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パート・アルバイトの無期雇用転換ルールとは?メリット・デメリットについても解説【社労士監修】

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パート・アルバイトの無期雇用転換ルールとは?メリット・デメリットについても解説【社労士監修】

目次

パート・アルバイトで働いている人が同じ会社で一定期間働くと、無期雇用へ転換できることをご存じでしょうか。無期雇用とは、働く期間に定めを設けない労働契約を指します。

本記事では、無期雇用転換ルールについての概要から、メリット・デメリットなどについて詳しく説明します。定期的な契約更新や雇い止めに不安を感じている人は参考にしてくださいね。

※本記事は、厚生労働省の「無期転換ルールについて」「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト」を参照し、社労士監修のもとで作成をしております。

/media/株式会社タイミー スポットワーク研究所 神谷 一成
監修者
株式会社タイミー スポットワーク研究所 神谷 一成

地方公務員として任用され、生活保護課という福祉の最前線で様々な非正規雇用者の生活をサポート。その後、インドネシアで労務コンサルタントとして国際労務の仕事に従事し、コラム執筆や大規模セミナー等を担当。帰国後、東京の大手コンサル会社を経て、2022年9月、スポットワーク研究所に所属。2018年、社会保険労務士資格を取得。

無期雇用転換ルールとは

無期雇用転換ルールとは   無期雇用転換ルールとは、2013年4月1日に施行された改正労働契約法18条に規定されているルールのことです。  通常、パート・アルバイト、派遣社員、契約社員として働く非正規雇用の労働者は、一定期間ごとに雇用契約を更新(自動更新も含む)する必要があります。しかし、無期雇用転換ルールを適用すれば、同じ会社で通算5年を超えて以上働いた人は、雇用契約期間を定めない労働契約(無期雇用)に転換することが可能になります。  無期雇用は、契約更新が不要であることに加え、雇用期間を定められることもないため、同じ職場で長く働きたい人にとっては、安心して働くことができるでしょう。  参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21917.html   H3.無期雇用転換ルールが定められた理由 そもそも無期雇用転換ルールは、家庭の事情やワークライフバランスのためにパート・アルバイト、派遣社員、契約社員などの雇用形態で働いている人の雇い止めの不安を解消することを目的に制定されました。  無期雇用転換ルールを導入することで、仕事への意欲向上や将来を見すえたキャリア形成をはかるといった狙いがあります。  H3.無期雇用転換ルールの対象 無期雇用転換ルールの対象者は、以下のすべての条件に当てはまる、パート・アルバイト、派遣社員、契約社員などの有期雇用契約労働者です。派遣社員の場合は、直接雇用されている「派遣元会社」が対象になります。  2013年4月以降、有期雇用契約で働いている通算期間が5年を超えている 通算期間のうち、1回以上契約更新している 現時点で同一の使用者(雇用主)との間で契約している  なお、法律の施行よりも前に勤めた年数については、カウントされません。  H2.パート・アルバイトが無期雇用契約で働くメリット

無期雇用転換ルールとは、2013年4月1日に施行された改正労働契約法18条に規定されているルールのことです。

通常、パート・アルバイト、契約社員、派遣社員として働く非正規雇用の労働者は、一定期間ごとに雇用契約を更新(自動更新も含む)する必要があります。

しかし、無期雇用転換ルールを適用すれば、同じ会社で通算5年を超えて以上働いた人は、雇用契約期間を定めない労働契約(無期雇用)に転換することが可能になります。

無期雇用は、契約更新が不要であることに加え、雇用期間を定められることもないため、同じ職場で長く働きたい人にとっては、安心して働くことができるでしょう。

無期雇用転換ルールが定められた理由

そもそも無期雇用転換ルールは、家庭の事情やワークライフバランスのためにパート・アルバイト、派遣社員、契約社員などの雇用形態で働いている人の雇い止めの不安を解消することを目的に制定されました。

無期雇用転換ルールを導入することで、仕事への意欲向上や将来を見すえたキャリア形成をはかるといった狙いがあります。

無期雇用転換ルールの対象

無期雇用転換ルールの対象者は、以下のすべての条件に当てはまる、パート・アルバイト、契約社員、派遣社員などの有期雇用契約労働者です。派遣社員の場合は、直接雇用されている「派遣元会社」が対象になります。

  • 2013年4月以降、有期雇用契約で働いている通算期間が5年を超えている
  • 通算期間のうち、1回以上契約更新している
  • 現時点で同一の使用者(雇用主)との間で契約している

なお、法律の施行よりも前に勤めた年数については、カウントされません。

パート・アルバイトが無期雇用契約に転換する際のメリット

パート・アルバイトが無期雇用契約で働くメリット

パート・アルバイトの人が無期雇用契約で働くと、具体的にどのようなメリットがあるのかについて紹介します。

メリット①:雇い止めの不安がなくなる

雇い止めとは、契約期間満了時に会社が契約の更新を拒否し、雇用契約を終了させることです。無期雇用転換ルールでは、労働契約に期限がない無期雇用契約に転換できるため、雇い止めの不安が解消されます。

また、安定した雇用を維持できることから、次の雇用先を探す必要がなくなり、契約期間や更新のプレッシャーから開放され、仕事やプライペートを充実させることができるでしょう。

