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税理士がわかりやすく解説◆今からでも遅くない!タイミーワーカーのための確定申告セミナー【セミナーレポート】

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税理士がわかりやすく解説◆今からでも遅くない!タイミーワーカーのための確定申告セミナー【セミナーレポート】

目次

毎年2月〜3月は確定申告の時期。「何をやったらいいのかわからない」「やらなきゃいけないけど専門用語が難しい」などとなかなか気が進まない方も多いのでは?

そこで株式会社タイミーでは、会計バンク株式会社の協力のもと確定申告の基本・やり方を学ぶセミナーを開催。所得税の確定申告の仕組みを理解し、次にどんなアクションをとれば良いか明確になっていることを目指しました。今回はその内容をポイントにまとめレポートします。
※記事内の画像は当日の投影資料です

■講師プロフィール
株式会社タイミー
スポットワーク研究所 / 公共政策G / 税理士 渡邊 亮

大手税理士法人に入所後、大手日系企業や外資系企業を中心に税務申告業務及び税務相談業務に3年間従事。2019年7月よりM&A部門にて、上場企業やファンド等を対象にM&A税務関連業務やクロスボーダー取引等に関する税務アドバイザリー業務を担当。 2023年8月に株式会社タイミーに入社。サービス面における税務の取り扱い検討や企業の税務オペレーション業務の平準化提案などを担当。併せて、新しい働き方における税制面の課題解決に向けた調査研究を行っている。

※2016年12月税理士試験合格

Xアカウント:https://twitter.com/Ryo_da232323

「確定申告」って何?

日本にある税金はなんと約50種類もあるのですが、その税金を国に納める方法は2種類あります。

1つは、賦課課税制度。勝手に税額が決定するもので、例えば住民税などが該当します。そしてもう一つが、申告納税制度で税額を自ら計算し、税務署に申告するものです。所得税などが該当します。

つまり、確定申告とは、国が指定したフォーマットに沿って所得税の額を計算し、申告することです。

所得税とは?

1人の国民が1年間で稼いだ金額のことを「所得」と言い、1年間で稼いだ金額(=所得)に応じて支払う税金のことを「所得税」と言います。

ここで注意しなければならないのが、「収入」と「所得」の違いです。

●収入と所得って一緒じゃないの?

実は一緒じゃありません。「収入」とは会社から受け取るすべての金額のことです。フリーランスの場合は売り上げ金額を指します。そして、収入から必要経費を引いて残った額が「所得」になります。会社員の場合は必要経費と見なされる「所得控除」を差し引いた額が所得です。

●所得に税率をかけたものが所得税

年間収入から控除(もしくは経費)を差し引いたものに、税率をかければ所得税になります。年収に対して税率を乗じるわけではないことを押さえておけばOKです。

年収に対して税率を乗じるわけではないことを押さえておけばOKです。

所得って種類がたくさんある

収入から控除(もしくは必要経費)を差し引いたものが所得になりますが、実は所得ってたくさん種類があるのはご存知でしょうか?

●確定申告で押さえておくのは、3つの所得でOK

所得は10種類もあります。確定申告を進めると所得の種類ごとに金額を入力しなければなりませんが、多くの場合、「給与所得」「事業所得」「雑所得」の3つです。

「給与所得」「事業所得」「雑所得」の3つです

●タイミーで得た所得は「給与所得」です

これだけ所得の種類がありますが、タイミーで稼いだ金額って何に該当するのでしょうか。正解は、給与所得です。給与所得は、雇用契約があって、従業員として受け取ったお金を指します。

タイミーの場合は、案件に申し込みマッチングするたびに、企業と直接雇用契約を結ぶことになるので給与所得になります。つまり、確定申告を行う場合、タイミーで稼いだ金額は給与所得に入力するようにしましょう。

タイミーで稼いだ金額は給与所得に入力するよう

確定申告との関係性が深い「源泉徴収」「年末調整」

確定申告とは、国が指定したフォーマットに沿って所得税の額を計算し、申告することというのは先程学びました。

でも「自分は副業でタイミーやってるんだけど、本業でもなんか会社に申告したような気がする」「お給料もらうとなんか税金が引かれてるよね?」という方はいませんか?

実はそれが、「源泉徴収」および「年末調整」なんです!

