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高校や大学を中退(中途退学)した経験のある人は、それを履歴書に書くことをためらうかもしれません。しかし、事実を隠したりごまかしたりすることは、経歴詐称になり、かえって悪い印象を与えてしまいます。
中退は、伝え方次第で必ずしも不利になるわけではありません。本記事では、中退は履歴書にどのように記載するべきか、適切な書き方をご説明します。
中退は履歴書に必ず記載しよう
中退したことを履歴書に書くと、マイナスなイメージを持たれるのではないかと考えて書くことをためらう人は少なくないでしょう。ですが、履歴書には事実を書かなければ学歴詐称になる恐れがあり、また、中退したことを書きたくないからと学歴欄を空白のまま提出すれば、不備・不足のある履歴書となってしまいます。
学歴不明のまま採用されて、あとになって事実が発覚すると、採用が取り消されたり、懲戒処分を受けたりすることになりかねません。給与を受け取ってからの発覚となれば詐欺罪に問われる可能性もあります。そのため、履歴書には、包み隠さず事実をそのまま記載するようにしましょう。
中退は選考で不利になる?
中退の事実を履歴書に書いたからといって、それだけで選考に不利になるということはありません。文部科学省の「令和4年度 学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査結果」によると、2022年4月1日から2023年3月31日までの期間で、高校・大学・短期大学を中退した人は53,668人と報告されており、中退する人はそう珍しいわけではないのです。また、中退理由には、転学や留学、就職・起業などもあり、決してネガティブな理由だけではありません。
採用の際には、細かい学歴よりも、どのような人柄・能力を持っていて、仕事内容に適した人材であるかどうかが重視されています。
参考:文部科学省|令和4年度 学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査結果
中退は履歴書にどう書く?
では、中退は履歴書にどのように書けばよいのでしょうか。実際の書き方をパターン別に紹介します。
共通していることは、学歴欄の「入学」を記載した次の行に学校名、学部・学科名の後に一文字分空白を開けて、「中途退学」と記載します。略語である「中退」でも間違いではありませんが、正式名称の「中途退学」と書いたほうが丁寧な印象となります。年月も正確に記載しましょう。
高校中退の場合
高校を中退した場合、学校名の後に「普通科」「商業科」などの学科名を記載し、その後に一文字分空白を開けて「中途退学」と記載します。学科がない場合は、高校名のあとに一文字分空白を開けて「中途退学」と記載しましょう。
【書き方の例】
〇〇高等学校△△科 中途退学
短大・大学中退の場合
短大や大学を中退した場合は、学校名の後に学部・学科名を記載し、その後に一文字分空白を開けて「中途退学」と記載します。
【書き方の例】
〇〇大学△△学部**学科 中途退学
高卒認定を取得して中退した場合
高校中退後も高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)に合格すれば、高校卒業と同等の資格が得られます。学歴としてはあくまで中卒ですが、高卒者と同等の学力を有しているという証明になり、学歴欄に書くこともできます。記載は学歴欄・資格欄のどちらでも構いません。
学歴欄の場合、高校中退の次の行に「高等学校卒業程度認定試験 合格」と記載します。
【書き方の例】
高等学校卒業程度認定試験 合格
中退を書く場合は理由も一緒に書くこと!
中退の理由を記載する場合は、学歴欄に端的に書きましょう。家庭の経済的な事情などやむを得ない理由や、留学のためといった前向きな理由であれば、中退がネガティブに捉えられる可能性も低くなります。
記載する場所は「中途退学」の後に、(経済的事情により)(家庭の事情により)など簡潔にカッコ書きで記入します。
やむを得ない理由で中退した場合
やむを得ない理由で中退した場合は、中退理由のほか、資格取得に向けて勉強中であることや、状況が改善していることなどを書き添えるとより伝わりやすくなります。
【家族の介護が理由】 在学中に親の介護が必要となったため退学 在学中に親が要介護となり退学 |
【本人の健康上の理由】 健康上の理由により退学 病気療養のため退学(現在は完治しており勤務に支障はなし) |
【経済的事情が理由】 家庭の経済的事情により退学 |
前向きな理由で中退した場合
前向きな理由で中退した場合は、新しいことにチャレンジしていることがわかるように中退理由を記載しましょう。
【留学が理由】 語学習得のため〇〇(国名)へ留学し、退学 〇〇(国名)へ留学し英語を勉強するため退学 |
【就業が理由】 早期に自立をしたいと考え、就職のため退学 社会人として就業するため退学 |
人に言いにくい理由で中退した場合
一方で、明確な理由がない場合や、人に言いにくい理由で中退した場合もあるでしょう。中退の事実は必ず書かなければなりませんが、理由までは無理に書く必要はありません。やむを得ない理由でなければ、「一身上の都合により退学」と記載するに留めるのが無難です。
面接で中退の理由を聞かれたときの答え方
中退したことについて、面接で理由を聞かれる可能性があります。答えるときは、前向きに感じられるようポジティブな言い回しで伝えましょう。
理由がネガティブなものであっても、変にごまかさずにその失敗をこれからどう活かしていくか、中退によって得られた経験など、前向きな姿勢で伝えれば面接でも評価されやすくなるはずです。
まとめ
中退していると、就職活動やアルバイト探しのときに中退の事実をどうつたえようと悩むことがあるかもしれません。履歴書に理由までは書く必要がないといっても、これから一緒に働く人を選ぶ採用担当者にとっては、理由が知りたくなるのも当然です。ですが、中退という事実が必ずしもマイナスに働くとは限りません。
中退経験があったからこそ学んだこともあるはず。困難を乗り越えたことがアピールポイントにつながる場合もあります。履歴書には必要なことを正確に書き、面接の際には誠意をもって回答するようにしましょう。
- タイミーラボ編集部
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