目次
毎年2月〜3月は確定申告の時期。「何をやったらいいのかわからない」「やらなきゃいけないけど専門用語が難しい」などとなかなか気が進まない方も多いのでは?
そこで株式会社タイミーでは、会計バンク株式会社の協力のもと、確定申告の基本・やり方を学ぶセミナーを開催しています。所得税の確定申告の仕組みを理解し、自分は確定申告をしないといけない対象なのか、次にどんなアクションをとれば良いかが明確になり、確定申告に対する不安を解消することを目的としました。今回はその内容をポイントごとに整理し、レポートにします。
また、今年度のセミナーも開催中ですのでまだの方は是非こちらからお申し込みください!
- 株式会社タイミー 公共政策部 泉 昂志(いずみ こうし)

一連の税の経験を積んだのち、2025年9月より株式会社タイミーに入社。現在は公共政策部に所属し、自治体での実務経験を活かして税務・労務に関する社内相談への対応や、最新の制度改正の動向調査、関連法律の論点整理を担当。タイミーのプラットフォームが適正かつ健全に運営されるための調査・課題解決等に取り組んでいる。
- 株式会社タイミー 公共政策部 山本 大樹(やまもと だいき)

大阪府出身。大学を卒業後、法人営業としてキャリアをスタート。その後、税理士や社会保険労務士といった士業と協働し、相続手続きのサポート業務に従事。多様な専門知識が求められる環境で経験を積み、2025年7月より株式会社タイミーへ入社。現在は公共政策部に所属し、労務・税務に関する社内外からの問い合わせ対応に加え、複雑な法律の論点整理を担当している。
「確定申告」って何?
日本にある税金はなんと約50種類以上!
その税金を国に納める方法は主に以下の2種類です。
- 賦課課税制度:自治体などが税額を計算し、通知してくるもの。(例:住民税、自動車税など)
- 申告納税制度:自分で所得を計算し、税務署に申告して納めるもの。(例:所得税、法人税など)
つまり、確定申告とは、国が指定したフォーマットに沿って所得税の額を計算する申告納税制度に基づくものです。
所得税とは?
1年間(1月1日〜12月31日)に稼いだ金額を「所得」と呼び、その所得に対してかかる税金が「所得税」です。ここで大切なポイントとして、「収入」と「所得」の違いを知っておくことです。
●収入と所得の違い
これらは一見すると同じような意味かと思う方もいらっしゃると思いますが明確な違いがあります。
収入:会社から受け取る給与総額(額面)や、フリーランスの売上。
所得:収入から「必要経費」を差し引いた残りの金額。
会社員や、タイミーを利用されているいわゆるスポットワーカーの場合、フリーランスと違って必要経費という概念がありません。その代わりに、収入(年収)に応じた「給与所得控除」という国が定めている基準に則って概算経費を差し引いて計算することができます。することができます。
●所得に税率をかけたものが所得税
年間の収入から経費(控除)を差し引き、残った金額に税率をかけることで所得税が決まります。年収(総額)に直接税率がかかるわけではない、という点を押さえておけばOKです。

所得の種類はたくさんある
収入から経費を差し引いたものが所得になりますが、実は所得にはさまざまな種類があるのをご存知でしょうか?
●確定申告で押さえておくのは、3つの所得でOK
所得の種類は全部で10種類と細かく分類されています。確定申告の際に所得の種類ごとに金額を入力しなければなりませんが、主に使うのは「給与所得」「事業所得」「雑所得」の3つです。そのため、基本的にこの3つの所得の違いを把握しておけば大丈夫です。これらの所得の説明は以下のとおりです。
給与所得:会社から給料として受け取るもの。
事業所得:フリーランスとして本格的にビジネスを行って得た所得。
雑 所 得 :副業の物販や原稿料など、他の所得に当てはまらないもの。暗号通貨の売却益も雑所得に該当する。

●タイミーで得た所得は「給与所得」
タイミーを通じて稼いだ金額は、税務上「給与所得」に該当します。
タイミーでは案件ごとにマッチングした企業と「直接雇用契約」を結ぶため、パートやアルバイト同様、「給与所得」となります。そのため、確定申告の際は、事業所得や雑所得ではなく「給与所得」の欄に入力しましょう。

確定申告との関係性が深い「源泉徴収」「年末調整」
確定申告とは、国が指定したフォーマットに沿って所得税の額を計算し、申告することというのは先程触れました。
ただ、「副業でタイミーを利用しているけれど、本業の会社で何か書類を出した気がする」「給料から税金が引かれているのはなぜ?」という疑問をお持ちになる方がいらっしゃるかと思います。それがこれから説明する「源泉徴収」「年末調整」と呼ばれるものです。
源泉徴収とは、会社が代わりに給与から税金を差し引いて納税すること
「源泉徴収」という言葉を聞くと難しそうですが、実はとってもシンプルな制度です。一言でいうと、会社が毎月の給料から「だいたいこれくらいの税金かな?」と計算して、あらかじめ税金分を差し引いておいてくれる仕組みのことです。
本来、所得税は自分で計算して確定申告時期にまとめて納めるものですが、毎月お給料から少しずつ引いて会社が代わりに納税してくれることで、私たちは一度にドカンと大きな税金を払わずに済みます。
さらに、会社が代わりに手続きをしてくれるおかげで、面倒な納税手続きを自分でする手間がなくなるという、実は従業員にとっても、ありがたい制度なんです!

