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これからアルバイトを始める人にとって、「交通費を支払ってくれるかどうか気になる」という人もいるのではないでしょうか。勤務日数が増えれば増えるほど、交通費もかかるため、「交通費支給の有無」についてはアルバイト先を決めるうえで重要なポイントの一つです。
本記事では、アルバイトの交通費が支給される条件、支給額の決め方、よくある質問についてまとめてみました。アルバイトを始める前に、ぜひ確認してください。
アルバイトでも交通費は支給される?
まずは、アルバイトの交通費支給の有無や基準について、説明します。
交通費支給の有無は会社によって異なる
交通費に関しては、法律で定められているものではないため、支給されるかどうかは会社によって異なります。ただし、一般的に福利厚生の観点から、アルバイトや正社員などの雇用形態を問わず、支給される場合がほとんどです。
全額支給 | 自宅からアルバイト先までの交通費の合計金額を全額支給される |
一部支給 | 「週3以上の出勤」など、上限や条件を満たした場合に支給される |
一律支給 | 1日やひと月など、決められた期間で一律の金額が支給される |
交通費の支給に条件を設けているケースもある
交通費が支給されるアルバイト先であっても、支給額や支給対象者に一定の条件を設けている会社もあります。
たとえば、「週3以上」の勤務日数や「月50時間以上」の勤務時間を満たした場合のみ、交通費が支給されるなどといったケースです。また、車やバイクで通勤する場合は、自宅と勤務先との距離により、「1km◯◯円」と決めているケースもあります。
求人の募集要項に「交通費支給」と記載されていても、全額支給されない会社もあるため、事前に支給条件を確認しておくと安心です。
交通費が支給されるタイミング
一般的に、交通費は給与と一緒に支払われます。そのため、支給されるまでに勤務した分の交通費は、一時的に自己負担で立て替える必要がある点に注意しておきましょう。また、交通費の申請方法は、自宅からアルバイト先までの最短ルートを所定の申請書に記載して提出するなど、会社によってさまざまです。申請方法の詳細は、アルバイト先に事前に確認するようにしましょう。
アルバイトの交通費はいくら支給される?
求人の募集要項に「交通費支給」と書かれてあっても、必ずしも全額支給されるわけではありません。ここからは、アルバイトの交通費の支給額や支給額の算出方法について説明します。
交通費は会社の規定に沿って支給
交通費の支給パターンは、大きく分けて3つの種類があり、会社の規定に沿って支給されます。
全額支給 |
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一部支給 |
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一律支給 |
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「一部支給」「一律支給」の場合、会社の規定をこえた交通費は自己負担となるため、自宅からアルバイト先までの交通費をあらかじめ算出しておきましょう。
支給額は家から勤務先までの最短ルートで算出
アルバイトの交通費支給額は、原則として自宅からアルバイト先までの公共交通機関を使用した最短ルートで計算されます。最短ルートで通勤した際の往復の交通費に勤務日数を掛けた金額が支給されることになります。
ただし、会社によっては、公共交通機関を使う場合、自家用車などで通勤する場合などの移動手段や移動距離などによって、支給額や支給条件が細かく決められているケースもあるので、注意しましょう。
●電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合
電車やバスなどの公共交通機関を利用して通勤する場合、基本的には、家の最寄り駅(バス停)から、勤務先の最寄り駅(バス停)までの最短ルートの往復の交通費が支給対象となります。交通費を多く支給してもらうために、無駄に遠回りしたルートは基本的に認められないので気をつけましょう。
支給される交通費を決める際、従業員が希望の通勤ルートを指定したり金額を設定したりすることは、原則、認められないので、覚えておきましょう。また、交通費の支給額が「一部支給」「一律支給」などといった形で上限や条件が設けられている場合は、会社の規定内で支給されます。
●車やバイクなどを利用する場合
車やバイクを利用して通勤する場合、支給額を決める基準は会社によって異なります。主な支給方法の例は、以下のとおりです。
- 距離に応じて支給されるケース(「1kmにつき〇円」など)
- 一律の金額が支給されるケース(「1日500円」など)
車やバイクは、通勤以外にも使用されることが多いため、自宅から勤務先の最短距離(走行距離)に応じて支給されるケースも珍しくありません。一方、一律の金額が支給されるケースでは、自宅から勤務先の距離によっては自己負担額が多くなってしまう人もいるため、通勤手段と交通費の支給額については、勤務前にしっかりと確認してきましょう。
交通費の有無や条件は事前に確認しよう
交通費支給が支給されるかどうかや支給条件については、会社によってさまざまな規定があります。とくに、近年ではアルバイトやパートも、リモートワークという働き方も増えているため、交通費の計算が複雑になっているケースもあります。
アルバイトへの応募前には、しっかりと募集要項や給与・手当について確認しておきましょう。交通費を全額支給されるアルバイトを選びたいのであれば、「交通費全額支給」と記載のある求人がおすすめです。また、「規定内支給」「一部支給」「交通費支給規定あり」などといった記載がある場合は、全額支給されないケースがあるため、条件や規定についてくわしく聞くようにしましょう。
アルバイトの交通費に関するよくある質問
最後に、アルバイトの交通費に関するよくある質問について、回答します。
Q.通学定期券がある場合も支給される?
