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タイミーでは様々な業界のお仕事が掲載されていますが、中でもフィットネスクラブスタッフやプール監視員の求人が急増しています。
しかし、「知識がないから不安」「自分でもできるのかな」と一歩踏み出せない方もいるのではないでしょうか。
そこでタイミーは、株式会社hacomonoと連携し、2024年6月28日に「CPR・AED安全講習」を開催しました。1日限定の初回開催にも関わらずなんと予定人数を大幅に上回る申し込み(※先着順)をいただいた人気講習となりました!
講習内容のレポートはもちろん、受講者のインタビューも紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
「CPR・AED安全講習」実施の背景
CPR(Cardiopulmonary Resuscitation)とは、「心肺蘇生」のこと。呼吸・心臓が停止したとみられる人に対して、胸骨圧迫や人工呼吸によって、心臓と呼吸の動きを助ける方法です。そして、AED(Automated External Defibrillator)とは自動体外式除細動器のこと。血液を全身に流すポンプの機能が失われた心臓に対し、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器を指します。2014年より医療従事者だけではなく一般人も取り扱えるようになりました。
経済産業省の調査によると、健康意識の高まりや高齢化などの影響から、2015年以降フィットネス利用者数が増え続け、2023年では前年比3.5%増となっています。一方で、フィットネス市場で働く従業員やトレーナーは減少傾向にあり、2023年の正社員とパート・アルバイトを合わせた従業員数は前年比-0.4%と人材不足が深刻です。(参考:経済産業省『特定サービス産業動態統計調査』)
そこで、タイミーは株式会社hacomonoと協同し、フィットネスクラブやプール施設で利用者が安心・安全に運動ができるようにするための「CPR」と「AED」の基礎知識や技能を身につける研修の開催に至りました。本講習を受講することで、フィットネスクラブやプール監視員としてのお仕事に挑戦でき、仕事の幅が広がります。
タイミーワーカー対象の「CPR・AED安全講習」に潜入!
本日の講習会場は、hacomonoの本社です。実体験を交えたオリジナルプログラムは、CPR&AED安全講習修了者であり、長年フィットネス業界に従事していた講師陣によって作成されました。
座学講習
最初になぜ応急処置が必要なのか、その重要性について講義がありました。
心臓突然死で亡くなる方は、1年間に6万人いるという事実に受講者から驚きの声が上がりました。さらに、近年救急出勤数が約763万件(前年比40万件増)、救急車到着時間が約10.3分(前年比50秒増)と年々過去最多を更新しており、いかにその場での迅速な応急処置が必要なのかがわかります。
実際、心臓と呼吸が止まってから、居合わせた人が救命処置を行った場合と何もしない場合とで、救命率(命が助かる可能性)は約2倍も違うことがわかり、一般人でも応急手当の正しい理解と実践が重要であることを理解できました。
この他、AEDを使う目的、救急車到着までに行っておくこと、救急蘇生法の手順などを学びます。
例えば、心臓マッサージ(胸骨圧迫)は「成人の場合、5センチ以上の深さで押す」「少なくとも毎分100回の速さで行う」「肘を曲げずに固定したまま」「押すだけでなく、戻すことを意識することで、心臓のポンプ機能の役割になる」など、ドラマなどでしかみたことがなかった胸骨圧迫の正しいやり方を学ぶことができました。
実技講習
救命処置の重要性を深く理解したら、次は実技講習です。まずは講師の先生から一通りの流れと注意すべきポイントをレクチャーしてもらいました。
▼ 動画で一部ご紹介
そのあとは、チームに分かれ、救急蘇生法の手順を体験していきます。
倒れた人を見つけたら、鎖骨あたりを叩きながら「大丈夫ですか?」と呼びかけます。3回ほど徐々に大きい声を出していくのがポイントです。
胸骨圧迫をするときは、肘を真っ直ぐ固定したまま、垂直に体重をかけ、深さ5センチ(成人の場合)を意識して押し込みます。
片方の手のひらを握るように押すことが良いそうです。1分間に100回程度のテンポで強く速く胸を押します。想像以上に体力を使います。
AEDを持ってきてもらったら、胸骨圧迫をしながら除細動パットを体に貼っていきます。心臓を挟むように脇腹と鎖骨下に貼るのがポイント。パットを貼る場所はわかりやすく記載されているため、初めての人でも安心です。
パットを貼ったら、機械の指示に従います。電気ショックのボタンを押す際は、「電気ショックが必要です。離れてください!」と周りの人に呼びかけなければなりません。
電気ショックを与えたあとは、また胸骨圧迫を行います。
一通りの流れができたら、「お疲れさま!」と拍手で称え合います。講師からアドバイスをもらいました。
全員が数回挑戦することで、体が自然と動くまでになりました。
最後に外傷処置の仕方を学び、簡単な確認テストを受けて講習は終了です。
フィットネスクラブはもちろん、これからの夏休みシーズンは特に、レジャー施設やホテルのプールでも監視員のお仕事がタイミーの中でも増えていきます。本安全講習での経験を活かして、フィットネスやプールでのお仕事にチャレンジしてみていただきたいです。
ワーカーさんに直撃「講習を受けてどうでしたか?」
講習に参加していた2人のワーカーさんに、参加のきっかけや感想をお伺いしました。
——今回「CPR&AED安全講習」に申し込んだ理由について教えてください。
- Hさん
- 私は普段デザインの仕事をしているのですが、タイミーでこの講習を知った時に、「受けておいたほうがいいだろう」と思って申し込んでみました。
- Sさん
- 学校で習ったことはあったのですが、なんとなくしか覚えてなくて。せっかくの機会だし、仕事にも活用できるのかと思って申し込みました。
——講習を受けてどうでしたか? 印象に残っていることがあれば教えてください。
- Hさん
- 1年に6万人の方が突然の心臓停止で亡くなっているという事実に驚きました。この講習を受けて、改めてCPRやAEDの重要性について理解が深まったと思います。
- Sさん
- AEDとか実際に触ったことがなかったので、講習に来る前は「自分にできるかな」と不安でした。心臓マッサージとか素人がしてもいいのかな?って。でも、実技を交えて詳しく教えてくださったので、今後何かあったときは率先してできるような気がします。
- Hさん
- 胸骨圧迫は「5センチ押す」「1分に100回のテンポ」など具体的なポイントを知れたのがよかったですよね。
- Sさん
- 救助の流れをチェックシートにまとめていただいたのも助かりました。
——今回の講習をどのように活かしたいですか?
