私のタイミー生活

最短スケジュールで夢を叶えることが、心地よいと感じていた。——マルチな才能を持つハヤカワ五味さんがたどり着いた時間の有限性

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最短スケジュールで夢を叶えることが、心地よいと感じていた。——マルチな才能を持つハヤカワ五味さんがたどり着いた時間の有限性

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時間とは、誰もが平等に与えられた資産。みずからのやりたいことを叶えてきた人は、その時間と上手に向き合い、取捨選択を繰り返しながら前進していった人でもあるかもしれません。

今回お話を聞いたハヤカワ五味さんも、きっとその一人。

高校時代から個人でアクセサリーなどの物販活動をはじめ、多摩美術大学在学中にはランジェリーブランド 『feast』を立ち上げ、その後も女性を応援する数々のサービスやブランドを生み出してきたハヤカワさん。Z世代を代表する起業家として多忙に過ごす中、SNS上では趣味であるコスプレなど自分のやりたいことも全力で楽しんでいます。

そんな彼女は、2022年に株式会社ユーグレナのサステナブルブランド戦略室ブランドマネージャーに就任。人生で初めての会社員生活を送ることになりました。

さまざまな経験を経たハヤカワさんが、これまで時間とどのように向き合い、どう変化してきたのか、伺いました。

自分の気質に合わせ、スケジュールを綿密に設定する

——公私ともに多忙なイメージのあるハヤカワさんですが、どうやってスケジュールをコントロールしてるのでしょうか?

どうやってスケジュールをコントロールしてるのでしょうか

ツールとしては、全体のスケジュール管理を「Google カレンダー」、タスクごとのチェックリストを「Google Keep」に入れていますね。

私はタスクの「重みづけ」が得意なので、緊急度や重要度を考慮してタスクの優先順位を明確にし、今週中にやらなきゃいけないことだけ対応しているんです。なので意外と手を抜けるところは手を抜いて、サボっています。

—— なるほど。物事に優先度をつけてスケジュールに落とし込んでいるからこそ、多忙な中でも多くのことを実行できているんですね。

そうかもしれません。効率よくタスクを消化していくためには、急には動き出さず、まず全体を把握する時間を作ることも大切です。例えば、私は料理をよくするのですが、大事なのは最初の5分くらいでレシピの全容を確認しておくことなんです。

だいたいの流れが分かれば「これをオーブンで焼いている間にこっちを作ろう」と他のメニューも同時並行で作ることができますよね。それをしないで突然始めると「あれ?こっちのレシピは漬け置きの時間が10分で、こっちはオーブンを温めておかなきゃいけなかった!」と、無の30分ができてしまうことがあります。

やりたいことがあると、ついすぐに取り組みたくなっちゃうけど、その前に数分でいいから「今日は何をするべきか」と俯瞰して考える時間を作ると、効率はかなり上がると思います。

—— ハヤカワさん自身も試行錯誤しながら、自分にとってベストな時間のやりくりの仕方を見つけてきたのですね。趣味に関しても、同じようにスケジュールに組み込んでいるんですか?

そうですね。私の趣味はデッドライン(締切)が決まっているものが多くて(笑)。例えばコスプレだと、月末に大きなイベントがあって、再来月に撮影が2つあって、というように先に予定が決まるんです。衣装をいつまでに完成させなきゃいけないか、いつ頃に生地を買おうかなど、それぞれ逆算してスケジュールが決まっていきます。

ただ、趣味の予定まで詰め込みすぎて気が狂いそうになる時もありますね。「1か月前の私はなんでこんな予定を入れたんだ…」って(笑)。

—— スケジュールがきっちり組まれた生活に息苦しさを感じることはないんですか?

スケジュールがきっちり組まれた生活に息苦しさを感じることはないんですか?