学生の場合、自宅から高校・大学までの通学定期券を持っている人も多いでしょう。アルバイト先が、通学定期圏内である場合、「交通費は支給されないのでは?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、会社によって通学定期圏内であっても、定期券の有無にかかわらず、交通費は支給されるケースはあります。心配な方は勤務先に確認してみましょう。
ただし、通学定期券は、あくまで通学するために使用するものです。そのため、厳密に言えば、アルバイト先に通う際はもちろん、プライベートの用事で出かける際などに通学定期券を使用することは、鉄道会社の利用規約に違反します。通学定期圏内でも交通費が支給されている場合は、定期券ではなく、支給されている交通費を使ってアルバイト先に通うことがベストな通勤方法といえるでしょう。
万が一、鉄道会社の利用規約違反が見つかった場合、通学定期券の発行を取り消されてしまったり、これまでの差額分を請求されたりする可能性があるので、注意しましょう。
Q.自転車で通勤する場合も支給される?
アルバイト先まで自転車で通勤する場合は、基本的に交通費は支給されません。なぜなら、交通費は「移動にかかった労働者の実費負担を軽減する」という考えであるため、自転車や徒歩の場合だと実費負担分がないからです。
ただし、従業員に一律の交通費が支払われる「一律支給」などの場合は、自転車や徒歩通勤であっても支給されるケースがあります。
Q.交通費をごまかして受けとるとどうなる?
一人暮らしをしている自宅から勤務先ではなく、自宅よりも遠方にある実家から勤務先までを通勤ルートとし、交通費をごまかして受けとったことが発覚した場合、アルバイト先から解雇される可能性があります。また、ごまかして受けとっていた交通費の返還を求められることもあるでしょう。さらに、交通費をごまかして受けとる行為は、法律に触れる恐れがあるため、通勤ルートや金額は、正直に申請しましょう。
Q.交通費をもらいたいけど出ない場合は?
交通費の支給額や支給条件は、法律で定められておらず、会社の規定に沿って支給されます。そのため、アルバイト先の規定で「交通費は支給しない」と定められている場合は、会社の規定が変更されない限り、支給されません。
給料のほかに交通費を受けとりたい場合は、現在のアルバイト先を辞めて、新しいアルバイト先を探す必要があります。
交通費支給の仕事探しならタイミー
交通費は、支給される場合がほとんどであるものの、支給額や支給条件は会社によって異なります。とくに、「規定内支給」「一部支給」「交通費支給規定あり」などの記載がある場合は、全額支給されないケースがあるので注意しましょう。
さまざまな職種のスキマバイトが充実している「タイミー」では、交通費支給の仕事も数多く募集しています。交通費の支給額があらかじめ記載されているため、問い合わせの必要なく、スムーズに申し込むことが可能です。ぜひタイミーで、希望の条件に合った仕事を探してみましょう。
- 監修者
- 株式会社タイミー スポットワーク研究所 神谷 一成
地方公務員として任用され、生活保護課という福祉の最前線で様々な非正規雇用者の生活をサポート。その後、インドネシアで労務コンサルタントとして国際労務の仕事に従事し、コラム執筆や大規模セミナー等を担当。帰国後、東京の大手コンサル会社を経て、2022年9月、スポットワーク研究所に所属。2018年、社会保険労務士資格を取得。