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スキマ時間を活用して働くスポットワークは、収入を得るだけではなく、新たな仕事や人と出会い、ご自身の経験やスキルの幅を広げるチャンスです。
とはいえ「業界経験が無いと働けないのかな?」「昔働いていたけどブランクがあるので、今働けるか不安」など、一歩踏み出せない方もいるのではないでしょうか。とくにレジのスキマバイトは、お客様のお金を預かる重要なお仕事。いくら経験者とはいえ、はじめて勤務するときの不安も大きいものです。
この記事では、すぐに現場で活躍できるよう研修を充実させている企業様の取り組みをご紹介します。密着したのは「ファミリーマートレジ研修会」。研修後には参加者・講師それぞれの感想や本取り組みについての狙いを伺いました。
※写真撮影の時のみマスクを外し、研修・インタビューはマスクを着用し感染対策をした上で実施しております。
※「ファミリーマート研修会」はエリア、時期共に不定期開催となり、開催を終了とさせていただく場合がございます。
レジと接客の基礎を学ぶ、3時間の研修
レジの操作や接客の基本を学ぶことができる、ファミリーマート レジ研修会。2022年9月より九州エリア、四国エリアで実施しており、11月から東京エリアでも開催されています。
ユニフォーム着用
会場に入ってまず驚いたのは、ファミリーマートのユニフォームが用意されていたこと。「たった3時間の研修とはいえ、ファミリーマートのスタッフとして参加してほしい」という会社の気持ちが伝わってきました。腕を通すと気持ちが引き締まります。
ユニフォームに着替えると早速研修がスタート。この日、研修を担当したのは、トレーナー歴約6年の鈴木さん。ファミリーマートではスタッフに対して定期的に研修を行っており、今までに何千人ものスタッフを育成してきたベテラントレーナーです。
コンビニで働くとは? —仕事のスタンス—
「コンビニの仕事ってどんな仕事だと思う?」
初めに学ぶのは、ファミリーマートで働く時の心構えや挨拶、身だしなみについて。受講者に質問しながら理解を深めていきます。
コンビニでの仕事とは、お店にいらっしゃるすべての方を喜ばせること。たとえ1日限りのスキマバイトだったとしても、ユニフォームを着用した瞬間から「ファミリーマートの店員」であることを意識し、おもてなしの気持ちを持ってお客様と接しなければならないことを学びます。そのため、最初に気をつけるべきはまず身だしなみ。お客様から見られているという意識を持ち、清潔感を維持することが大切であると説明されます。ユニフォームには怪我から身を守る意味もあることも知り、改めてその重要性を実感しました。
挨拶の練習
挨拶ひとつとっても、覚えることはたくさんあります。お店に入ったお客様に対する「いらっしゃいませ」と、レジにいらしたお客様に対する「いらっしゃいませ」では声の大きさを変えること。近距離のレジで大きな声を出してしまうとお客様がびっくりしてしまうからです。店舗にご来店いただいたことへの感謝の気持ちをこめ、ハキハキとお腹から声を出すことを意識しながら、実際のシーンを想定しながら複数回練習します。
レジの操作・支払い方法
続いて、レジの基本操作や注意点について学びます。バーコードスキャンやタッチパネル登録など、さまざまな操作方法があるため、一つひとつやってみながら理解を深めていきます。
ここでは、各種決済サービスの処理方法や収納代行(商品やサービス品などの代金をコンビニエンスストアで支払うことができる決済サービス)のやり方なども教えてもらいます。
講師1人に対して小人数の受講生の研修になるため、わからないことがあればその都度確認することが可能。実際にレジに触ってみることで、仕事をする際のイメージが湧きやすくなります。
ロールプレイングで、実際に起こりそうな状況を体験
商品の袋詰め
一度休憩を挟み、次に商品の袋詰めや電子レンジでの温め方法について学びます。袋一つとっても、商品に合わせたさまざまなサイズの袋に、温め用の袋、ファミマカフェ用の紙袋など種類が多様。商品は重いものから詰めていくこと、お箸等、詰め方のコツも交えながらわかりやすく説明してくれます。
またこのタイミングで、お酒やタバコの販売についてもレクチャーしてもらいます。20歳未満の方にに販売してしまった場合(タバコの場合は年齢確認を行った場合も)、50万円以下の罰金を科される可能性があるため、年齢確認することの重要性をしっかり学びます。
接客のロールプレイング
コンビニ業務を一通り学んだら、あとはお客様に接した際に慌てないよう、練習あるのみ!「本人確認せずにお酒を売って欲しいと言われた場合は?」「クレジットとポイントを併用したいときは?」など、さまざまなパターンを想定してロールプレイングを実施していきます。
実店舗勤務の申し込み
早速習ったことを実践するために、タイミーで実際の店舗に申し込みます。
「研修を受けてからすぐに店舗で働くの?」と心配しなくても大丈夫です。研修でどこまで理解したか、何ができるようになったかをチェックシートに入力。その内容を、ワーカーさんが実際に働く店舗に伝えるため、店長さんは本人の理解度を把握した上で、仕事をお任せするので安心してください。
これで、全3時間のプログラムはすべて終了。いつも通りQRコード(※)を読み取って退勤します。
※QRコードはデンソーウェーブの登録商標です
ワーカーさんを直撃!研修を受けてみての感想
今回、研修に参加されたタイミーワーカーの高橋さんにお話を伺いました。
——なぜ、ファミリーマートのレジ研修会に申し込まれたのですか?
