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アルバイトやパートを退職する際は、勤続年数にかかわらず、一緒に働いた人に感謝の思いを伝え、しっかりと挨拶をしてから退職することが大切です。そのためには、あらかじめ挨拶の内容を考えておくと良いでしょう。
本記事では、退職を控えている人や、どのように挨拶をすればよいのかわからない人に向けて、一般的な退職時の挨拶について例文を含めながら紹介します。
退職の挨拶は「いつ・何を・どうやって伝えるか」が大切
退職の挨拶をするタイミング、伝えるべき内容、挨拶をする手段について紹介します。
退職の挨拶をするタイミングは?
退職の挨拶は、大きく以下2つにわけられます。
- (仕事を引き継ぐ予定の)同部署や同じチームの人への挨拶
- お世話になった社外の方への挨拶
- 社内への公式の挨拶
仕事を引き継ぐ必要があるため、部署や同じチームの方には退職日の1ヶ月〜2ヶ月ぐらい前にすることが一般的です。ただし、会社や職場によっては内示が出るまでは口外しないなどのルールがあるため、上司や店長の指示に従うようにしてください。また、社内の人に挨拶する場合、ほかの人は通常業務中であるため、相手の状況に合わせて挨拶しましょう。また、会社や職場によっては、最終出社日にセレモニーが開催される場合もあります。
取引先や仕事で関わった社外の人も同様です。1ヶ月前ぐらいから順次連絡することをおすすめします。
退職の挨拶で伝えるべき内容
退職の挨拶で伝える内容としては、主に以下の4つが挙げられます。
- 退職時期
- お世話になったお礼
- 退職理由(ポジティブな内容の場合のみ)
- 引き継ぎ内容
先輩や後輩、同僚に対しては退職後の業務に支障がないよう、まずは退職する旨と今までのお礼を述べ、引き継ぎを行うようにします。いつ退職するのか、そのためいつまでに引き継ぎを終わらせる必要があるのかを明確にしておきましょう。
直属の上司であれば、退職の意向をまず相談しているはずです。相談にのってもらっていたときのお礼も含めて、挨拶をするとよいでしょう。
退職の挨拶をする方法・手段
退職の挨拶をする手段としては、以下の4つが挙げられます。
- 対面で挨拶する
- 全従業員の前でスピーチする
- 挨拶状を書く
- メールやLINEを送る
伝える相手に合わせて、どの手段で退職の挨拶をすればよいのか、検討しましょう。お世話になった人にはできるだけ対面で直接お礼を伝えるのが良いでしょう。
しかし、社員人数の多い企業の場合は、一人ひとりに直接挨拶するのは困難です。また近年は、コロナ禍ということもあり、なかなか会えない人もいます。そのため、状況に応じてメールやLINEを利用して挨拶することも検討しておきましょう。
退職の挨拶は誰に?どこまでする必要がある?
退職する際は、業務で関わった方全員に挨拶するように心がけましょう。難しい場合は、所属部署、取引先、上司など、業務上かかわりのあった最低限のメンバーに口頭で挨拶を行います。遠方で会うことができない人には、メールを送るなどしておけば追ってやりとりができるためおすすめです。
【例文付き】退職の挨拶をする際のポイント
退職の挨拶をする際のポイントについて、各手段ごとに紹介します。
対面で挨拶まわりをする場合のポイント
社内の人に向けて挨拶まわりをするときは、報告する内容以上に顔を合わせてすることを意識しきましょう。お世話になった人に対しては、たとえ簡単な挨拶であっても、顔を合わせることで感謝の気持ちを伝えることができます。
一般的には、自分の所属部署で役職が一番上の人から順番に挨拶するのがマナーですが、パートやアルバイトの場合は、そこまで順番を意識する必要はありません。挨拶に伺うときのタイミングも重要です。相手の仕事の状況を見て臨機応変に挨拶することを心がけ、相手に迷惑をかけないように配慮しましょう。場合によっては業務終了後でも良いかもしれません。
●対面で挨拶まわりをする際の例文
挨拶まわりで直接感謝を伝える際には、以下のような内容を述べるとよいでしょう。
お疲れさまです。今少しお時間よろしいでしょうか。 本日づけで退職することになりました。 ○○さんには、いつもお世話になっておりましたので、ご挨拶をさせていただきたいと思った次第です。 本当にお世話になりました。 |
スピーチで挨拶するときのポイント
最終出社日にスピーチで挨拶するときには、自分が成長したと感じるエピソードや思い出を語るのがポイントです。お世話になった人々とのあいだには、さまざまなエピソードがあるはずです。たとえ自分にとってネガティブな印象のある出来事だったとしても、ポジティブな内容に変換してスピーチしましょう。エピソードを話したあと、お世話になったことへの感謝を述べてスピーチを終えるようにします。
スピーチの際は、以下の構成や順番を意識して話しましょう。
- 冒頭に謝辞を述べる
- 退職報告をする
- 感謝の意を述べる
