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タイミーには「評価・レビュー」機能があります。これは勤務終了後に、ワーカー(働き手)と事業者が互いに働きやすさや勤務の感想を評価できるものです。事業者に対するレビューは他のワーカーが仕事を選ぶ際の参考になるほか、事業者の職場環境の改善のきっかけになります。反対にワーカーに対する事業者からのレビューは、仕事へのモチベーション向上にもつながります。
昨年、タイミーは勤労感謝の日にあわせて「ワーカーが選んだ!優良レビューランキング」を発表。5つの部門で優れたレビューや事業者を選出・表彰しました。
今回は「丁寧なレビュー部門」で第1位に選出された「焼肉どうらく 京都六角通り店」の上田涼太様にインタビューを実施。ワーカー全員に丁寧なレビューを続ける理由や、背景にある想いをお聞きしました。
- 取材ご協力先
焼肉どうらく 京都六角通り店
株式会社ヴィジョンクリエイトが運営する「焼肉どうらく」は、大阪・京都を中心に11店舗を展開する焼肉店。オーナー自ら仕入れるこだわりの素材を、個室や半個室も多く備える店内でゆったりと味わえます。リーズナブルに楽しめる和牛から、神戸牛や近江牛などのブランド牛まで、さまざまなシチュエーションに応える豊富なメニューを用意する人気店です。
アルバイトは全員学生、という中でのタイミー導入
——本日はありがとうございます。まずは上田さんのご経歴と現在のお仕事内容を教えてください。
私は高校卒業後、11年間警察官として働いていました。使命感に燃えて充実した毎日を送っていたのですが、ちょうど30歳になる手前で「一般企業でも働いてみたい」という気持ちが湧いてきたんですね。それで公務員を辞めていろんな仕事に挑戦して。実は働き手としてタイミーを利用したこともありました。そんな中で出会ったのが「焼肉どうらく」だったんです。
入社してから大阪の店舗で店長として働いていたのですが、コロナをきっかけに京都六角通り店に異動になったんです。大阪の店舗と比べて京都は学生が多く働いていることもあり接客の指導を任されるようになって。現在は教育・採用担当というポジションで、店舗運営全般と教育・採用を主に担当しています。
——タイミーを利用され始めたのはどのようなきっかけだったのでしょうか?
利用を開始したのはちょうどコロナ禍の前、店舗が増えて忙しくなり始めた19年の年末ぐらいだったと思います。そしてコロナ後、ありがたいことにインバウンドのお客様も増え、そこから本格的に導入しています。ワーカーさんにお任せしているのはホール業務が多いですね。
特に京都六角通り店は、土地柄もあってアルバイトのほとんどが大学生。そのため、テスト前や年末年始などは特に、人員確保が難しくなります。
さらに来店数も日によってムラが出てしまったり、直前の団体予約等があると旧来のアルバイトシフト管理だけではカバーしきれない日があって、そういう時にタイミーさんを利用させてもらっています。
レビューでも“想像を超える”ことが、店と自分の強みになる
——今回「丁寧なレビュー部門」で1位に選ばれましたが、どのような経緯で今のようなレビューを始められたのでしょうか?
🔸1位 飲食 「焼肉どうらく 京都六角通り店」様本日はありがとうございました!
当店では初めての勤務なのに、色々と気を回して下さり、若いのにとても周りがよく見える方だと思いました。当店が接客に力を入れているということを伝えると、バッシングや清掃をしながらでも入口や客席の状況もこまめに目を向けてくれており、洗い物も細かい指示はしなくても自分で従業員の動きを見て覚えてくださっていました。
また、声掛けや指示伺いもしっかりと行ってくれて、私が洗い物をしていれば代わりに客席側のカバーに回ってくれて、私が客席の対応をしていれば裏方のバッシングや洗い物に取り組む等の判断力と行動力は率直に素晴らしいと思いました。
初めて一緒に働くとは思えないくらいこちらとしても業務がやりやすかったです。今後も手が足りない時は依頼しますので是非またよろしくお願いします!またお会いできることを楽しみにしております!本日はお疲れ様でした!
