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100名以上の参加があり、大好評だったオンラインセミナー!
飲食業界で働いたことがない人も働きやすいお店をつくり、飲食業の楽しさを知ってもらうことを目指して立ち上げた「THE赤提灯」。その「THE赤提灯」の裏側を経営者目線で語るセミナーが、先日開催されました。
ワーカーに寄り添い、ワーカーを育てるタイミー公認店舗「THE 赤提灯」のモデルが飲食業界で広がってほしい!という思いのもと、飲食店向けに開催された本セミナー。赤提灯の成り立ちや、ワーカーの皆さんに期待することなど、普段お店ではなかなか聞くことができない経営者や店長から語られた「THE 赤提灯」の裏側をお届けします。
ゲストプロフィール紹介
- 株式会社ミナデイン代表取締役 大久保 伸隆
「塚田農場」を展開する株式会社エー・ピーカンパニーの元副社長。「街に個性を」をコンセプトに、株式会社ミナデインを2018年設立。人間味があふれる社会を目指して、一つひとつテーマ、店名、業態の異なる飲食店を展開し、飲食店経営を通じた地域の活性化にも尽力している。
- 株式会社ミナデイン「THE 赤提灯」店長 上野翔
大久保代表と同じく株式会社エー・ピーカンパニーで経験を積み、株式会社ミナデインに入社。「THE 赤提灯」の店長を務め、同社の人事も担当。自ら掃除や調理、接客も行いながら、タイミーワーカーの受け入れ・管理、採用説明会など、様々な業務をこなしながら、日々楽しく「THE 赤提灯」を営業している。
改めて、赤提灯って何がすごいの?
「新橋銀座口ガード下 THE 赤提灯(ザ・アカチョウチン)」は、ミナデインとタイミーがタッグを組んで、2023年5月にオープンした居酒屋。「全アルバイトがスポットワーカー」というコンセプトを掲げ、はじめての人でも働きやすいことを目指したタイミー公認店舗です。働くことで、未経験者・初心者は即戦力になるためのスキルが習得でき、経験者はさらなるスキルアップを目指すことができます。
2024年5月に開業1周年を迎えた「THE 赤提灯」ですが、その実績がすごい!と業界から注目を集めています。セミナー前半では、「THE 赤提灯」が注目される実績と、それが実現できる理由が、上野店長から紹介されました。
★「THE 赤提灯」のココがすごい① リピート率は脅威の46.3%!求人を公開してすぐ、早ければ数秒でマッチング!
上野店長:タイミーでマッチングしない場合、他の店舗からヘルプを要請することになるんじゃないか?という懸念が当初はありました。(ミナデインが経営する13店舗のうち、7店舗は新橋で展開)ですが、1年間運営してみて今のところ一切ヘルプを頼むことなく、本当にタイミーワーカーさんだけで運営できています。2週間分の約50求人が半日でマッチングする状況で、早ければたった数秒でマッチングすることもあるくらいです。
また、これまで1,037名(2024年8月時点)が実際にお仕事に就いてくれていて、そのうちほぼ半分の方たちが再び働きに来てくださっています。「もう少しでれない?」みたいな調整をしたことはなくて、シフト調整で一切苦労したことがないんですよね。仮にキャンセルになったとしても、再度募集を出せばすぐに他のリピーターが入ってくれる。本当にありがたいと思っています。
★「THE 赤提灯」のココがすごい② ワーカーの活躍によりミステリーショッパーで高評価!
上野店長:「THE 赤提灯」のアルバイト全員がタイミーワーカーだとご存知のお客様も中にはいらっしゃいますが、これまで「あの人がタイミーワーカーですか?」「タイミーワーカーで大丈夫?」などと言われたことはなくて、ワーカーさんの働きぶりに対する酷評は一切ありません。さらには、去年ミステリーショッパーに入っていただいた際に、3か月連続で高得点を獲得することができました!私たち社員だけでなく、タイミーのワーカーさんの接客・サービスが評価された結果だと思っています。
★「THE 赤提灯」のココがすごい③ 働いたワーカーの95%が「お客としても来たい!」
上野店長:今現在でお気に入り登録をしている方たちが、2,600人いらっしゃいます。また、当店で働いたワーカーさんの95%が、「お客さんとしても来たい」と言ってくださっていて。何回も働いていただくことはもちろんですが、お客様としての利用意向が高いことも、店長としての誇りですね。嬉しく思っています。
なぜ実現できる?秘密はワーカーのための独自教育カリキュラム
★「THE 赤提灯」の教育カリキュラム
- 事前のマニュアル提供
- スキルチェックシートで振り返り!
