私のタイミー生活

「僕は不器用だから、一つひとつ自分なりのやり方で学んできた」“習慣化の天才”サバンナ八木さんから、物事を継続する秘訣を聞く

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「僕は不器用だから、一つひとつ自分なりのやり方で学んできた」“習慣化の天才”サバンナ八木さんから、物事を継続する秘訣を聞く

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新年度のスタートは、新しい習慣を始めるにはぴったりなタイミング。「継続は力なり」というように、コツコツと続ける努力によって人生の可能性は広がっていきます。しかし、勢いよくなにかを始めたはいいものの、うまく続けられなかったという経験は誰にでもあるのではないでしょうか?

そこで、今回はお笑い芸人、サバンナの八木真澄さん(吉本興業所属公式X公式Instagram)にお話を聞いてみることにしました。というのも、実は八木さんは「習慣化の天才」なんです。毎日の日記や筋トレ、イラストの制作、小説の執筆、そしてファイナンシャルプランナー資格の勉強まで、さまざまなものを習慣にし、それらの多くが仕事にもつながっています。

なぜ、八木さんは物事を継続したり、習慣をうまく身につけたりできるのでしょう。その答えを探っていくと、テレビで見ていた印象とはいい意味で違う、八木さんの一面を知ることができました。

タイミーは芸人に精神的な安定をくれるアプリ

——最初に、八木さんがタイミーのアプリをダウンロードしたことがあると伺ったのですが本当ですか?

たしか大阪の番組に出演した際にタイミーを知って、「これはいいじゃん」とアプリをダウンロードしました。まだ利用したことはないですが、いつでも好きな時間に働ける手段があるのは、精神衛生上とってもいいです。

芸人の仕事に安定はないですからね。レギュラー番組が10本ある人でも、1年後にはゼロになっている可能性もある。毎日同じルーティンで仕事ができる世界ではありません。だから、売れてる芸人のなかにも、保険として元々働いていたアルバイト先に籍を置いておく人もいるんです。

——八木さんもキャリアのなかで、仕事量の増減はありましたか?

めちゃくちゃありますよ。大学時代にいまの相方とコンビを組んで、最初はかなり順調でした。20歳のころには大阪でレギュラー番組も持っていました。

でも、25歳で一度仕事がゼロに。よく出番をもらっていた2丁目劇場が潰れてしまったんです。しょうがないから、野生爆弾のくーちゃん(くっきー!)と、一緒にカラオケボックスでアルバイトしていましたよ(笑)。

タイミーは芸人に精神的な安定をくれるアプリ

その後、30歳くらいで2回目のきつい時期が。笑い飯、麒麟、千鳥といった大阪の若手芸人ブームが来て、僕らには全然お客さんがつかなくなったんです。

——逆に、一番忙しかったのはいつですか?

34歳から37歳の3年間ですね。東京のゴールデン番組に若手枠として呼んでもらうことが増えて、東京と大阪を行ったり来たりする生活をしていました。

たとえばある週のスケジュールは、金曜日の日中に東京で仕事をして、夜にはラジオ収録のために大阪に戻る。ラジオが終わるのが深夜2時で、次の日の仕事は朝8時から。家にはちょっとしか滞在できず、朝から生放送と劇場の出番を2回やって、その夜の終電で東京に。次の日に収録を終えたら、また大阪に帰る。そんな生活が3年間続きました。

その後は、相方だけ仕事に呼ばれるようになって、僕はまた苦しい時期が続いたんですけどね(笑)。芸人の場合、呼んでもらえなければ働けませんから、やっぱりタイミーみたいに自分から申し込んでスキマ時間に働けるのはいいですよ。

晩酌を楽しみに、365日同じルーティンをこなす八木さん

——八木さんと言えば筋肉のイメージがありますよね、昔から鍛えていたんですか?

そうですね。ただ、もともと筋肉を鍛え始めたのはお笑いのためではないです。中学1年生のときに太っていた自分を変えたくて、筋トレを始めました。2年くらい鍛えると結構いい身体になってきて。それからもう37年間、毎日欠かさず筋トレをしています。

——37年の継続ってすごい!他にも、ずっと続けてきたことはありますか?