自分自身がタイミーを通じて、焼き鳥店や居酒屋店、ファーストフード店などさまざまな店舗で働いていたのですが、その時に店舗からの評価コメントに対して、「お店からもっと良かった点などがあれば良いのにな」と思っていたんです。やる気につながるし、自分の強みに気がつけるんじゃないかって。その時の想いが強いのかもしれませんね。
そのため、自分としては、特別なことをやっているという感覚はなくて、「ここが良かったよ」「このとき助けてくれて助かった」など、自分が働き手だった時にして欲しかったフィードバックやコメントを書いていると、自然と丁寧になっているだけなんですよ(笑)。
もちろん、意図的にコメントを書いている部分もあります。というのは、私自身、「人を見て、育てる」ということを仕事の中でとても大事にしているんですね。
それはお客様や後輩社員をしっかり見ることや、アルバイトを育てるってことだけじゃなくて、タイミーで働きに来てくれる人も同じだと思っていて。タイミーのワーカーさんも含めしっかり見て、育てられないと、お客様に対して満足するサービスを提供することもできないだろうっていう考えでレビューも書き始めました。
——お店で働く人に対しても、お客様と同じように丁寧な対応が必要ということでしょうか?
そうですね。当社の理念として「お客様の笑顔が私達の家族の笑顔に」という言葉があって、お客様にしっかり喜んでもらうことの見返りが、自分達に返ってくると思っています。だけどそもそも働く人が笑顔じゃないのに、お客様を笑顔になんかできないじゃないですか。
それにここでいう“お客様”は、今来店していただいている方だけじゃないと思っていて、それこそお店のアルバイトの人も、タイミーで来てくれる人も、いつお店のお客様になるかわからない。
お給料以上の部分で「働きに来て良かった」と思ってもらえることが、どこかで「お客様の笑顔」にもつながると思うんです。
加えて、個人の想いとして「人に喜ばれるには、その人の想像の上を行かないといけない」というのがあります。これは、相手の想像の範疇じゃなくて、「あ、ここまでするんだ!」「こんな美味しいんだ!」と想像を超えるから人は感動すると思っていて。
タイミーで働きに来てくれた人の中にも「これぐらいのレビュー内容だろうな」という想像があると思うんですね。それを超えることで、「働いて良かった。また働きたい」って感じてもらえるのかなと思っていますし、お礼の気持ちも込めてレビューも書いています。
——日々の業務が忙しい中で、レビューを書くことへのモチベーションを保てる理由や、具体的なメリットと感じていることはあるのでしょうか?
自身がずっと公務員をしていたこともあり「人のために仕事をする」っていう想いが強いのもあるかもしれません。ただ、その想いこそが自分やお店の“強み”になるとも思っています。
自分は飲食業界経験がまだ数年の人間です。もちろん、ある程度の調理はできますが、正直「この道30年」の職人さんのようにお肉を捌いたりできませんし、今後どんなに努力してもその人を超えるのは難しいと思います。
だったら、逆にその人ができないような、例えば“タイミーで働いてくれた人に対して、感謝の気持ちを込めた丁寧なコメントをする”といった部分でお店の役に立つことが、僕個人の強みになるのかなと考えるようになりました。
あと、ワーカーの方にとっても評価・レビューをしっかり書いてもらえること自体が、ある意味の“より良いマッチング”にもなると思います。
——それはどういうことですか?
例えば、ワーカーさんだって、「こんなところが助かりました」「この動き良かったですよ!」など、仕事ぶりや勤務態度に対して感謝の気持ちを込めてコメントをもらえると、「もっと頑張ろう」「さらに良い仕事をしたい」とモチベーションが高まる場合があるじゃないですか。
単純にお金を得る仕事を探している人もいれば、感謝される仕事をしたいと思う人もいる。タイミーの使い方はさまざまです。仕事のやりがいや楽しさを求めてる人にとって、このように仕事ぶりに対してコメントすれば、意欲がある方に「今後もこの店舗で働きたい!」と思ってもらえる……という気持ちも正直あります。
そのためにワーカーさんからいただく店舗へのレビュー・評価コメントも全部読んでいますし、お店として足りない部分や改善点があれば積極的に取り入れるようにしていますよ。
——お店のオペレーションや他の固定バイトの方にとって、スポットで働くタイミーが負担になることなどはないのでしょうか?毎回初めてのワーカーさんに教えなきゃいけないなどあると思いますが……。
うちの場合は逆に、既存のアルバイトにとっても良い機会になってます。ワーカーさんには基本的に私が指導しているのですが、アルバイトの人たちに「ワーカーさんに教えることを通じて、わかりやすく教える練習をしてください」って言うことがあるんです。