●タイミーでも源泉徴収って行われているの?
ここで気になるのは、タイミーを通じて働くと源泉徴収税が天引きされているのかってことですよね?原則、正社員だけではなくアルバイト・パートに対しても会社は源泉徴収を行う義務があります。
しかし、タイミーでは、1日の報酬(交通費を除く)が9,800円を下回る場合、源泉徴収はされません。タイミーで掲載されている求人は9,800円を下回ってるものが多いため、多くの場合0円になっているはずです。アプリで報酬額をチェックしてみてくださいね。

年末調整は、会社が代わりに年間の給料について確定申告をしてくれること
年末調整とは、その名の通り年末に今まで収めた所得税の過不足を調整する手続きのことです。

源泉徴収を説明する際、あらかじめ税金分を差し引いておくと説明しましたが、ここにポイントがあります。所得税は年間の所得に対して払う税金のこと。毎月の給与を振り込まれる段階ではその人が年間にどのくらいの所得があるのか正確な金額はわからないですよね。そこでおおよその額を天引きしておき、年末に調整するという仕組みです。

所得税を多く支払っていた場合、翌年1月の給与明細に反映されていると思いますので確認してみてください。
タイミー利用の場合、確定申告は必要?
タイミーを利用している場合、確定申告が必要かどうかを確認する前に、まずはタイミーを利用している場合の確定申告の仕組みをチェックしましょう。
タイミー利用の場合、その都度企業と雇用契約を結びお給料が支払われます(=給与所得の扱いですね)。しかし、大抵は1日9,800円を下回るため、源泉徴収は行われません。
では、タイミーを利用することによる給与所得がある場合、確定申告は必要なのでしょうか。
結論は「その人の収入パターンによって異なる」となります。
では、パターンごとに見ていきましょう。
会社員の副業としてタイミーを利用している場合
タイミーの収入を含む副業での所得の合計が20万円以下であれば確定申告は不要です。会社員であれば本業で年末調整が行われているはずだからです。その場合、副業の稼ぎが所得ベースで20万円未満(少額)の場合には特に何もする必要はありません。
逆に、タイミー分を含んだ副業での所得が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。
アルバイト・パートの掛け持ちとして、タイミーを利用している場合
メインのアルバイト・パート先で年末調整を受けている場合、タイミーなど「サブの収入」が年間20万円以下なら確定申告は不要です。
アルバイト・パートを掛け持ちしている場合、本業として働いている企業では年末調整が行われている場合がほとんどです。そのため通常の会社員と同様の扱いとなります。
●アルバイト・パート先で年末調整がされていない場合は?
メインとして働いているアルバイト・パート先で年末調整を行っていない場合は、確定申告をしなければならないのでしょうか?
その場合は、タイミー利用分含めた年間の収入合計が123万円以下なら確定申告不要となります。年収123万円以下の場合には税額が生じないため、確定申告はする必要がないというわけです。
なお、会社員であったが年の途中で退職し年末調整を受けていない方も同様の取り扱いとなります。(会社員の場合、年末まで在籍していない場合年末調整の対象になりません。)
自営業・フリーランスの傍ら、タイミーを利用している場合
原則確定申告は必要です!自営業・フリーランスとして得た所得は事業所得として、タイミー経由で受け取った所得は給与所得になり、それぞれの項目に記載することになります。
確定申告のステップ
それでは、最後に確定申告の進め方について説明していきます。
説明に入る前に今回スポットワーカー向けに便利な会計アプリをご紹介します!
会計バンク株式会社がリリースしている会計アプリFinFinというアプリです。このアプリの特徴は、シンプルな操作性と便利な機能です。このアプリを使えば、確定申告の手続きをアプリ内でそのまま完了することができます。(一部有料機能あり)
今回は、このアプリをベースに確定申告の流れを解説します。
確定申告の手順は、①基本情報の入力、②必要書類の整理、③申告書の作成、④申告書の提出、⑤納税手続きの5STEPになります。

STEP1.基本情報の入力
ここで基本情報(名前・住所・勤務形態等)を入力してその人の年収の壁を設定します。

STEP2.必要書類の整理
所得税を計算するためには、必要経費がいくらか把握する必要がありますが、給与所得の場合と、事業所得・雑所得の場合とで計算が変わってきます。給与所得の場合は給与所得控除という経費の枠のようなもの(概算経費)が設けられているため自身で経費計算等する必要はありません。一年間の源泉徴収票をご用意いただければ大丈夫です。一方、事業所得や雑所得の場合はその収入を得るためにかかった必要経費を計算しなければならないため、領収書等を整理する必要があります。
アプリでは、以下の図のように源泉徴収票の読み取り機能がついているため、お手元の源泉徴収票を簡単にアップロードすることができます。源泉徴収票をお手元に用意して一つ一つ読み取っていただければ年間の給与収入を自動で計算してくれます。