17歳から、食べたものの記録を毎日つけています。記録をつけることで、なんとなく食事量や栄養摂取量を計算しているんです。日記も同じように17歳からつけています。1日1日をリセットするように、毎日起きた出来事を書くんです。

もっと言えば、僕は1日のルーティンを全部決めています。朝起きたらご先祖様にお祈りをしてから日記を書く。その後、SHOWROOMで生配信をしながら絵を描いています。

コツコツと描いてきた未確認生物の絵は、レイザーラモンHGにデザインしてもらう形で、『未確認生物図鑑』(ヨシモトブックス、2024年)として先日出版されました。

未確認生物図鑑

配信を終えたら、エッセイを書く時間です。いま2冊の本を書いていて、1冊は7月に出版が決まっています。もう1冊は、まだ引き合いがないのですが、いつか出版社の目に留まったらいいな、と思いながら書いているんです。

本を書いた後は、トレーニングとファイナンシャルプラナー(FP)の勉強をします。トレーニングはだいたい40〜60分。勉強は、仕事の有無によって15分〜6時間やっています。

——これを仕事の前に毎日やっているんですか......。継続するためにしている工夫を教えてください。

1日の最後に一番楽しい時間を用意することですね。僕の場合は美味しくお酒を飲むこと。朝のルーティンをしっかりとやって、夜8時か9時には勉強と仕事を終わらせて、それ以降は持ち越さない。夜はどれだけ美味しいお酒を飲めるかだけ考えています(笑)。

毎晩、強力なご褒美を脳にあげることで、毎日頑張れるんですよね。仕事が大変だったとしても、ご褒美によって脳が「これは楽しいことなんだ」と記憶してくれるから、次のときも頑張れる。僕は365日、それを繰り返しているんです。

「なにかの目標のために継続しているわけではない」

——毎晩ご褒美がもらえるなら頑張れるかもしれない。他にも工夫はありますか?

継続という意味で大事だと思うのは「目標を持たないこと」ですね。僕、FPの勉強はしているんですが、実は「資格がどうしても取りたい」というモチベーションはないんです。

資格が取れるほど勉強できるってことは、お笑いの仕事があまりできていないということですからね(笑)。取れたら取れたでいいし、取れなかったらお笑いができているということだから、それもいい。テスト直前に時間を増やしたりすることもなければ、テスト後に自己採点をしたりもしない。テストの結果もほぼ無視しています。

——目標があるから続けられるわけではないんですか?

今ルーティンになっているものは、まったく目標を置いてないですね。たとえば、未確認生物のイラストも、なんとなく「出版できたらいいな」とは思っていたけれど、別にそのために描いていたわけではありません。

「なにかの目標のために継続しているわけではない」

これは僕の考えなんですが、目標を達成したいってことは、成果や結果という美味しい果実がほしいということですよね。美味しい果実を食べて満足したいから、なにかをする。それって、そのなにか自体のことを純粋に好きなわけではないのだと思うんです。

勉強にせよ筋トレにせよ、それ自体を本当に好きで追求している人たちは、結果がほしいわけではないと思います。やりたいからやっているだけ。僕が勉強をするのはテストに合格したいからではなく、単純にFPの知識を学びたいからです。

ただ、目標を設定しない代わりに1日の“強度”は設定しています。1日の勉強が終わった時に、頭が8割くらい疲れていたらOK。これを毎日繰り返すだけです。

毎日エッセイを書き続けて8年。初めてトークで笑いをとる

——継続のコツはわかりましたが、そもそもなぜ、八木さんはこんなにいろんなことを継続するようになったんですか?