- はじめてカンペ
上野店長:まず、「ものすごくわかりやすいマニュアル」を求人に添付して、あらかじめ確認していただいています。勤務当日は、はじめて働かれる方には、お店に立つ前に社員からオリエンテーションをして、定番メニューを試食をしてもらいます。実際に食べて貰うと自分の言葉でお客様におすすめしやすくなりますし、ワーカーさんからも「お店の味を知れて嬉しい」と好評です。
また、営業中に困った時の秘策として、うちのキラー商品やここは押さえておいてほしい商品説明をすぐに見れるように「はじめてのカンペ」を用意。このように、募集時、就業前、就業中と、いろんなシーンに合わせたオペレーションを散りばめて営業しています。させていただいております。
ワーカーさんには洗い場だけをお願いするお店もあるかもしれませんが、「THE 赤提灯」ではオーダーの受注、バッシング、ドリンク提供。幅広い業務をお任せして、今順調に営業させていただいています。一見、効率が悪いように思われるかもしれませんね。しかし、このように様々なポジションを経験して成功体験をたくさん積んでいくと、ワーカーさんのモチベーションが上がって、結果的に働きぶりが丁寧になる気がします。
時給設定も、経験者、リピーター、バッチ限定で設定を変えていて、人員配置は、赤提灯のオペレーションを理解されてるリピーターさんが1名以上常にお店にいるような状態にしています。僕たち社員が教えるのと違って同じタイミーワーカーさんの目線でフォローしてくれるので、はじめて働くワーカーさんも質問しやすく、安心できますから。
「僕たちが変わっていく必要がある」人材難の時代にTHE 赤提灯を運営する経営者の本来の狙いとは
「THE 赤提灯」の実績紹介に続いて、大久保代表と上野店長、タイミー代表小川によるトークセッション。赤提灯の立ち上げから今後までの本音が語られました。
Q.赤提灯を立ち上げようと思ったのか
タイミー小川:ミナデインさんは様々なコンセプトのお店を展開されていますよね。そもそもなぜタイミーと組んで赤提灯を立ち上げようと思ったのか、経営者目線でお話いただけますか。
大久保代表:ガード下という日本独特の文化空間と若者のお酒離れの課題を結びつけて、「大人の階段を上る」という意味の、お酒のアダルトショップみたいなコンセプトにしようと思いました。大人の楽しみを味わってもらうために、例えば20歳の人が身分証明書を見せてくれたら、江戸切子のいいグラスで「はじめて」のお酒が無料になるサービスも提供しています。
「はじめて」っていうのは働くという目線でもあって。はじめて飲食店で働く人が、僕らのこの「THE 赤提灯」で素敵な体験や楽しい体験をできれば、外食業界でアルバイトをしたい人を増やせるのではないか——という思いがあり、このお店を立ち上げました。
上野店長:実際、初めて赤提灯で働く人は、飲食店未経験の方が多くいらっしゃるんです。例えば、高校卒業したてでアルバイト経験の一切ない方や、40代の方、今まで社会人経験は積んできたけど事務の仕事しかしたことがなくて、でもちょっと接客業やってみたいなっていうような方にもご応募いただいている状況です。
Q.ワーカーさんにどんなことを期待するのか
タイミー小川:初心者枠、経験者、リピーター。経験値が様々なワーカーが働きにくる状況で、ワーカーにどんなことを期待していますか。また、全てタイミーワーカーでお店を回すことに対する経営者目線のリスクみたいなものはあったのでしょうか。
大久保代表:ワーカーさんにどこまで期待するのか、ではなくて、期待される側だと思います。「働き手にとってどんな体験や価値を提供できるか」を考え、取り組みを通して僕らが変わっていく必要性があるんです。
人材難の時代で、多くの飲食店で募集かけてもなかなか人が来ない現状がある中で、いろんな取り組みを仕掛けていかないといけない。それを考えると、リスクよりもチャレンジしないといけないという気持ちの方が、僕は大きかったですね。現場は「とはいえ」という側面もあったと思うんですが。そのへん上野くんはどう?
上野店長:過度な期待をしてしまうと、ワーカーさんが負担に感じてのびのびと働けなくなってしまうかもしれない。お客様の満足度を上げるためには、社員が先陣を切って接客をしていくべきで、ワーカーさんには、空いたお皿を下げてテーブルを整えたり、お料理を丁寧にお届けしたりして、お客様が居心地良く過ごすためのサポートをしていただく。というような、役割分担が必要だというのが、半年ぐらいでたどり着いた答えです。僕が期待することというか、リピーターさんが増えていくにつれて、自然とリピーターさんたちのモチベーションが上がっていって。最近は新しいワーカーさんの教育にリピーターさんが率先して対応してくださっています。
Q.「THE 赤提灯」の会社としての位置付けは?