逆にスケジュールが決まっていないと動けないタイプなんです。

私にはこれが合っているけれど、しんどいと感じる人もきっといますよね。そもそも私、自分で自分のことを信用していないんです。やるべきことは、スケジュールに組み込んでおかないとすぐに忘れてしまうし、次にやることが決まっていないとダラダラしたり違うことを考えちゃったり。

先日パートナーがボーッとしているのを見て「何考えてたの?」と聞いたら、「何も考えてなかった」と言われて、ものすごいカルチャーショックを受けたんですよね。「本当に何も考えてないことってあるの!?」って(笑)。それくらい、常に頭の中であれこれ考えているタイプなので、落ち着かないんです。

——常に何かを考えていないと落ち着かない、好奇心の強さがハヤカワさんのスタイルに影響を与えているんですね。

私は知識欲や好奇心が人よりも強いタイプですが、疲れているとその気力もなくなってしまうので、余白時間を作ることも必要だなと今は思っています。リフレッシュしたい時は銭湯やサウナなどデジタル機器を持ち込めない場所に行って、何も身につけていない状態でゆっくり過ごすようにしていますね。

仕事に関しても、休むときはあらかじめ「休み」としてスケジュールを入れておき、仕事が入らないようにしています。

RPGを最短でクリアするという美学が、効率重視のタイムスケジュールに

—— 今のようなスケジュール管理を徹底するようになったのは、いつ頃からなのでしょうか?

受験勉強を始めた中学生の頃からですね。当時は付箋にやるべきことを一つずつ書き出して、それを組み立てながら一日のスケジュールを決めていました。例えば「タスクAは1時間」「タスクBは30分」と見積もって、優先度の高いものからスケジュール帳に並べていく感じで。

—— となると、10代の早い段階から、かなり綿密にスケジュールを組んでいたのですね。

中高一貫校に通っていたこともあり、中学生の頃から大学受験の準備をしていたんです。美術系の大学志望だったので、ペーパーテストと実技の勉強を両方する必要があるなど、周りの同級生と比べて準備することが多かったのが関係しているかもしれないですね。一週間単位である程度の予定を決めておいて、余った時間を趣味に充てていました。

今は手帳がデジタルツールになったくらいで、スケジュールを立てて生活するスタイルはこの頃からほとんど変わっていないですね。

—— そういった「時間を効率よく使う感覚」というのは、ハヤカワさんの中に元々あったのでしょうか?

時間を効率よく使う感覚

良し悪しではなく美学の話として、私にとっては何事も「効率よく進めること」の重要度が高いんです。昔からRPG(ロールプレイングゲーム)が好きなのですが、RPGって、人によってプレイスタイルがさまざまなんですよね。

私の場合は、なるべく最短でゲームをクリアすることが一番大事。ストーリーの細かい部分を楽しむよりも、とにかく「進めること」の方が優先なんです。「早く結末が知りたい!」って思ってしまう。この感覚がゲーム以外にも共通しているのかなと。

—— RPGのプレイスタイルが時間感覚の美学とつながっているとは……。でも、すごく分かりやすいです。物事を進める時、人によって何を重視するかはそれぞれですものね。

とはいえ、結果ではなく選択肢という点では、大学時代までの私の人生は7割くらいが「成り行き」だったようにも思うんです。多くの起業家が言うように「縁」や「運の良さ」が味方してくれていて、その上で私自身がRPGのように「最短で結果を出すこと」に力を注いでいたから、いろんなことに取り組んでこられたんじゃないかなって。

一方でここ数年は、行きたい方向を自分でコントロールしながら進んでいる感覚が持てるようになりました。やっと、自分で自分の人生を選択して歩んでいる感覚があります。

会社員もアルバイトも、やってみないと知らないことばかり

——「選択」といえば、ハヤカワさんは2022年の株式会社ユーグレナとのM&Aを機に、同社での会社員の道を選びましたね。個人事業主や経営者の頃と比べて時間の感覚は変わりましたか?

社内には子育て中のママさんで時短勤務の方も多くいらっしゃいますし、みんな結構定時の18時で帰るので、時間に制約がある中でいかにコミュニケーションを取って仕事を進めるかを意識するようになりました。

逆にそれまでは土日、祝日、年末年始も関係なく働いていたので、会社員になって「土日って仕事相手と連絡取れないんだ」と気づいて(笑)。社会で主流になっている生活リズムってこんな感じなんだなと学びました。

社会で主流になっている生活リズム

—— そもそも会社員という道を選んだのは何故でしょう?