特に学生アルバイトの場合、立場上「教えてもらう」スタンスになりがちじゃないですか。誰かに教えるという機会も少ないでしょう? でも、何もかも初めてのタイミーのワーカーさんに教える経験をすることで、誰かを指導する難しさもわかりますし、そのアルバイト自身も整理しきれてない部分が明確になって、成長にもつながるんですよ。きっと社会に出たときにも活かせると思いますしね。
「作業指導の負担増」と考えるんじゃなく、“既存スタッフ”同士だけではできない勉強の機会と捉えることで、店全体の接客クオリティのアップになるのではないでしょうか。
ですから、タイミーのワーカーさんを受け入れる際には、店長や担当者以外が無関心では良くありません。「ホールもキッチンも一丸になってタイミーから来てくれる方には助けるようにしましょう」と徹底していますね。他にも、指示系統を明確にしたり、私が積極的にコミュニケーションを取るようにしたり……ワーカーさんを一人にしないことを意識しています。
「自分もアルバイト初日の時、不安だったよね」と言えば、みんなスポットで働きに来てくれる方の不安な気持ちをわかって、自ら話しかけるようになるものですよ。
——お店一丸となってタイミーのワーカーとコミュニケーションを取られることも、大事にしてらっしゃるんですね。
やっぱり一番の目的はお店を円滑に回すことなので、最初にコミュニケーションをとって相手のことをわかっておくのは大事だと思います。経験のあるなしや接客の向き不向きを知ってから適切に指示しないと、ワーカーさんはもちろん他のスタッフも困ってしまうかもしれません。
私は、初めて働きに来てくれたワーカーさんに対して必ず徹底していることがあるんです。それは、勤務開始から10分間たわいもない世間話をすることです。
最初に「飲食経験はありますか?」「他はどんなお仕事されてるんですか?」など、アルバイト経験や得意なことを聞くんです。その上で、どの仕事を任せるのか決めるんですよ。未経験の方であれば丁寧にフォローするようにしますし、ホール経験をお持ちの方であれば働きっぷりをみて、ちょっとプラスアルファの業務もお任せしてみる。
そうすると、短い勤務時間の間でも、やる気になってくれるんですよ。頼まれた仕事ができて、それが評価され、さらにプラスのことを任されたら、やっぱり人って「頼られている」とやる気になるものだと思います。
ですから、私はどのスタッフにおいても「会話」を大事にしています。会話の中で業界用語をどこまで知っているか確認したり、アルバイトの人達と冗談を言ったり、序盤のコミュニケーションでその人のことをしっかり見るのは、とても大事ですね。
単発→リピート→アルバイト雇用。成果につながる人材育成を目指して
——レビューだけじゃない丁寧なご対応が、お店の人気にもつながっていると感じました。より成果を生むために、今後はタイミーをどのように使っていきたいと考えていますか?
これまで、タイミーのワーカーさんがリピートや直接雇用にたくさんつながっています。タイミー経由で長期のアルバイトになった人も数十人はいると思いますよ。嬉しいことに、「レビューを丁寧に書いてくれたから、また働きたいと思ったんです」と言ってくれた方もいて、リピートにつながっています。
タイミーの良い部分は、面接だけではわからないその人の働きぶりを見られるところとワーカーさんの引き抜きを制限しないところです。お店としての理想は自分たちのアルバイトだけで業務が回ることなので、タイミーで働いてくれた方が雇用につながる事例をもっと増やしたい。意欲のあるワーカーさんに向こうから「また来たいです」と言われたり、アルバイトとして働いてもらえる環境を作るために、レビューを丁寧に書くこともそうですし、色々なやり方を模索していきたいです。
その結果として、例えばその学生さんが数年うちで働いて就職した後に「あの時のバイトのおかげで今仕事をしっかりできてるよ」って言ってもらえたら、それが個人的にも最高の成果かなと思っています。
専門知識や焼肉店での経験というだけじゃなくて、社会のどこでも通用するスタンスみたいなものも育てられたら、それは社会全体に還元できる成果だと思うので、“教育担当”としては一番嬉しいですよね。
一緒にそんな成長ができる人との出会いを、今後もタイミーでたくさんつくっていきたいです。
まとめ
教育・採用のお仕事を徹底的に相手目線で考えられ、レビューだけでなく、あらゆる面でワーカーさんを含めた従業員への丁寧な対応を行い、それをお店のサービス向上や成果につなげている上田さん。
「お客様を笑顔にするために、働く人も笑顔で」と根本に置き細かな業務まで落とし込んで考えられていたのがとても印象的でした。
上田さんは「必ずしもレビューを長文書く必要はありません」とおっしゃいます。文章作成が苦手な人が長いレビューを書こうとすることが大事なのではなく、大切なのは「働きに来てくれたことに感謝の気持ちを伝える」こと。ワーカーを受け入れる際は、感謝の気持ちを伝えることを意識してみてはいかがでしょうか。
(取材・執筆・編集:齋藤裕美子)
- タイミーラボ編集部
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