日々タイミーで仕事を探していると、ファミリーマートの募集が多いことに気付いたんです。でも、就労経験がなかったので応募することができませんでした。研修会に参加してファミリーマートでも働くことができたら、今以上にスキマ時間を活用できますし、仕事の幅も広がるのではないかと思ったのがきっかけです。
——研修を受けてみていかがでしたか?
今回は講師の方と1対1の研修だったため、最初は緊張しました(笑)。でも、講師の方が私の理解度に合わせて進めてくださったので助かりました。
他のコンビニエンスストアで就労経験があってもレジの機能は全く違うので、本物のレジを触りながらわからない部分を質問することができたのはありがたかったです。多くの受講者の中だと気が引けてしまって聞きたいことも聞けないかもしれませんから。
——今回の研修は、今後コンビニで勤務される際に役立ちますでしょうか?
はい。あらかじめ実際に店舗で起こりうるトラブルに関しても、対処方法を教えてくださったので気持ちに余裕が生まれました。
次に働く店舗を選ぶ際も、一緒にタイミーの画面を見ながら、「ここはファミマカフェが人気で」と店舗の特徴を教えてくださるので、自分が働いているイメージをしながら勤務先を決めることができました。早く実店舗で働いて、研修で学んだ内容を実践したいです!
スキマバイトでも研修を充実させる理由とは?
スキマバイトのワーカーさんに対しても、長期で働くメンバーと同様に丁寧な研修を行うファミリーマート。研修を実施するようになった背景を、今回の研修プログラムを担当した小樋(こひ)さんと、トレーナーの鈴木(すずき)さんにお聞きしました。
——スキマバイトのワーカーさんに対しても充実した研修を行うようになった理由を教えてください。
小樋さん:
ファミリーマートでは、全国で約20万人のアルバイトスタッフが働いています。中にはご自身の体調不良やご家族の都合などで、急遽アルバイトを休まざるを得ない時が発生します。そのため、以前よりタイミーを利用させていただいていました。
しかし、利用する店長からはファミリーマート就労経験者を求める声が多く、これではお店の急な欠員に対応しきれないと感じました。また、タイミーではたくさんのワーカーが登録してくださっているからこそ、その方たちにファミリーマートでの接客の楽しさを体感していただきたいという思いがありました。そこでタイミーさんにご相談したところ、この研修のお話をいただき、挑戦してみようと思いました。
鈴木さん:
店舗側としても、本部の研修を受けた人が働きに来るとなれば、安心して活用できますよね。ファミリーマートでは元々さまざまなスタッフ研修を用意しているので、ワーカーさんに向けたプログラムを作成することは難しくありませんでした。
——実際に研修をやってみて、感触はいかがですか?
小樋さん:
最初に九州地区で実証実験を行った時は、参加者の平均満足度が4.5ポイント(5点満点中)と高く、多くの受講者がその後のファミリーマート店舗への申し込みにつながり、研修実施エリアの就業率(マッチング率)が約2割向上したんです。想像以上にワーカーさんが主体的に学んでくださり、すぐに次の現場に応募してくださることに驚いています。
鈴木さん:
「ファミリーマートで働きたい!」と意思を持って研修会に申し込んでいただくので、意欲がある方が多い印象ですね。「お金をもらって研修を受けているので、真面目に取り組もう」という意識が働くのかもしれませんね。
今後は、ワーカーさんにも店舗にも喜んでもらえるように、内容をどんどんアップデートしていきたいですね。
——研修を通して、ワーカーさんに期待することはありますか?
鈴木さん:
研修で学ぶのと現場で実践するのとでは異なる部分もあると思いますが、今日学んだことを思い出して、現場での仕事に活かしてもらえたら嬉しいです。
小樋さん:
現場での仕事を知ってもらうことで「もっとファミリーマートで働きたい」と思っていただけるきっかけになればいいですね。この研修によって「ファミリーマートでスキマバイトをする」という選択肢を与えられたのは大きいと思います。
もちろん、弊社としてはワーカーの方たちに特定のファミリーマート店舗を「おきにいり」登録していただき、その店舗で長期で働いていただけたら嬉しいです。スキマバイトをする人の中には、「働く場所や時間を自分で決めたい」「スケジュールに合わせて働きたい」といった方も多いでしょう。そういう方たちが働きたいと思った時に、ファミリーマートをすぐに思い出してもらえるような環境を、今後も作っていきたいです。
取材協力先:株式会社ファミリーマート
店舗数は、国内エリアフランチャイズ含め16,544店(2022年11月末)。
https://www.family.co.jp/
- タイミーラボ編集部
タイミーラボは、株式会社タイミーによるオウンドメディアです。
https://lab.timee.co.jp/