タイミー小川:「THE 赤提灯」にはタイミー以外のパートアルバイトはいないと思いますが、ミナデイン社としては、新橋にいっぱい複数店舗を持っていらっしゃる。赤提灯店舗でいいなと思った人を他の店舗で長期雇用した事例はあるのですか?「THE 赤提灯」の位置づけをどうするかは経営として大事だと思っていて、極端な話、採用・教育店舗と位置付けて、人が必要な店舗に人材を斡旋するという考え方もあるかなと思いますが、いかがですか。
上野店長:積極的に採用ということはしてないんですが、ワーカー側から本当にミナデインで働きたいですと仰っていただいて、当社としてもお願いしたい方には、姉妹店で、働いていただいていますね。
大久保代表:今後新店オープンするときにはお声掛けすることもあり得ますし、他のお店で働いてもらうことは、当初から計画に入っています。アルバイトや契約社員、ゆくゆくは社員採用もあり得るんじゃないでしょうか。
求人媒体に載せても応募が来るか来ないかわからない状況の中で、毎日確実に誰かしらが働いてくれていて、働きながらお互いを面接してるみたいな状況だと思うんですよね。なので、「THE 赤提灯」は一つのお店ではあるのですが、会社の新たな採用手法の一つみたいな形で経営側としては見てるかもしれないです。
Q.やってみて気がついた、経営者目線での「THE 赤提灯」の魅力は?
タイミー小川:1年間営業してみて気がついた赤提灯の面白さや魅力、やりがいを聞かせていただけますか。
大久保代表:今まで「THE 赤提灯」で働いた人は1年で1,000人以上です。一つの飲食店でアルバイトさんが1,000人働くことは、まずありません。その1,000人とお店が、働くことを通じて、お互いに面接しているということ。会話するだけの面接とは違って、働き手側はお店の人や環境を、お店側は働きぶりを見ることができるので、相手への理解が深まりやすい。
さらに、そのうちはじめて飲食店で働く人が30%ぐらいなので、飲食未経験の300人もの人が、僕らの店を通して飲食店のアルバイトに挑戦してくれたってことがまず嬉しいです。
これを10年やったら3,000人。この赤提灯モデルが、もしうちだけじゃなくて他にも広がっていったら、未経験で飲食業のアルバイトを始める人が倍倍になっていきます。「THE 赤提灯」での体験を通じて、飲食店で働く楽しさを知り、そこから飲食業界で活躍するような人材が増えていく。そこに少しでも貢献できることが、僕らのやりがいです。僕らのビジョン「人間味あふれる社会を目指すこと」とすごくマッチしてる取り組みなので、充実しながらやっています。
上野店長:本当にそうです。心からの声です。
人材難を変えていく 「THE 赤提灯」の今後の可能性
Q.赤提灯モデルは広がっていくのか
タイミー小川:当社としても、飲食業界に関わる人が少しでも増えていくことは、ものすごく重要だなと思っています。「THE 赤提灯」型の飲食店は今後広がっていくのでしょうか?
大久保代表:広がっていく可能性を秘めていると思います。現在、赤提灯で一番働いてくださっているワーカーさんが60代なんですよ。10代から60代まで、幅広い年代の方々が赤提灯で働いている。その中で、飲食が初めての人も沢山いる。社会人の副業で働いてみたら、「飲食って面白いから、会社やめて、自分でお店やってみようかな」みたいな人も出てくるかもしれません。そんな空間を作れたらすごく嬉しいですね。やっぱり、接客が好きかどうか、自分が飲食業界に向いてるかどうか、まずは働いて体験しないとわからないですから。
タイミー小川:タイミーとしても、このモデルを色々な業態に展開できると思っていて、今日のセミナーも、一緒にこの取り組みを広げてくださるパートナーと出会えたらという気持ちで開催しました。
飲食未経験の人がはじめて働いて、どんどん経験者が増えてくコミュニティを作れたら嬉しいですし、人材難の中で、こういう取り組みが広がっていけば新しい採用手法として業界に貢献できると思います。どんな形かはまだ分かりませんが、「色々な企業と一緒にやれたら面白いね」と大久保さんと話していますので、興味ある方は、お問い合わせいただけたら嬉しいです。
- タイミーラボ編集部
タイミーラボは、株式会社タイミーによるオウンドメディアです。
https://lab.timee.co.jp/