- エピソード・思い出を語る
- 今後の意気込みを述べる
- 締めの挨拶
●退職スピーチ内容の例文
スピーチで退職の挨拶をするときの例文を紹介します。以下のようなエピソードをスピーチにすれば、感動を伝えられ、気持ちよく退職することができるでしょう。
お忙しい中、私のためにお集まりいただき、ありがとうございます。 これまで、皆さんには大変お世話になりました。入社当初はなかなか仕事を覚えられず、多くのご迷惑をかけたことと思います。しかし、先輩や同僚の皆さんのご指導のおかげで成長することができました。 色々な思い出がありますが、とくに印象にのこっているのは社内旅行です。本当に別け隔てなく皆さんと会話でき、嬉しかったのを覚えています。(印象に残っていることなどのエピソードも交える) 次は、△△にて新しい職種にチャレンジします。この職場で教わったことをしっかり発揮できるよう、努力して参ります。(次の働く場所が決まっていたらそこに対して触れるのもOK) 退職するのは寂しくもありますが、改めて皆さまにお礼を申し上げます。これまで本当に、ありがとうございました。 |
挨拶状(手紙)を書くときのポイント
挨拶状(手紙)を書くときは、以下の構成を意識しておきましょう。
- 冒頭に「拝啓」、文末に「敬具」
- 挨拶文
- 退職報告
- 感謝
- 意気込み
- 締めの挨拶
- 署名
●挨拶状(手紙)の例文
○○様 拝啓 この度、私は△△月△△日を持ちまして、〇年在籍した株式会社〇〇を円満退職し、新しい職場で再出発することになりました。 新たな勤務先でも、○○様に教えていただいたことを参考に、さらなるスキルアップを目指していく所存です。 略儀ながら、書面でご挨拶申し上げますことをご容赦ください。 敬具 令和●年●月●日 |
メールで挨拶するときのポイント
メールで挨拶をする場合は、同じ内容を一斉送信することもあるでしょう。その場合、送信相手のメールアドレスが流出しないよう、宛先を「BCC」で追加して送付するようにします。「TO」や「CC」を使用した場合、送信相手全員のメールアドレスが見えてしまうため、配慮が足りないと感じられる可能性があります。メールの場合であっても、退職理由を細かく述べる必要はなく、ポジティブな内容に留めるように意識しましょう。
●社内向けメールの例文
【件名】退職のご挨拶/◯◯◯◯(名前) 【本文】 お世話になった皆様 お疲れ様です。▲▲▲▲部△△△△課の◯◯です。 私事で恐縮ですが、本日をもちまして退職することになりました。 ●年という短い間ではありましたが、在職中は大変お世話になりました。 下記に今後の連絡先を記しておきますので、何かございましたらお気軽にご連絡ください。 最後になりましたが、皆様の益々のご活躍、ご発展を心よりお祈り申し上げます。 (連絡先) |
コミュニケーションツールを退会・退出するときのポイント
LINEなどのコミュニケーションツールに登録・入室している場合、退職時に退会・退出することになります。会社指定によって登録したチャットツールの場合は、退職時に総務などが登録を削除するため、退職する本人が何か作業を行うことはほぼありません。
ただし、会社指定ではなく、個別に部署内のコミュニケーションツールとして利用していたツールや、同僚間でのやり取りにおいて使用していたツールなどを退会・退出する際は、ひと言挨拶をしてから退出するようにしましょう。その際は、要点だけを完結に述べたうえで、複数回送信せず、1通にまとまる文量にしておきましょう。
●LINEなどコミュニケーションツールに送る例文
お疲れ様です。本日をもって会社を退職することになりました。 会社は辞めてることにはなりますが、これからも仲良くしていただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。 |
▼LINEについてのコミュニケーション記事はこちら
退職の挨拶にお菓子は必要?
職場で誰かが退職する際に、お菓子を配りながら挨拶をしている光景を見たことがある方もいるでしょう。退職の際は一緒に働いた人に向けたお礼のお菓子が必要なのでしょうか?
退職の挨拶の際には、必ずしも「お菓子」が必要というわけではありません。とはいえ、お菓子を持っていくことで、話しかけるきっかけにもなりますし、これまでの感謝やお詫びといった自分の気持ちを伝えることもできます。
まとめ
退職の挨拶のスタイルは、勤め先の慣習によってさまざまです。わからないことがあれば、事前に上司や先輩に確認したうえで、退職日に向けて挨拶を考えておくようにしましょう。退職は、次の職場、次のキャリアへのスタートでもあります。退職したからと言って、これまでの職場や関係者と完全に縁が切れるわけではありません。縁を大切にしていくためにも、相手にとって気持ちの良い挨拶になるよう心がけましょう。
- タイミーラボ編集部
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