メリット②:収入が安定する

無期雇用契約では、正当な理由がない限り、契約を打ち切られることはありません。そのため、有期雇用に比べると、収入は安定しやすいといえるでしょう。

無期雇用契約のパート・アルバイトにおいて、たとえ正社員と同等の職務内容および配置変更がなかったとしてもまた、一部の企業では、無期雇用契約のパート・アルバイトに対して正社員と同等の福利厚生を提供する場合もあり、有期雇用のときと比べて待遇の改善が期待できます。

(参考:厚生労働省「パートタイム労働法の改正について」)

メリット③:キャリアアップに向けて気持ちに余裕ができる

無期雇用契約で働く場合、契約満了や次の職場探しへの不安がなくなり、スキルアップのための資格取得やセミナー参加などに積極的に取り組む余裕が生まれます。一つの職場でじっくり働くことを念頭に置いたキャリア形成にも、前向きに取り組めるようになるでしょう。

パート・アルバイトが無期雇用契約に転換する際の注意点(デメリット)

パート・アルバイトが無期雇用契約で働くデメリット

無期雇用契約を検討する際には、以下2点についても考慮しておきましょう。

注意点①:「無期雇用=正社員」ではない

パート・アルバイトの人が無期雇用契約に転換したからといって、正社員になれるというわけではありません。あくまで雇用期間を定めない働き方になるだけで、雇用形態そのものが変わるということではないのです。

注意点②:業務・待遇は据え置きのケースが多い

無期雇用に転換した場合、労働時間、給与、待遇などの雇用契約の内容は変わらず、契約期間のみが無期限になるといったケースが多いです。

ただし、正社員と同様の労働時間を求められる可能性もあるため、給与が増える反面、業務量が多くなったと感じる場合もあります。

パート・アルバイトが有期雇用契約から無期雇用契約に転換したい場合はどうすればよい?

パート・アルバイトが有期雇用契約から無期雇用契約に転換したい場合はどうすればよい?

有期雇用契約から無期雇用契約に転換したい場合、契約期間が通算5年を超えていれば、無期転換を申請できます。申請方法は、法的に定められているものはないため、雇用主や上司、店長に口頭で伝えても、書面で伝えてもどちらでも問題ありません。

ただし、申請したという証拠を残すためにも、書面での申請が望ましいといえるでしょう。転換を希望する場合は、厚生労働省のWebサイト上で提供されている申込書の参考様式などを活用し、勤め先に申し込むのがおすすめです。

(参考:厚生労働省「参考様式 無期労働契約転換申込書・受理通知書の例」)

申請する際の注意点としては、企業側には、転換を申し込めるタイミングを労働者に通知する義務がないため、有期雇用契約期間中に勤続年数などを自分で確認し、転換の申請を行う必要があります。

無期雇用転換ルールに関するよくある質問

Q.通算契約期間のカウント方法とは?

A.自分がいま何年勤続しているのか、正確なカウント方法がわからないと、無期雇用契約への転換希望が出せません。そのため、通算契約期間のカウント方法について知っておきましょう。

通算契約期間のカウントを始める時期は、2013年4月1日以降に開始した有期労働契約からです。たとえば、2010年5月1日に1年間の有期労働契約を締結し、更新を繰り返している人は、2013年5月1日以降から勤務年数をカウントします。

ただし、同一の使用者(企業)との間で有期労働契約を締結していない期間が6ヵ月以上続いた場合、それ以前の契約期間はカウントされず、契約期間を通算対象から除外されます。これをクーリング期間と呼びます。

Q.通算契約期間のカウント方法とは?

(参照:厚生労働省「通算契約期間の計算について(クーリングとは)」)

Q.5年を超えたら、自動的に無期雇用契約になるの?

A.法律上は、契約期間が通算5年を超えた労働者が「申し込み」をした場合に、無期労働契約が成立します。そのため、無期労働契約への転換にあたっては、労働者ご自身で「申し込み」を行わなければなりません。

なお、会社によっては自動的に無期転換される制度を設けている場合もあるため、予め確認するようにしましょう。

Q.5年半以上同じ会社で働いていますが、定期的に事業所や職種の異動があります。無期雇用契約の対象になる?

A.無期転換への申し込みは、「同一の使用者との間」で契約を更新し、通算して5年を超えて勤務した場合に発生します。この場合の同一使用者とは、事業所単位ではなく法人単位・個人事業主単位で判断されています。

つまり、継続して同じ会社に勤務していれば、その間に職種や勤務地が変更された場合であっても、契約期間は通算されます。

Q.無期雇用契約への転換を断られることはある?

A.パート・アルバイトなどで働いている有期契約労働者が勤め先に対して無期雇用転換の申し込みをした場合、原則として雇用主は理由なく断ることができません。無期労働契約を断るということは、つまり解雇宣告ということになりますが、正当な理由がない限りその解雇は無効になるためです。

まとめ

無期雇用転換ルールは、パート・アルバイトで働く人にとって安定した働き方をするための手助けとなる法律です。正社員になれるというわけではありませんが、収入面やスキルアップの面でメリットがあるため、検討する価値は十分あるのではないでしょうか。

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/media/タイミーラボ編集部
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