月または3ヵ月設けられること
  • 待期待機期間→手当の申請から7日間は給付されない決まり

上記の2点を加味すると、5つめの条件は、以下の3つを満たしている場合に給付対象になります。

  1. 給付制限期間が設定されている
  2. 待期待機期間が終了している
  3. 待期待機期間終了から1ヵ月以内にハローワーク経由で再就職が決まった

ただし、給付制限期間が元から設定されていない場合や、待期待機期間終了から1ヵ月以上経過している場合は、とくに必要のない条件となります。

就業手当はいくらもらえる?受給額と計算方法

次に、就業手当は実際いくらもらえるのか、受給額の計算方法について解説します。この章では、目安と上限金額、計算方法と受給例を順番に説明します。ポイントを押さえながら解説していくため、「自分だったらいくらもらえるのか」を考えながら確認しましょう。

受給額の目安と上限金額

就業手当の受給金額は、1日当たり最大1,836円(60歳以上65歳未満は1,485円)と決められています。目安としては、日額1,500円〜1,800円がアルバイトやパートの賃金に上乗せされるようなイメージです。

受給額の計算方法

続いて、就業手当の受給額の計算方法を紹介します。計算式は、以下のとおりです。

【受給額(支給額)=①基本手当(※)日額×30%×②就業日数】

  1. 基本手当日額=失業手当で受け取る1日当たりの支給額
  2. 就業日数=再就職先で働いた日数

※基本手当とは、失業手当のこと

●受給額の計算例

【受給者Aさんの条件(仮)】

離職時の年齢:50歳
基本手当(失業手当)の所定給付日数:85日
基本手当の受給日数:15日
基本手当の支給残日数:70日(85日-15日)
基本手当日額:4,000円
再就職先での就業日数:30日

1日当たりにもらえる就業手当は「①基本手当日額×30%」で、かつ「上限1,836円」という条件があります。今回の場合では、以下のようになります。

基本手当日額×30%=4,000円×30%=1,200円(1,836円を超えていない)

上限金額を超えておらず、かつ再就職先での就業日数(30日)が基本手当の支給残日数(70日)を上回っていないため、1,200円×30日(就業日数)=3万6,000円がAさんの就業手当の支給額になります。


就業手当を受給する前に知っておきたい注意点

就業手当で損しないためには、受給前に注意点について知っておく必要があります。この章では、損をしてしまうパターンを紹介しつつ、注意すべきポイントについて解説します。

就業手当を受給すると損をしてしまう主なパターンは、以下のとおりです。

  • 基本手当の支給額のほうが、「就業手当の支給額と就職先の賃金合計」より高い場合
  • 1日の就業時間が4時間に満たない場合

とくに、就業手当を受給した日数分、基本手当の受給日数が減ってしまうため、注意が必要です。ただし、4時間以上働いた日に関しては、基本手当の受給条件から外れるため、基本手当の受給を先おくりすることができます。そのため、就業時間が4時間未満となる日が多くなりそうな場合は、就業手当の申請を控えたほうがよいでしょう。

逆に、就業手当を申請したほうがよいパターンは、以下のとおりです。

  • 給付による現金がすぐに必要な人
  • 失業保険の受給期間である「1年間」を過ぎてしまう人

とくに、失業保険の受給期間が過ぎてしまう場合は、少額であっても、就業手当をもらったほうが生活も安心です。


就業手当の申請方法

最後に、就業手当の申請方法を説明します。申請は、以下の順で準備しましょう。

  1. 就業手当に必要な書類
  2. 就業手当の申請手順
  3. 申請時の注意点

とくに、注意点に関しては、知っておかないと正しく給付を受けられない可能性があるため、要チェックです。

ポイント①:就業手当の申請に必要な書類

就業手当の申請に必要な書類は、以下3点です。

  • 就業手当支給申請書
  • 雇用保険受給資格者証
  • 給与明細など就業を証明できる書類

就業手当支給申請書は、ハローワークで直接受け取るか、ハローワークインターネットサービス「就業手当支給申請書」よりダウンロードできます。

雇用保険受給資格者証は、雇用保険の受給手続き後にハローワークで開催される説明会で渡される書類です。そもそも雇用保険に加入し、失業手当を受け取る資格のある人にしか発行されません。雇用保険の加入方法から知りたい場合は、以下の記事も併せて読んでみましょう。

また、就業手当を申請する場合は、「実際に再就職先が決まり・給与が発生していること」を証明するため、給与明細などの書類が必要となります。

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ポイント②:就業手当の申請手順

続いては、実際の就業手当の申請手順です。

手順①:就業手当支給申請書を記入する

手順②:必要書類を持参して「ハローワーク」へ行く

手順③:ハローワークで必要書類の提出をして審査をしてもらう

手順④:審査が通れば就業手当の支給が開始される

申請手順は、比較的簡単です。書類の記入ミスや忘れものがないかどうかだけ注意しましょう。


ポイント③:就業手当を申請する際の注意点

就業手当や失業保険の申請には、就業手当支給申請書や雇用保険被保険者離職票などの書類が必要となります。必要書類はどこでもらえるのか、なくしてしまった場合はどうすればよいのかなどは、あらかじめ調べておきましょう。質問や疑問点があれば、ハローワークに直接問い合わせするのがおすすめです。

また、就業手当を受給するためには、4週に1度の頻度で、ハローワークで失業認定を受ける必要があります。忘れずに行くようにしましょう。

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/media/社会保険労務士法人スマイング 特定社会保険労務士 成澤 紀美
監修者
社会保険労務士法人スマイング 特定社会保険労務士 成澤 紀美

社会保険労務士法人スマイング、代表社員。IT業界に精通した社会保健労務士として、人事労務管理の支援を中心に活動。顧問先企業の約8割がIT企業関連。2018年より、クラウドサービスを活用した人事労務業務の効率化のサポートや、クラウドサービス導入時の悩み・疑問の解決を行う「教えて!クラウド先生®️(商標登録済み)」を展開。

https://www.it-jinji.net/

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