私のタイミー生活

自分の幸せを、見つけて、育てていく——元アナウンサーの前田有紀さんに「好きを仕事に」する秘訣を聞いてみた

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自分の幸せを、見つけて、育てていく——元アナウンサーの前田有紀さんに「好きを仕事に」する秘訣を聞いてみた

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一度きりの人生だから、好きなことを仕事にしたい——変化の大きな時代のなかで、働き方・生き方を模索している人は多いと思います。

元テレビ朝日アナウンサーで、株式会社スードリー代表の前田有紀さんは、会社員という安定したレールから外れ、幼い頃から好きだった「お花」を仕事にするためにフラワーブランドを立ち上げました。また、自身の体験をもとに、好きをカタチにしたいと願う人を応援する取り組み、「好きを仕事に研究会」を主催しています。

前田さんはなぜ、普通なら踏み出すのをためらってしまうような選択ができたのか。そして、どのように自分の「好きを仕事に」してきたのか。自分らしい働き方・生き方に近づくひとつの方法として、好きを仕事にするための考え方と、具体的なステップを聞きました。

暮らしにお花を取り入れ、豊かさを感じられる人を増やしたい

暮らしにお花を取り入れ、豊かさを感じられる人を増やしたい

——まず、前田さんのお仕事について教えてください。

現在は「gui(グイ)」と「NUR(ヌア)」という2つのフラワーブランドを運営しています。guiは、お花と触れ合える「タッチポイント」を増やしたいという思いのもと、ポップアップや移動販売を中心に活動しているブランドです。2021年にはNURを立ち上げました。NURはお客様みずから好みや暮らしに寄り添うお花・花瓶を選ぶ「オンリーワンの体験」を提供する、神宮前のお店です。

——お花をもっと身近に感じたり、お花選びを楽しんでもらえるような体験を届けているんですね。

そうですね。どちらのブランドの根本にも、「花の裾野を広げたい」という思いがあります。そう考えるきっかけのひとつは、独立前に修行していた花屋で、お子様向けのワークショップの先生をやっていた時のこと。参加してくれたお子さんの多くが、土やお花を触ったことがないのを知ったんです。

私もそうでしたが、親としては、売られているお花に子どもが触ろうとしたら「だめだよ」って言っちゃうじゃないですか。でも、花びらに触ったり茎の感触を肌で感じたりしたほうが、お花のことを知れます。小さい頃にお花に触れることは、「自然や地球環境を大事に思う気持ち」につながるかもしれない。そんな考えから、気軽にお花を触ったり、深く知れたりする場所を作ろうと思いました。

私の夢は、私がおばあちゃんになった時に、「都会で暮らすみんなが、花のある暮らしを楽しんでいる姿」を見ることです。取り組んでいる一つひとつの活動が、その夢に繋がっていたらいいなと思っています。

きっかけは、24時間スーパーのレジ横にあった「一輪の花」

きっかけは、24時間スーパーのレジ横にあった「一輪の花」

——素敵な夢を教えていただき、ありがとうございます。それでは、少しずつキャリアのお話に移っていきたいと思います。前田さんは小さい頃から花屋を目指していたのでしょうか。

自然は大好きでしたが、「花屋になりたい」とまでは思っていなかったと思います。就活の時もやりたいことが明確ではなく、テレビ業界で働いていた姉から「テレビ局には365日同じ日がなくて、毎日が刺激的だよ」と勧められ、好奇心から入社することを決めました。

アナウンサーになって最初の頃は、周りに恩返しするために働くことで必死でした。というのも、原稿を読むのがそこまで得意じゃなくて、研修期間から先輩方や番組スタッフの方に迷惑をかけてしまうことが多かったんです。その恩返しのために、番組の中で与えられた役割をしっかりこなしていくことに集中していました。

5年くらい経った頃でしょうか、仕事に慣れてきたタイミングで、ふと「自分の喜びってなんだろう」と考えるようになったんです。少しずつ皆さんへの恩返しができるようになれた気がしていて、視野が広がったからだと思います。

また、アスリートや芸人の方など、好きなことを仕事にされている方の取材をすることが多く、みなさんのキラキラした目に憧れていました。そんな姿を見て、「自分も、心から好きと思えることを仕事にしたい」と思うように。退職を意識し始めたのはその辺りからです。

きっかけは、24時間スーパーのレジ横にあった「一輪の花」_2

——それから、自分自身の「好き」を探し始めたんですね。

最初は自分の好きなことがわからなかったので、興味があることになんでも挑戦してみました。ヨガをやってみたり料理教室に通ってみたり、仕事以外の時間を使って、いろいろと体験したんです。

もともと好きだったお花に、改めて興味を持つようになったのも、その頃。仕事終わりの深夜、24時間営業のスーパーで食材を買っていると、レジ横で販売されていた「一輪のお花」が気になり、買って帰ることに。家の中に飾ってみると、すごくホッとして、仕事の疲れが癒されたんです。それから徐々に、買う回数や本数が増え、花のある暮らしが充実していきました。

挑戦して辞めてしまったものもありますが、お花に関してはどんどん好きな気持ちが溢れてとまらなくて。これだけ好きなら「お花に関わる仕事をしよう」と決めました。

もちろん、退職して会社員としてのレールから外れてしまうことへの不安もありました。でも、「人生一度きりなら、好きなことを仕事にして輝いている自分を見てみたい」という気持ちが、その不安を上回ったんです。

「年齢」や「見られ方」は関係ない。自分次第で人は変われる

「年齢」や「見られ方」は関係ない。自分次第で人は変われる

——その後、植物や庭の勉強をするためにイギリスに留学。帰国後は東京の花屋で3年間ほど修行をされたと伺っています。初めてのお仕事に戸惑いはありませんでしたか?