- Hさん
- 最初は興味本位で参加してみたのですが、人命救助の知識を得ることで仕事の範囲が増えると実感しました。怖気づかずに何事にも挑戦していきたいです。
- Sさん
- 今回講習に参加したことで、応急処置の重要性を深く理解できました。これからはちょっとの勇気を持って頑張ってみようと思います。
「もっと身近に感じてもらえたら」 hacomono社インタビュー
最後に、講習実施に至った背景や感想について、株式会社hacomono 新商品PoCチーム 横溝 導章さんと、第1カスタマーサクセス部 第1グループの吉田 宗介さんにお話を伺いました。
——今回、講習実施に至った背景・理由はなんだったのでしょうか。
横溝さん:
講習の中でもお話ししましたが、近年の健康志向や高齢化の影響もあって、フィットネスニーズは高まっていく一方、そこで働く人たちの減少が大きな課題でした。
私たちは、「hacomono」の提供によって、スタッフ業務のデジタル化を促進し、フィットネス業界の成長を後押ししてきた会社です。業界の人員課題に対して何かできることはないかと考えていたときに、タイミーさんが介護やフォークリフトの研修を開催していることを知り、コラボレーションの可能性を感じました。
吉田さん:
タイミーには、若い方を中心に幅広い方が登録されています。少しでも多くの方に、この業界に興味を持っていただくきっかけになればと思いました。人の健康に関わる仕事ですから、ハードルがあるのかもしれませんが、まずは経験してもらうことが大切だと。
——実際に講習を行って、感触はいかがですか?
吉田さん:
横溝とも話していたのですが、本当に幅広い年齢かつ、バックボーンをお持ちの方にお集まりいただいて、びっくりしました。募集開始後、すぐに定員が埋まったと聞いていたのですが、ここまで多くの方に興味を持っていただいているのだと、嬉しくなりましたね。
参加者の皆さんからは「積極的に取り組もう」という意欲を感じられ、こちらも励みになりました。
横溝さん:
実技研修でも、参加者同士がフォローし合い、褒め合いながら取り組んでいて、良い時間だったと思います。たくさん質問していただきましたし、私たちも良い刺激をいただくことができました。
——最後に、ワーカーさんへ期待することをお聞かせください。
吉田さん:
ウェルネス業界で働く場合、「大変そう」「資格が必要」というイメージがあり、なかなか一歩を踏み出せない方も多いと思います。この安全講習会をきっかけに、フィットネスやプールで働いてみたり、子供たちに教えることができたり……と、さまざまな可能性を広げていただけたら嬉しいです。実際、少しでも働くことに興味を感じていただけたようで講習を実施した甲斐がありました。
横溝さん:
「安全講習を受けています」「AED使えます」という方が増えれば、店舗側でも安心して受け入れることができますからね。
私たちはフィットネス・プールなど、ウェルネス業界を盛り上げていくことを使命に掲げています。決済システムだけではなく、人員確保といった業界課題に対してできることに挑戦し続けたい。これからもタイミーと協業しながら、フィットネス企業・働き手双方に新しい価値を生み出していきたいです。
- 取材ご協力先
- 株式会社hacomono
「ウェルネス産業を、新次元へ。」をミッションに、フィットネスクラブ /公共運動施設 / スイミングスクール・ダンススクールなどのスクール業態に特化した会員管理・予約・キャッシュレス決済システム「hacomono」を開発・販売するバーティカルSaaS。
- タイミーラボ編集部
タイミーラボは、株式会社タイミーによるオウンドメディアです。
https://lab.timee.co.jp/