私のタイミー生活

選果作業効率が上がり出荷量は3倍に。従業員の意識も変化した農事組合法人の戦略的なタイミー活用法

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選果作業効率が上がり出荷量は3倍に。従業員の意識も変化した農事組合法人の戦略的なタイミー活用法

目次

愛媛県南部に位置し、キャベツとタマネギ栽培を行う農事組合法人 たいよう農園。

2012年から本格的に大規模農業に取り組み、今では農場・農園は15拠点、従業員は約100名と着実な成長を遂げています。

今後戦略的に農地を拡大して収穫量を増やしていくために、2024年春から使い出したのが、タイミー。タイミーを活用する中で、人員確保はもちろん、従業員の意識が変わったという嬉しいお声ををいただいてます。

そこで今回は、タマネギの収穫真っ只中の喜多山農場を訪問。社名の通り、太陽が燦々と輝く中、取締役専務 井上翔一朗さんに、農業経営におけるタイミーの有効な活用についてお伺いしました。

取材ご協力先
農事組合法人 たいよう農園

キャベツ・玉ネギの栽培の他、カット野菜加工各種、苗販売、農作業受託等を事業とする。10〜20代の従業員も多く活躍し、日本の農業のビジネスモデルを創り、農業の未来に貢献することを目指している。

https://www.taiyonouen.com/

東京ドーム約32個分の農場では、人員の確保が急務

——まずは、たいよう農園の事業や理念について教えてください。

私たちは、愛媛県をメインに農場・農園を運営しています。「国を耕す会社です」をスローガンに、産業や国が抱える社会課題に対して「農業」の立場から解決をしていくことを本気で目指している農事組合法人です。

その世界を実現するためには、世界最先端の機械を活用した大規模な農場を創りあげることが第一歩になります。そこで、個人農家さんが手付かずだった土地や、管理が難しい急斜面の耕地を譲り受けてきました。

現在の喜多山農場では、70ヘクタールのタマネギ畑と80ヘクタールのキャベツ畑を従業員約30名で栽培・管理をしています。アメリカの農場みたいに大きいでしょう(笑)?

高台で一面に広がるタマネギ畑高台で一面に広がるタマネギ畑

——山の中にこんなに大規模なタマネギ畑が広がってるとは思いませんでした。その中で、なぜタイミーを活用することになったのでしょうか。

農地を拡大し続ける中で、圧倒的に人員が足りなかったからです。毎年、多くの新入社員が入社してくれるんですが、それでも足りない。

農業って多機能になりすぎるんですね。例えばタマネギの収穫時期だけでも、根切り、乾燥、集積、出荷などとたくさんの過程があります。これだけ大規模な農地の場合、今日はこの作業、明日は別の作業……と、仕事が分散してしまうことで、生産性が下がるだけではなく、若手のスキルがなかなか身につかないんですよ。集中して一気に作業する方が、廃棄も少なくなります。それで収穫時期に合わせて人員を増やしたいと思った時に、同じ農家仲間からタイミーを紹介してもらいました。

——タイミー導入前までの人員確保は、どのようにしていたのでしょうか?

これまではアグリ・グリーンツーリズム(リゾートバイト)を利用していました。宿泊・滞在してもらうことになるため、寮や食事を用意しないといけません。結局、従業員の負担が増えてしまったんですよ。もっと手軽に募集できるサービスはないかと探していたので、タイミーの概要を知った時は「僕らが求めていたものだ!」と思いました。

もちろん、面接・書類もなしにいきなり働いてもらうことに、抵抗がなかったといえば嘘になるかもしれません。でも、農家仲間からの紹介という信頼感が大きかったですし、何よりも、従業員の負担がなくなることにメリットしか感じませんでした。

「ワーカーさんに助けられています!」自然に生まれる働きやすい環境

——タイミーではどのようなお仕事を募集しているのでしょうか

今は、タマネギの収穫補助の募集をしています。具体的には、根切りして乾燥させたタマネギを自走式大型ピッカーで拾い上げていくのですが、そのピッカーの上で腐敗球や石ころなどを取り除いてもらっています。このタイミングで異物を取り除いておけば、後々の作業がぐんと楽になるんですよ。

他にもタマネギの選別作業だったり、キャベツの収穫補助だったり。うちだけではなく他の農場でもタイミーを活用しています。集まってくれるワーカーさんたちは、どなたも真剣に取り組んでくれるので、非常にありがたい存在です。

非常にありがたい存在です。タマネギを拾い上げる大型ピッカー。ワーカーはこの機械に乗り異物を取り除く業務を行う

ゴロゴロと流れてくるタマネギに圧巻。作業は丁寧に教えてくれるから安心ゴロゴロと流れてくるタマネギに圧巻。作業は丁寧に教えてくれるから安心

——たいよう農園は、Good率98%とワーカーから高い評価を維持していますが、ワーカーを受け入れる際に、意識していることなどはありますか。

積極的に話しかけるようにしていたり、ワーカーも一緒にお昼ご飯を食べたりしていますね。

あとは、「タイミーさん」ではなくその方の名前で呼ぶように徹底しています。うちでは、シフトを前日までには出すようにしていて。誰がどのチームでなんの仕事をするのか体制図を作るんですけど、そのタイミングでワーカーさんの名前を入れるようにしています。

タイミーさんって呼ばれるより嬉しいだろうっていう気持ちもありますが、大型機械が複数ある現場なので、「タイミーさん危ない!」と声かけしても、自分のことなのかわからないじゃないですか。「▲▲さん、その場所気をつけて!」って言うことで危険を回避することができる。農業の現場において名前で呼ぶことは非常に重要なんです。

——多いときには、十数人ものワーカーさんが働くこともあると思いますが……?