源泉徴収とは、会社が代わりに給与から税金を差し引いて納税すること

源泉徴収とは、毎月の収入からおおよその所得税を差し引く制度のことです。会社が源泉徴収を行うことで、従業員は毎月の給与から少額ずつ所得税を納めているということになります。つまり、確定申告が不要となり、従業員にとってありがたい制度ともいえますね。

●タイミーでも源泉徴収って行われているの?

ここで気になるのはタイミーで働くと源泉徴収税が天引きされているのかってことですよね?原則、正社員だけではなくアルバイト・パートに対しても会社は源泉徴収を行う義務があります。

しかし、タイミーでは、1日の報酬(交通費を除く)が9,300円を下回る場合、源泉徴収はされません。タイミーの案件は9,300円を下回ってるものが多いため、多くの場合0円になっているはずです。アプリの報酬額をチェックしてみてくださいね。

アプリの報酬額をチェックしてみてくださいね。

年末調整は、会社が代わりに年間の給料について確定申告をしてくれること

年末調整とは、その名の通り年末に今まで収めた所得税の過不足を調整する手続きのことです。

源泉徴収を説明する際、“おおよその所得税を差し引く”と書いていましたが、ここにポイントがあります。所得税は年間の所得に対して払う税金のこと。毎月の給与を振り込まれる段階では正確な金額はわからないですよね。そこでおおよその額を天引きしておき、年末に調整するというわけです。

おおよその額を天引きしておき、年末に調整する

多く支払ってしまった分は翌年の1月の給与で調整されているので本業の給与明細をチェックしてみてください。

タイミーの場合、確定申告は必要?

タイミーワーカーの場合、確定申告が必要かどうかを確認する前に、まずはタイミーをやってる場合の確定申告の仕組みをチェックしましょう。

タイミーの場合、その都度企業と雇用契約を結びお給料が支払われます(=給与所得の扱いですね)。しかし、大抵は1日9,300円を下回る場合があるので源泉徴収は行われません。

1日9,300円を下回る場合があるので源泉徴収は行われませんでは、タイミーで給与所得がある場合、確定申告は必要なのでしょうか。答えは「その人の収入によって異なる」が正解です。

では、パターンごとに見ていきましょう。

会社員の副業としてタイミーをしている場合

答えは、タイミーの収入を含む副業での所得の合計が20万円以下であれば確定申告は不要です。会社員であれば本業で年末調整が行われているはずです。その場合、副業の稼ぎが所得ベースで20万円未満(少額)の場合には特に何もする必要はありません。

逆に、タイミーを含んだ副業での所得が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。

アルバイト・パートの掛け持ちとして、タイミーをしている場合

答えは、タイミーの収入を含む副業での所得の合計が20万円以下であれば確定申告は不要です。アルバイト・パートを掛け持ちしている場合、本業として働いている企業では年末調整が行われている場合がほとんど。

●アルバイト・パート先で年末調整がされていない場合は?

メインとして働いているアルバイト・パート先で年末調整を行っていない場合は、確定申告をしなければならないのでしょうか?

その場合は、年間収入合計103万円以下なら確定申告不要となります。年収103万円以下の場合には税額が生じないため、確定申告はする必要がないというわけです。

なお、会社員であったが年の途中で退職し年末調整を受けていない方も同様の取り扱いとなります。

自営業・フリーランスの傍ら、タイミーをしている場合

原則確定申告は必要です!自営業・フリーランスとして得た所得は事業所得として、タイミー経由で受け取った所得は給与所得になります。

確定申告のステップ

それでは、最後に確定申告の進め方について説明していきます。確定申告の手順は、収入集計、必要経費集計、申告書の作成、申告書の提出、納税手続きの5STEPになります。

5STEPになります。

STEP1.収入集計

確定申告を行う場合、「自分はこれだけの収入を得ました」という証明をしなければなりません。そのため、源泉徴収票もしくは、請求書などの売上金額の証明となる書類を1年間分集めないといけません。

ここで、注意しなければならないのは、年末調整済みである本業の収入も合わせて申請しなければならないということです。

●タイミーってすぐに振り込まれるけど、いつの所得になるの?