たくさんありましたよ。レジの打ち方や配達の仕方、お花を梱包する方法などわからないことばかりでしたから。アナウンサーとしていろんな取材をしてきたので、世の中のことを知っているつもりになっていましたが、それは間違いでした。

それに、テレビの世界にいた頃と比べて、花屋の修業を始めてからは、身につけるもののセレクトも雰囲気もかなり変わっていたと思います。アナウンサー時代はメイクさんにヘアセットしてもらって、指先まで綺麗にしていなければ、という気持ちでいたんです。しかし、特に店頭に立つ花屋の現場では、冬場はお花のリースを作る手はあかぎれがよくでていましたし、庭の作業もあったので土で汚れることもよくありました。周りの人からは「前職の時のほうが綺麗でいいのに」と思われていたかもしれません。

でも、自分では「今のほうが、好きなことをやれてて幸せ」と感じていたんです。見た目や人からどう見えるかは関係なくて、「自分の中に幸せはあるんだな」って。それを見つけて育てることが大事なんだと気づきました。

——「自分自身の幸せを、見つけて、育てていく」ことが、自分らしい働き方・生き方を実現するポイントなんですね。修行を終えられた前田さんは、2018年に「gui」を立ち上げ、経営にも挑戦し始めましたが、今の生活はいかがですか?

毎日、「今日はこんなに面白い打ち合わせがある」「市場でどんなお花と出会えるかな」と、ワクワクした気持ちで過ごしています。本当に好きなことができている実感があって、どんな仕事も前のめりに取り組めているんです。

もちろん、経営をするうえで大変だと感じることもあります。数字があまり得意じゃないので、決算とかはバタバタしちゃう(笑)。でも、それも会社員を飛び出したからこそできる経験です。苦手なことをそのままにしておくのではなく、きちんと向き合って少しずつ解決していく過程も、私は楽しいと思えています。

30代後半で起業しましたが、そのおかげで「何かに挑戦することに年齢は関係ない」と思えるようになりました。人はいつだってチャレンジできますし、学ぶこともできます。人生の舵を切ることだってできるんです。自分次第で人生を変えていく力を、誰もが持っていると思っています。

自分の「好き」を集めて、小さく始めてみることから

自分の「好き」を集めて、小さく始めてみることから

——好きな仕事をして、ワクワクした毎日を送りたいと思っている人は多いと思います。どうすれば、そうした働き方・生き方に近づけると思いますか?

すごく当たり前のことを言ってしまうんですが、まずは「自分を知ること」が大事だと思っています。忙しく過ぎてしまう日常のなかで、ふと立ち止まり、自分がどんな1日を過ごしているのかを振り返ったり、「何をしている時が楽しいのか」を見つけたりするのがおすすめです。

私もアナウンサー時代の後半は、そうしていました。毎晩、日記にその日起きたことを書いて、素敵だと思ったことや、やってみたいと思ったことを分析したんです。そうやって、徐々に、自分の「好き」を集めてみるのが最初のステップだと思います。

——書いてみることで「好き」に気づきやすいかもしれませんね。「好き」が見つかったとして、その後はどんなステップで進んでいくといいでしょうか。

「やりたいことを口にしてみる」ことが大切です。やりたいことがぼんやりしていても、人に話すことでより明確になったり、自分の気持ちが強くなったりします。

そのうえで、「小さく始めてみる」のはどうでしょう。週末のお休み、家事や育児、学業の合間、寝る前の時間などに、少しだけでも取り組んでみるのがいいと思います。タイミーさんのようなサービスも活用できそうですね。小さく始めてみて、好きな気持ちがどんどん広がっていったら仕事にしてみる。自分にあったペースとリズムで、取り組むのが一番だと思います。

——タイミーワーカーさんの中には、タイミーでの仕事を通じて、夢や目標を叶えようとしている方がたくさんいるんです。

素敵だと思います。新しい環境に飛び込むと、必ず新しい経験や人との出会いがありますよね。それが自分の視野を広げたり、成長させたりしてくれます。フットワーク軽く、いろんなお仕事が経験できると、「好き」も見つけやすそうですし。ぜひ、先々での出会いを大切にしてもらえたらなと思います。

自分の「好き」を集めて、小さく始めてみることから_2

(写真:小園井和生)

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/media/タイミーラボ編集部
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