最初は名札を用意しようと思ったのですが、引っかかったりすると危ないじゃないですか。うちでは勤務を開始する際に、従業員・ワーカーさんみんなが円になって、自己紹介をするんです。「▲▲さん、よろしくお願いします」って確認しながら、「あなたの担当はここです。従業員のこの人がリーダーなのでなんでも聞いてください」って指示をしていく。そうすると顔と名前が一致するんですよ。仕事をする中でコミュニケーションも取れますし。リピーターの方も増えてきているので、自然に覚えるようになります。

他に意識していることとして、ワーカーさんからいただく店舗へのレビューはみんなで一緒に見よう、と言ってます。やっぱり悪い意見も受け止める必要があると思うんです。

こんな時困った・悩んだということを書いてくださる方がいらっしゃいますので、みんなで見ながら「このレビューコメントは大事だね」「こういうことをしたいね」って従業員から自然にアイデアが生まれてくるようになりました。会社への意見を自分事にできるようになったというか、意識が変化したというか。あのレビュー機能が従業員を育ててくれてると思っています。

——従業員の変化について、具体的に教えてください。

10代〜20代の従業員も多く在籍しているんですが、今までは「自分のことであればどんなに辛くても我慢できる」と思っている節があったんですね。これまでがそうだったから当たり前という意識というか、我慢することで乗り切っている部分がありました。暑い時期の作業にも慣れているから大丈夫っていう。

でも、農業に慣れていない人や初めての人が働く場合、それでは通用しません。

実は今年から、ピッカーの後ろに扇風機を取り付けました。作業中に暑くて体調を崩してしまう人がいて、その時に現場から声があがったんです。従業員だけの作業だったら「暑いのが当たり前」と思いつくこともなかったでしょう。

従業員だけの作業だったら「暑いのが当たり前」と思いつくこともなかったでしょう。扇風機やクーラーボックスの設置、空調服の試験導入など全部従業員のアイデア

あとは、畑にクーラーボックスを用意して冷たい飲み物を入れるようにしました。従業員も利用するようにし、定期的な休息を取るように改善したんです。

僕自身の本音として、「本当にいる? お金かけてやる?」と懐疑的なところもありました。でも、従業員から「必要です。ワーカーさんたちには助けてもらってるじゃないですか」と怒られました(笑)。

みんな元気なのに甘んじていましたが「実はこういうの必要じゃない?」と既存のルールに対して疑問を持つことができるようになったのは大きい変化ではないでしょうか。タイミー導入をきっかけに、みんなが職場改善や業務効率にも意識が向くようになったんです。おかげで生産性が上がり、選果作業は1/2に、出荷量が3倍になりました。

農場を経営する立場としては嬉しい事実です。でもそれ以上に、従業員全員が働きに来てくれるワーカーさんをただの労働力じゃなくて「一緒に働く仲間」として捉え、「仲間のために何ができるか」を真剣に考えられるようになったことが大きな収穫だと思っています。

タイミーは産業を守ってくれる、僕らのパートナータイミーは産業を守ってくれる、僕らのパートナー農事組合法人 たいよう農園 取締役専務 井上翔一朗さん

——他にタイミーを導入してよかった点などはありますか?

従業員のスキルが向上したと感じています。農作業におけるスキルもですし、社会人としてのスキルもです。

今までだったら、今日は畑の仕事をやる、今日はセンターで選果をする、次は出荷作業をする……という感じで、日々違う仕事をしなければならない状態でした。都度やることを確認し、頭を切り替えていろんな業務をしていたところを、毎日同じ仕事を繰り返すことができるようになったのは大きいです。さまざまな工程がある農業において1つに特化することで教える側も学ぶ側も集中でき、それぞれのスキルが向上したと感じています。

また、タイミーワーカーさんとコミュニケーションをとったり、何か教えたりする経験は、OFF-JTというか社員教育にもつながっていると思います。僕らの農園では、農業系の高校や専門学校を卒業してすぐに働く子が多いんです。自分の会社だけしか知らない子たちにとっては、周りからの意見って大事ですし「うちの会社はこんな風に見えてるんだ」「こんな評価をもらえるんだ」と新しい気づきを得られる機会は重要です。

農業ってどうしても閉鎖的になりがちですが、僕はもっとオープンな業界にしていきたい。そのため、タイミーを通じていろんな人に農業を、たいよう農園を知ってもらえる機会はありがたいと思っています。

——最後に、たいよう農園さんの今後の展望や目指すことについて教えてください

農業って専門性が高く、天候に左右され、体力だって必要……非常に難しい産業です。法人になれば別ですが、個人農家が一人で作業して休めない、収穫が間に合わずに廃棄しなければならないという問題もあります。高齢化だって進んでいます。

そんな状況下で、まずは労働生産性を向上させていくことが使命だと思っています。従業員の賃金や待遇をあげていくことを目指していきたいんです。そのためには、まずはこの地域、この産業の中で利益を出していく。価値を上げていく必要があります。今、良い体制が確立できつつあるので、歩みを止めず農業のロールモデルになっていきたいですね。

僕らだって、タイミーでワーカーさんに来てもらえなければ、農作業を続けられてなかったかもしれない。そういう意味では、タイミーって単なるアルバイト派遣ではなくて「産業を守っている」サービスなんだと思います。滞りなく仕事ができるようにするために僕らを助けてくれる存在であり、新しい気づきをくれた素晴らしいパートナーなんです。

これからも伴走いただき、農業の新たな可能性を広げていきたいです。

これからも伴走いただき、農業の新たな可能性を広げていきたいです。

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/media/タイミーラボ編集部
タイミーラボ編集部

タイミーラボは、株式会社タイミーによるオウンドメディアです。

https://lab.timee.co.jp/

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