タイミーの場合、すぐに報酬が振り込まれることがメリットですが、では報酬が確定した日が給与支給日(いわゆるお給料日)になるのでしょうか。

実は、そうではありません。タイミーでは案件ごとに労働条件通知書が添付されていますが、そこに「賃金支払日」が記載されています。

タイミーの案件ごとに労働条件通知書がある

その賃金支払日に書かれている日付が収入を得た日ということになります。通常は、報酬が確定した翌月15日になります。

報酬が確定した翌月15日になります。

ということは、12月に報酬が確定した場合、翌月の15日が給与支給日とされるので、源泉徴収を集める際は注意が必要です。令和5年の確定申告では、2023年1月〜12月の所得分とされていますが、タイミーの場合、2022年12月〜2023年11月の間に働いて報酬確定した所得が対象になるということです。

報酬確定した所得が対象になるということです。

STEP2.必要経費集計

所得税を計算するためには、必要経費がいくらか把握する必要がありますが、給与所得の場合と、事業所得・雑所得の場合とで計算が変わってきます。給与所得の場合は給与所得控除という経費の枠のような者が設けられており、通常はe-Taxなどの確定申告システムで自動計算されるため自分で何かする必要がありません。一方、事業所得や雑所得で申請する場合は、領収書を集め合計金額を出す必要があります。

STEP3.申告書の作成

今までは申告書作成は計算しながら手書きで記入する必要がありました。しかし、今はe-Taxなどのシステムを用いれば、スマホやパソコン上で確定申告書の作成が簡単にできるようになりました。さらに提出も簡単にできるため、わざわざ税務署に行く必要もなくなりました。

ただし、e-Taxを使う場合は、

  • e-Taxを使える環境を整備する
  • マイナンバーカードとマイナポータルアプリを用意する 
  • (マイナンバーカードを持っていない場合)税務署でIDとパスワードを取得する

これらを対応する必要があります。そうすれば、手順に沿って進めていけば簡単に申請ができちゃいますよ。

STEP4.申告書の提出

e-taxを使えば楽々に確定申告書を作成できることがわかりました。その後提出しなければならないのですが、e-Taxの場合は、電子送信もしくは紙にプリントアウトして郵送・持ち込みで提出ができます。いずれにしろ控えを保管するようにしましょう。

STEP5.納税手続き

確定申告書を提出したら終わり!ではありません。

確定申告書の作成により”納めるべき税金”または”還付される税金”が決まります。”納めるべき税金”がある場合には忘れずに納税をしましょう。”還付される税金”がある場合は、確定申告書に記載した銀行口座に振り込まれますので4月以降確認するようにしましょう。

よくある質問にお答えします

ここでセミナー参加者から上がった質問について回答します。

Q.確定申告しない場合はどうなるの?

A.確定申告をしなければならない人が確定申告をしないと、ペナルティとして無申告加算税などの付帯税が課される場合があります。納付すべき税額に対して追加の税金(無申告加算税の場合原則15%)が加算されてしまうので注意が必要です。場合によっては、重加算税などの重い措置が下される可能性もあるので、きちんと手続きをしましょう。

Q.インボイス制度って確定申告に関係ある?

A.インボイス制度は消費税の話になるので、タイミーワーカーの確定申告に直接関係はありません。

Q.タイミーワーク分の給与に対して、備品や交通費などの経費を落とすことができる?

A.給与所得には給与所得控除という給与所得用の経費の枠が設けられています。したがって、備品や交通費などの経費を落とすことはできませんが、逆にいうと領収書等の管理しなくても控除を受けられることはタイミーの働きやすさの一因かもしれませんね。

Q.去年、確定申告を忘れちゃったんですが、今年分をまとめて申請することはできますか?

A.1年度につき1つの確定申告書となるため1つまとめに申告することはできませんが、過去分の申告も可能です。もし申告し忘れた所得や還付を受けていなかった源泉税がある場合には5年前の分までは申告することができますので、これを機に手続きしておきましょう。

まとめ

確定申告って大変そうというイメージがあるかもしれませんが、仕組みを理解すれば簡単に手続きできますし、何よりも還付金が戻ってくる可能性も!働いて得た所得に対して正しく納税するためにも、該当者の方は確定申告をするようにしましょう。

最近は、スマホ会計アプリFinFinなどの簡単に確定申告ができるアプリもありますので、ぜひダウンロードしてみてくださいね。
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/media/タイミーラボ編集部
タイミーラボ編集部

タイミーラボは、株式会社タイミーによるオウンドメディアです。

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