これまで私は、アルバイトをしたことも、会社に勤めたこともなかったので、雇用される側や上司を持つ人の気持ちを経験してみたかった、というのが一番大きいです。

実際に自分で経験してみないと、想像することしかできなくて。そんなことを考えていた頃、ユーグレナに声をかけてもらったので「ぜひ!」と会社員になりました。

—— ハヤカワさんは以前からSNSにて「タイミーでアルバイトをしてみたい」と投稿されていましたが、それも同じ理由なのでしょうか?

まさにそうなんです! 3年くらい前から、タイミーを使ってみたいということは何度か投稿していて。

飲食店のバイトをしてみたいとずっと思っています。友達や知り合いを呼んで「五味ちゃん食堂」というイベントを定期的に開催するくらい料理が好きなので、飲食店のバイトで大量のごはんを作ってみたいです!

あとは、接客のバイトもしてみたいですね。

—— 接客のバイトはなぜですか?

大人になるにつれて、仕事で使いものにならなくて怒られる経験ってどんどん少なくなるじゃないですか。私はその驕り(おごり)が怖いなと思っていて、だから年下の人に怒られて挫折してみたいです(笑)。

定期的にタイミーのアプリは開いてるんですけど、実際はなかなか自分の殻を破れてなくて。やっぱり未経験だと迷惑をかけてしまうこともあるかな……という風に、あれこれ考えているうちにタイミングを逃し続けてしまっているんですよね。

――でも、本当に通用しなかったらって考えるとなかなか怖いですよね(笑)。

話しながら思いついたんですが、シニア層の方々と一緒に働けるアルバイトもしてみたいです。今まで「若い世代のマーケティング」の仕事を多くしてきたけど、個人的にはシニア層の方々にも興味があるんです。アルバイトって、自分にとって新しい環境を経験するいい機会でもありそうですよね。

それに、タイミーのようなスキマバイトで不意に手に入れた数千円って、特別な嬉しさがありそう。無駄遣いしても罪悪感が少ないというか。普段しないようなお金の使い方をしてみたいです。









お金との向き合い方を考えたら、時間の有限性に辿りついた

—— ここまでお話を伺って、ハヤカワさんは時間という概念ととても真摯に向き合ってきたのだと思いました。改めて、今のハヤカワさんが思う時間への価値観とは、どんなものなのでしょうか?

10代の頃はRPGと同じで「人よりも早く結果を見たい、体験したい」という欲望がエネルギーだったのですが、今の時間に対しての考え方はもうちょっと哲学的というか。

いくつも起業してきたこともあって、一般的な20代よりも最大瞬間風速的にお金を稼いだとは思っています。そのとき、お金は増えるけど、時間は減るものなんだなと感じ、時間の有限性に気づいたんです。

—— 経営者としてお金と付き合ってきた経験が、時間への価値観にも結びついていったんですね。

私の場合は、経営以外にもメディアへの出演など芸能関連の仕事もお受けしてきたので、「⚪️時間でいくら」という報酬の生まれ方を経験したのが大きいかもしれません。同じ1時間でも金額は変わるし、自分に価値があると判断されれば、決して安くはない金額で声をかけてもらうこともありました。

だからこそ「時間をどう使うか」というのが全てだなという気がしていて。時間を使ってお金を稼ぐことはできるし、反対にお金を使って時間を手に入れることもできますよね。

「時間」という誰にでも平等に与えられた有限な資産を「どんな価値」に変換するか。「時間」を無駄なく効率良く使うことだけを考えていた学生時代とは違い、今の私は「時間」そのものの価値に目を向けるようになり「この時間を何に使うと自分の豊かさに繋がるのか」を意識するようになりました。

「この時間を何に使うと自分の豊かさに繋がるのか」

(取材・執筆:山越栞、撮影:関口佳代、編集:プレスラボ)

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/media/タイミーラボ編集部
タイミーラボ編集部

タイミーラボは、株式会社タイミーによるオウンドメディアです。

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