それは僕があまりにも不器用だからなんですよ。一度に複数のことが考えられなくて、小学生のときなんて、授業でわからない話が一つ出てくるだけで、授業にまったく付いていけなくなっていました。

だから、小学校6年生のときに勉強のやり方を変えたんです。授業の進み具合は無視して、テキストを1ページ目から自分のペースで読んでいくことに。そうしたら成績がグッと上がりました。

お笑いも同じです。トーク力が異常に低かったため、まず国語力をつけないとと思って、30歳のときから毎日携帯小説やエッセイを書くようになりました。それを数年続けていたら、文章に慣れてきて、次第に話しの尺まで合わせられるようになりました。

国語力も高まったので、どんな構成で話したら笑いが取れるかも、なんとなくわかってきたんです。そして、文章を書き始めてから8年、芸人を始めてから約20年、38歳のときに初めてトークで人を笑わせることができました。

僕はそうやって、一つひとつ自分のなかでゆっくり組み立てながら、いろんなことを習得してきました。だから、決して継続が得意だったわけではなく、不器用だから継続しなければいけなかっただけなんです。

毎日エッセイを書き続けて8年。初めてトークで笑いをとる

——必要性があったということですが、それでも長い時間一つのことに取り組むのはすごいことだと思います。

極真空手の創始者 大山倍達総裁の言葉に「千日をもって初心とし万日をもって極みとする」というものがあります。何事もスタートラインに立つだけで3年間かかり、極めるには30年かかるという意味です。

それくらい長い時間軸で取り組もうという気持ちを、なにに対しても持っています。逆に言えば、それだけ長いあいだ真剣に打ち込めば、いろんなことが極められると思っているんです。

完璧主義を捨てて、物足りないくらいで抑えるのが継続のコツ

——なにに取り組むかはどう決めているんですか?

とある本から学んだのですが、僕たちがやっている行動は「緊急で重要」「緊急で重要じゃない」「緊急じゃなくて重要」「緊急じゃなくて重要じゃない」の4つに分類されるそう。たとえば、1時間後の会議の準備は「緊急で重要」、将来の健康のための筋トレは「緊急じゃなくて重要」です。

「緊急で重要」なものは放っておいてもやるでしょうから、結局は「緊急じゃなくて重要」なものをどれだけ継続できるかが大切。緊急じゃないから期日もなく、自分の意思で続けないといけないから難しいんですけどね。でも、習慣化さえしてしまえば、あまり意識しないで続けることができます。

自分にとって「緊急じゃなくて重要」なことを、10年間コツコツ積み重ねられたら、僕がトークで笑いが取れるようになったように、人生の可能性は広がっていくと思います。

展示会開催八木さんの未確認生物を描く趣味は、いつの間にか展示会開催にまで発展した
(写真は吉本興業でのサンプル展示)

——最後に、なにか物事を継続したい人、習慣作りにチャレンジしたい人にアドバイスをお願いします。

完璧主義を捨てることが大事だと思います。ジムをすぐに辞める人って、大体頑張りすぎる人なんですよ。1日目から高い負荷をかけすぎて、次の日にはもう行きたくなくなっている。継続させるためには、もっと手を抜いて、物足りないくらいで抑えるのがコツ。ベットから動けないくらい体調が悪い日も、手を少しの時間上に持ち上げたら「筋トレが継続できた」と思えばいいんですよ。

それと、やっぱり取り組みたい物自体が好きじゃなければ続かないと思います。自分にとってどれだけそれが必要かですよね。僕は不器用だったから、コツコツ勉強しなければならなかったけれど、器用な人はその必要がない。僕から見れば、継続できない人っていうのは、その物事を好きではないか、続ける必要性がないくらい他のことが優れている人なんです。

だから、継続ができないことで自己否定する必要はありません。続けることが偉いとも思わないです。ただ、自分の人生にとって、「緊急じゃないけれど重要なもの」に関して、それが本当にやりたいことならば、僕の話を少し思い出して習慣化に挑戦してみてもらえたら嬉しいです。

未確認生物図鑑 (ヨシモトブックス)』 はこちら

(取材・執筆:佐藤史紹、撮影:髙橋亘、編集:齋藤裕美子)

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/media/タイミーラボ編集部
タイミーラボ編集部

タイミーラボは、株式会社タイミーによるオウンドメディアです。

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