ここでひとつ、見落としがちな重要ポイントがあります!
それは、「年末調整が終わっている本業の給料」の分も含めて申告しなくてはならないということです。
「本業のほうは会社が全てやってくれたから、副業(タイミー利用)の分だけでいいや」と思われがちですが、実はすべての収入を合算して最終的な税金を計算するのがルールなんです。忘れずに準備しておきましょうね。
●タイミーってすぐに振り込まれるけど、いつの所得になるの?
働いてすぐに報酬が振り込まれるのがタイミーの魅力。少し話が変わりますが、ここでちょっとした疑問がわきませんか?
「アプリで報酬が確定した日が、税金上の『お給料日』になるの?」
実は、答えは「NO」なんです。

タイミーに掲載されている求人に応募してマッチングした場合、「労働条件通知書」が電子交付されますが、そこには「賃金支払日」という項目があります。税金の世界では、この「賃金支払日」に書かれた日付が、実際に収入を得た日としてカウントされます。
そのため、通常この支払日は「報酬が確定した翌月の15日」と決まっています。
・12月に働いた分は、来年の所得になる?
ここが注意ポイントです!
たとえば、12月に働いて報酬が確定した場合、支払日は翌年の「1月15日」になりますよね。つまり、12月に頑張って働いた分は、実は「来年分の所得」として扱われることになるんです。
・今年の確定申告(2025年分)の対象期間
2025年1月1日〜12月31日までに「支払日」がくるもの
・タイミーのお仕事でいうと…
2024年12月〜2025年11月の間に働いて、報酬が確定した分が対象になります!
12月に勤務して即日入金した分を今年度の収入に計上しにように注意してください。
「計算がちょっとややこしそう…」と思った方もご安心を。
タイミーのアプリ内では、このルールに沿って年度ごとに「源泉徴収票」が自動でまとめられています。自分で計算しなくても、アプリからダウンロードするだけで正しい数字がわかるので、安心してくださいね。

STEP3.申告書の作成
いよいよここから申告書の作成に移ります。通常紙での申告書の作成は計算しながら手書きで記入する必要があります。しかし、今回ご紹介したアプリでは、いくつかの質問に回答していく形式で簡単に申告書を作成することができます。主に給与収入、その他の収入(雑所得)、控除といった順で質問形式に回答をしていくことで申告書の中身が埋まっていく仕組みです。
手順に沿って進めていけば簡単に作成できちゃいますよ。

STEP4.申告書の提出
アプリを使えば楽々に確定申告書を作成できることがわかりました。その後提出しなければならないのですが、提出方法は大きく2つあります。1つは電子申告で、このアプリからそのまま電子送信※することが可能です。もう1つは紙にプリントアウトして郵送・持ち込みで提出ができます。アプリから申告書の控えもダウンロードできるのでそれを印刷して税務署への持ち込み・郵送が可能です。
※アプリ上での電子申告は有料(月額970円)となります

STEP5.納税手続き
確定申告書を提出したら終わり!ではありません。
確定申告書の作成により”納めるべき税金”または”還付される税金”が決まります。”納めるべき税金”がある場合には忘れずに納税をしましょう。”還付される税金”がある場合は、確定申告書に記載した銀行口座に振り込まれますので4月以降確認するようにしましょう。
よくある質問にお答えします
●確定申告しない場合はどうなるの?
確定申告をしなければならない人が確定申告をしないと、ペナルティとして無申告加算税などの付帯税が課される場合があります。納付すべき税額に対して追加の税金(無申告加算税の場合原則15%)が加算されてしまうので注意が必要です。場合によっては、重加算税などの重い措置が下される可能性もあるので、きちんと手続きをしましょう。
●インボイス制度って確定申告に関係ある?
インボイス制度は消費税の話になるので、ワーカーの確定申告に直接関係はありません。
●タイミー利用ワーク分の給与に対して、備品や交通費などの経費を落とすことができる?
できません。
給与所得には国が定めた給与所得控除という給与所得者用の経費の枠が設けられています。したがって、備品(作業着や軍手等)や交通費などを経費として落とすことはできません。逆にいうと、領収書等の管理をしなくても一定の控除を受けられることはタイミーの働きやすさの一因かもしれませんね。
去年、確定申告を忘れちゃったんですが、今年分をまとめて申請することはできますか?
1年度につき1つの確定申告書となるため、複数年分を1つにまとめて申告することはできませんが、過去分の申告も可能です。もし申告し忘れた所得や還付を受けていなかった源泉所得税がある場合には5年前の分までは申告することができますので、これを機に手続きしておきましょう。
まとめ
確定申告って大変そうというイメージがあるかもしれませんが、仕組みを理解すれば簡単に手続きできますし、何よりも還付金が戻ってくる可能性も!働いて得た所得に対して正しく納税するためにも、該当者の方は確定申告をするようにしましょう。
